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FINAL FANTASY III Original Soundtrack
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 ファミコン・スーパーファミコン時代のナンバリングシリーズが続々と移植・リメイクを施されていくなか、多くのファンの要望を受けながらも唯一実現していなかった「FFIII」の現行機リリース。2006年、国民機ニンテンドーDSでようやくリメイクがなされた。それを受けてDS版ゲーム音源を収録したサウンドトラックも発売された。「ピコピコ」ではない「FFIII」サウンド、オールドファンにも聴いてほしい。

SQUARE ENIX
SQEX 10076-7(CD+DVD)  
2006年  
JASRAC表記:
あり

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ゲーム紹介

 「ファイナルファンタジー(以下"FF")」は、坂口博信氏が最後を賭けた作品だった。当時のスクウェアは決して、ゲーム界においてはヒットメーカーではなかった。これがダメなら、在籍はしていたものの通ってはいなかった大学に戻ろう……そんな想いで「FFI」は世に放たれた、ということは、ちょっと調べればどこかで見つけられる有名なエピソードである。だが、「FFI」はヒットする。当時大ヒットしていた「ドラクエ」を筆頭に、その亜流が氾濫する中で52万本を売ったのだ。そこらの亜流とは違うことを感じ取ったユーザーが確かにいたのである。これによって坂口氏はゲーム作りを続けることになるが、決してあぐらをかくことなく、1年後にはシステムをガラリと変えた「FFII」をリリース。こちらは約76万本を売り、ゲーマーの間に「FF」の名を定着させた。そして「FFIII」である。パーティキャラクターに初めて「ジョブ」の概念を取り入れ、その奥深いシステムによってRPGとしての完成度はさらに高まり、およそ140万本を売り上げることに成功し初のミリオン達成。高難易度なラストダンジョンは今なお語り草になるほどだ。「FF」はこの頃から「大作」の地位を不動のものにしていった。

 そして月日は流れ……「FF」はスーパーファミコンやプレイステーション(以下"PS")など、その時点での「国民機」に最新技術を惜しみなく投入した「超大作」を意欲的にリリースし、それまではどちらかと言えば「ドラクエ」の後を追っていた印象が拭えなかったシリーズはもはやそれと「双璧」と形容できるほどに成長、さらにゲーム業界を代表する作品、という地位も獲得する。同時にプレイステーションの「VII」以降にシリーズへ入ってきた新規ユーザーに向け、プレステやゲームボーイアドバンス(以下"GBA")といったプラットフォームに対して過去の作品の移植・リメイク版を投じた。さらに、携帯ゲーム機ブームや携帯電話の普及に伴って「移動中などに手軽にプレイしたい」というニーズが発生、過去作品のリメイクはますます加速する。そういったなか、「FFI」から「VI」のすべてが「現代版」の発売を完了した。否……「FFIII」を除いて

 「FFI」と「II」がリメイクされ携帯機ワンダースワン(以下"WS")用ソフトとしてリリースされた際、誰もが「次はIIIだ」と思ったはずであるし、実際にアナウンスされもした。が、期待に反して次に発売されたのは「IV」であった。WSは間もなく受注生産となり、そのままハードとしての使命を終え、もちろん一度は予定された「III」も立ち消えとなってしまった。スクウェアは次いでPSでも「FFI」「II」をリリース。WS版のリメイクをベースに新規ムービーを追加したそれらは「PSでのIIIリメイク」を予見させるにじゅうぶんなものであったが、こちらは公式にアナウンスされることすらなく実現には至らず。そして「FF」は次なる携帯機ターゲットをGBAに定め、まずは「FFI・II」を放つ。三度目の正直ということではないだろうが、「GBA版III」への期待はいよいよピークに達した。だがやはり公式な発表はなされなかった。「III」は何か権利上のやっかいな制約からリメイクが困難なのではないか、とファンが諦めかけた頃……。DSでの「III」リメイクが突然告げられたのである(実はそれ以前、PS2でのリメイクも企画されていた)。

