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第1回 日本の不景気
第2回 ゲーム業界の危機
第3回 オンラインゲーム
第4回 ゲーム会社の傲慢
第5回 中古販売の是非
第6回 古いゲームが欲しい!
第7回 ゲームの裏世界
第8回 エミュレーター
第9回 ゲームの改造
オールドゲームをいかにして遊べばよいのか 2003.01.13
 前回のコラムで、筆者はゲームの中古販売を徹底的にコキ下ろしました。「業界を衰退させる諸悪の根源」とまで言い放ってしまいました。これは根深い問題ですし、様々な立場で様々な意見があるだろうことも、また、中古がなくなればより違法性の強いコピーなどが氾濫するだろうこともわかっているつもりです。それに、実はもう最近では、中古商売はたいして利益が出ないことも知っています。そのわりに、手間はかかるらしいですが……。なにしろ新作ゲームがひと昔前ほど売れていない昨今、中古品を集めるのもなかなか難しいというのです(知ったこっちゃないけどネ)。

ゲーム業界の危機は、見えはじめてきている。

 が、そんな筆者でも、中古を認めざるを得ないものもあります。それが、オールドゲーム……続に言う「レゲー(レトロゲーム)」の分野。今なら、ファミコンやスーファミなどの、二〜三世代前のハードのゲームのことを指します。これらはたとえハードが現役で売られていても、ソフトを入手することは非常に困難です。中古屋をまめに巡るか、ネットで探すか……それでもなければ、いわゆる「エミュレーター」というやつに頼らざるを得ません。



 エミュレーターとは、簡単に説明しますと、異なるハードで他ハードのソフトが走るようにするプログラムです。もう少し詳しく言えば、プログラムによってパソコンの中にゲーム機を再現するものですね。現在、主にエミュレーターと言ったら、パソコン上でファミコンやスーファミのゲームソフトを動かすものを指します(もちろん、PCエンジンやメガドラなどもあります)。そして、肝心のゲームソフトはというと、「ROMイメージ」という形で自分で吸い出すなり(詳しくは触れませんが)、CD-ROMを入手するなり、アングラネットからダウンロードしてくることになります。完全な動作は保証されていませんが、パソコン上で手軽にあらゆるゲームをプレイすることが可能となるシロモノです。

 エミュレーターそのものはプログラムですから、オリジナルのエミュレーターを作って公開する分には問題ありません。問題のあるのはROMイメージ、すなわちソフトの部分。当然のことながらメーカー公認のものではなく、即ち違法です。ダウンロードまでは合法らしいのですが、動作(実行、ロード)させた瞬間に違法となってしまいます(それもなんだか、建前主義のおかしな話ですが)。最近ではゲーマーの高年齢化に伴う懐古趣味から来る「レゲー」ブーム、そしてPCやネットの普及によって、手軽にオールドゲームを楽しむことができるエミュレーターの利用度はますます増加傾向にあるようです。マニア向けのPC雑誌では、エミュレーターの特集記事や連載記事までもが載っていたりします。

 実は現状、メーカーはエミュレーターについてそれほど厳しい対策を講じてはいません。それこそスーファミ時代の「マジコン」のように、逮捕者が出たなんていう話もほとんど聞きません(マジコンの話は、機会があったらその時に)。エミュレーターで扱われるゲームが古いもの中心であるゆえ、さほどダメージはないと考えているのではないでしょうか。まあ、そうは言ってもプレステのソフトがメインになってくれば規制せざるを得ないはず。もちろん、プレステのゲームが走るエミュレーターは、すでに存在していますし、ネットを潜ればROMイメージもかなりの数を見つけることができます。

 もうひとつ。ご存知の方も多いでしょうが、外国・特にお隣の大陸あたりでは、今なおファミコンのゲームはけっこうアツかったりしてます。プレステやロクヨン、サターンの形をしていながら中身はファミコンというおかしなハードが、いまだに売られているのです。さらに、ロクヨンのコントローラーをハードに見立て、中にファミコンのゲームがぎっしり50〜100本ぐらい入っているような明かに怪しいモノも売っておりまして、香港土産として日本人にも人気が高いようです(空港で見つかったらアウトらしいけど)。ファミコンのゲームは、あちらではまだまだ現役なんですね。とは言え、これらはすべて違法となります。

既に壊れている残骸です。 ←お隣の大陸産、ザ・怪しい機械。このコントローラーのように見えるモノが本体で、中にファミコンのゲームがビッシリ詰まってます。コイツを直接テレビなどに繋いで遊びます。ちなみにこの製品は電池式です。3Dスティックのようなモノが付いていますが、飾りであって機能しません。コントローラーなどの耐久性は劣悪そのもので、すぐに壊れてしまうあたりも「いかにも」な機械です。




 さて、ここからが本題。我々がもし、今ファミコンのゲームで遊びたくなったらどうすればいいのでしょうか。どうしてもファミコンの、あのソフトを手に入れたかったら、どうすればよいのでしょうか?現状、まずは中古屋に望みを託し、しらみつぶしに探しまわるか、ネットで探す方法は簡単に思い付きますよね。それでも見つからない……となると、いよいよ違法性の強いエミュレーターや外国産の怪しい機械に頼らざるを得なくなるわけです。つまり、

いずれも正規の入手ルートではない!