 そんな、長い長い道のりを経て、NDS版「FFIII」は発売された。GBAでは表現できないであろう完全3Dのポリゴングラフィックは見た目にわかり易く「リメイク」を感じさせ、待ちに待ったファンの乾きを癒した。FC当時は無個性であったパーティキャラクターに名前・性格・固定フェイスといった「個性」を持たせ、近年の「FF」シリーズに近付ける工夫も見せた。リメイクで新しくなったのはそれだけではない。何度も移植・リメイクをされた作品ならばともかく、「III」はこれ以前にはオリジナルのFC版しか存在せず、そのピコピコサウンドがどのように生まれ変わるのか、といったところにもファンは注目した。全体の音楽監修はもちろんオリジナルも担当した「FF音楽の祖」植松伸夫氏。FC当時も工夫を凝らしたサウンドで我々を楽しませてくれていたが、だからこそ「原点」としてのファンの愛着も半端ではない。DS版の音を聴く限り、植松氏はオリジナルはもちろん、アレンジアルバム「悠久の風伝説」も消化したうえで、ファンのイメージに沿ったものにしようと意識したように思う。この頃は既に「THE BLACK MAGES(以下"TBM")」の活動もあったし、ゲーム本編のサウンドも多岐に渡っていたわけだが、「リメイクIII」においてはFC時代に定番であった「オーケストラサウンド」を基本としている。これが最も当時のファンのイメージを損なわず、かつ新規ユーザーにも受け入れられ易いと判断したのだろう。

 そして、実際のアレンジ作業についてはTBMで活動をともにしているスクエニのコンポーザー、関戸剛氏と河盛慶次氏に白羽の矢を立てた。関戸氏は既にPS版「I・II(厳密には「II」のみ)」を手掛けた実績があるし、「FFの音」と言えばシンセサイザープログラマーとして多数のシリーズを手掛けてきたのが河盛氏だ。まさに適任、というところだろう。特に河盛氏がプログラマーではなくアレンジャーとして楽曲を手掛けたことには、「FFVII ADVENT CHILDREN」での活躍が無関係ではないはずである(シンセサイザープログラマーとしては山中康央氏が参入)。関戸氏と河盛氏はまず、FC版をプレイしつつサントラCDで必要な楽曲の洗い出しを行った。当初はシンセ寄りなアレンジもアイディアとして出しつつ、「やりすぎるぐらいやってみよう」という方向性で「悠久の風」「故郷の街ウル」「ダンジョン」の3曲をデモとして作成、植松氏に確認してもらったという。結果は「やりすぎまして(関戸氏)」「全ボツでしたね(河盛氏)」。そこで「やはり生楽器系の音色でいこう」という結論に至り、製品版のようなオケ調のものとなったわけである。基本は「オリジナルを損ねないように」。
 
 本編の楽曲アレンジは上記の二人に任せ、監修としてアレンジの方向性についての指示を中心に携わった植松氏は、そのうえでムービー用の新曲「風の追憶〜悠久の風伝説〜」を作曲した。それらをすべて収めたのが、ここで紹介するサウンドトラックである。決して良いとは言い難いNDSのスピーカーから流れていた楽曲の数々をCDで聴けるのは単純に嬉しいし、ゲーム内では圧縮されまくっていた「風の追憶〜悠久の風伝説〜」を、やはりきちんとした音質で聴くことができる。FF音楽ファンはFC版と比較しつつ聴き込んでもらいたい。さらにボーナストラックとしてTBMの最新曲(当時)「最後の死闘 TBMバージョン」と、ナゾのユニットmuZikによる「悠久の風」のテクノアレンジを収録。また、ボーナスディスクといった位置付けのDVDには大画面で堪能できるオープニングムービー、プロモーションビデオ、貴重なサウンドスタッフインタビューを収録するなどサービス満点の内容。リメイクで初めて「III」に触れた人はもちろんFCからのファン、そしてDS版はやってないけど……というオリジナルのファンにはアレンジ盤として、いずれも必聴のアルバムである。