 ただ単に過去の名作を遊びたいだけなのに、なぜユーザーが違法ギリギリの線で危ない橋を渡らないといけないのか、というところが今回のお題。オールドゲームは楽しいですよね!我々ぐらいの世代には懐かしさもあり、友達とちょっと遊ぶと異常に盛り上がってしまいます。「単純な楽しさ」を忘れつつある現在のゲームにはない何かが、あの頃のゲームにはあります。ところが、どんなに遊びたくても、手に入れるのが非常に困難なのは前述の通り。なるべく中古を利用したくない、そしてエミュレーターにも手を染めたくないという筆者のような「正しいゲーマー(笑)」としては辛いところです。仕方がないので、法的には問題ないとされている中古に頼ることになってしまいます。

 しかし、中古の状況も変わってきています。冒頭で述べました通り、最近のゲームでさえ中古の品揃えが薄れつつある昨今、ファミコン時代のゲームの在庫はたかが知れています。わりと最近までファミコンソフトの在庫が比較的豊富だった「とある中古チェーン」さえ、我々の取材に対して最近はファミコンの中古が減ったと語り、「ファミコンの在庫はすべて本店に集めてます。支店は買い取りだけですね(談)」とのこと。では、いよいよネットで探すか……と思いきや、中古販売サイトの多くはオンライン決済に対応しておらず、ほとんどが郵便や宅配便での料金着払いとなっているのが現状。銀行振込みに対応している所さえ、まだまだ稀です。これでは、ネットの利点などなにもありません。ハッキリさせておきますが、オールドゲームを懐かしむ世代のほとんどはもう立派に社会人。家で宅配便を待つヒマなどない!のです。こうなると、もうオークションなどに頼る他ありません。が、これとて正規の入手法とは言えません。どうしても欲しければ利用せざるを得ないのですが……。



 前回のコラムではメーカーの味方についたので、今回はメーカーを非難させてもらいます。中古販売や違法コピーに対してとやかく言うなら、ユーザーが望む商品を、いつでも正規に入手できるよう努力せよ!と言いたいのです。つまり、昔のゲームソフトを新品で売り続けるべし、ということ。お店に行けば売ってるなら、中古やエミュレーターなぞ使いませんよ。手に入れる手段がないから、どうにかして手に入れる方法を模索する。そうすると非合法な部分に片足を突っ込む場合も出てくるわけで、これみんな、メーカーにも責任ありますよってこと。実際、いくつ売れるかもわからないソフトを商品として生産・維持することは難しいとは思います。が、廃盤には廃盤のリスクもあるのではないでしょうか。そう、「違法なコピー」というやつです。いくら廃盤にしたところで、メーカーは著作権は放棄しないわけですから……。でも、逆に言わせてもらえるのならば、「誰も遊べないものの著作権を、何に対して主張しているの?」と思ってしまいます。

 そういう意味では、オールドゲームをまとめてプレステなどに移植することは、おおいに意味のあることだと考えます。古くは「ナムコミュージアム」に始まり、最近では各社がこぞって自社レゲーをプレステでリリースしていますよね。これは古くからのユーザーとしては多いに歓迎します。これからも、「もうファミコンはいらない」ぐらいの勢いで、レゲーを現役ハードに移植していっていただきたいと思います。特にプレステプラットフォームは上位互換を実現しており、レゲーの移植に最も適しているのです。例え現行機種に移植したとしても、そのハードがまた過去のものとなってしまっては意味がないでしょう?が、プレステ2はプレステソフトを読めます。これ、重要なことです。一部メーカーは携帯ゲーム機向けに移植しているが、それはやめてほしい……。やるなら責任もって、そのハードの維持について努力して下さい。とは言え、やはり昔のゲームを家庭のテレビ画面で遊べることに意義があるのですが……。

もっといろいろリリースして! ←現行機種に移植された、オールドゲームの数々。まだまだリリースする余地は残されているので、まだ出していないメーカーさんは発売して下さい!


 一方で、任天堂は今もディスクシステム用ゲームソフトの書き換えサービスを継続しています(注:当時。2003年9月に終了)。これは評価して良いことですが、逆にディスクシステムはハードの入手が困難。「謎の村雨城」や「メトロイド」を遊ぶことは、ファミコンソフトを入手するよりも困難なのです。他メーカーよりもいちだんと権利にうるさい(失礼)任天堂さん、意地を張るのはやめて、ファミコンやディスクの旧作を素直にゲームキューブ用ソフトへ移植しましょう。そうすれば、きっとキューブももっと売れるはずですし、違法なコピーやエミュレーターに目くじら立てる必要もなくなるってもんです(注:2004年、過去の作品の一部が「ファミコンミニ」としてGBAに移植されたのはご存知の通り。「村雨城」「メトロイド」も移植されました!大いに評価したいです)



 ゲームが映画や音楽などの娯楽作品にいま一歩及ばないのは、こうした旧作の手に入れ難さにあるのではないか?筆者は最近はそんな気がしています。たとえば映画を例にしますと、昔は劇場公開終了後しばらくすると、ビデオやLDが発売されました。ビデオが普及してなかった頃の過去の名作映画も、付加価値を付けたパッケージソフトとしてリリースされているのはご存知の通り。そして、メディアの主流がDVDになるや、こぞって「DVD版」「リマスター版」「サラウンド版」などを発売していく。これがビジネスというものではないでしょうか。同じソフトを時代を超えて利用していくことで、いかなる世代にも訴えかける商品として何度でも売っていく、これが商売ってものでしょう。音楽にしてもそう。同じマスターテープからリマスター盤、ベスト盤と、おいしいソフトは骨までしゃぶりつくす。そしてレトロブームに対してはあざといまでに反応し、またベストを出したりコンピレーションを出したりしてるじゃないですか。

 ゲーム業界も、もっとうまく過去の資産を利用していいんです!そうすればゲームという娯楽も、世代を超えた不変の定番として、世の中に浸透・定着していくはずなのです。スクウェアさん、インターナショナルやFINAL MIXもいいですが、テグザーの移植も考えて下さい(笑)。

メーカーは、レゲー愛好者に対してもっと愛を持て!
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