ゲームをプレイすれば、サントラがさらに楽しくなります。

01 風の追憶
〜悠久の風伝説〜
ゲームを起動すると流れるタイトルムービーで聴くことのできる曲で、DS版の新曲という位置付けではありますが、その中身は「悠久の風」+「水の巫女エリア」を紡いだ組曲。DS版の開発にあたり、オリジナルのファミコン版の頃より携わっているプロデューサー・田中正道氏から植松氏に「オープニングムービー用の曲がほしい」と依頼があったそうです。その際、できれば「悠久の風」をどこかに入れてほしい、という具体的な指示もあったとのこと。植松氏は「あの曲だけだとワンパターンになると思って、最初は激しい展開の新曲をつけた」のですが田中氏のイメージに合わなかったようで、お聴きのような「水の巫女エリア」と繋げたものになったのです。田中氏によると「最初に植松さんがあげてきたものは、"悠久の風"の後にバトルっぽい激しい曲がついていたのだけど、ちょっと違うなということでボツにしまして」。そっちも聴いてみたいですね、と誰しも思うでしょうが、「ボツになった曲はどこかで使おうと思ってるからダメ(笑)」と、植松氏はお約束のコメントを。

植松氏がこれを作曲する際に抱いていたイメージは「フィールドの曲。遠くに旅するイメージ。でも重いだけだと辛い旅になるので、元気もよく。ただし戦いも避けられない旅なので、あまり能天気にはならないように」と、複雑な条件を自らに課して生み出したようです。「悠久の風」と、数ある楽曲の中から「水の巫女エリア」を繋いだことについては、氏のお気に入りだからということの他に、「メロディはきれいだなって思っていたので、これなら田中もOKだろうと自信がありました。案の定まんまとのってきたね」とのことです。思惑通り田中氏は「ゾクッときた。言うことないな、さすが植松、と」。

そしてそれをオーケストラ録音。小編成とは言えDSのリメイク作品でオケ録りとはなんともゼイタクですが、それができるのも「FF」だからこそ。弦でしっとりと導入し、すぐに疾走感のある弦の刻みが始まると、その上で明朗な金管が伸びやかに歌い上げる「悠久の風」。アクセントに入れられているピアノや木管の美しさ、管やリズム楽器の力強さは、まさしく「宿命的だけど元気よく」という感じ。同曲のアレンジは「悠久の風伝説」にもありましたが、ケタ違いにスケールアップしております。そして1分42秒からは木管メロの「水の巫女エリア」、かと思うと盛大に盛り上げたりまたブレイクしたりと、ムービーの展開に合わせたメリハリはさすが。個人的には2分18秒からの、ピアノによるメロのダメ押しがツボです。グッときますね。ラストには「プレリュード」的アルペジオで余韻を残しつつ……。DSのスピーカーだとかなりショボショボになっちゃうんですが、サントラでたっぷり堪能して下さい。
02 プレリュード タイトルムービーが終ると、ファミコンでもおなじみ、あまりにも有名な「そのグルガン族の男は……」のテロップが流れ始めます。下画面には「タッチ・トゥ・スタート」と表示されてゲーム開始を促しますが、これをとりあえず読んでおかにゃ、「FFIII」ファンにあらず!そこで流れるのがこの曲です。ゲームを起動してムービーをスキップするとすぐこの曲が流れ、セーブデータロード画面でも流れ続けます。

ファミコンでは響き感のあるきらびやかなPSG音でしたが、DS版は定番となった感のあるハープを採用。これがまたキレイな音色で、そのへんのプリセット音でペロペロ〜と打ち込んだだけではこうはならないよね、という美しさ。弦をつまびく強弱も繊細に再現されています。ただ、音色は差し換わってもアレンジそのものは驚くほど原曲重視。まず、「FFIV」から追加された弦や木管などの上モノパートはなく、ファミコン同様アルペジオのみ。「III」のプレリュードはこれだろ?と(「III」まではアルペジオのみでした)。そしてもうひとつ、単調になりがちなアルペジオに表情をつけるアッチェレランド(徐々に早く)、リタルダント(徐々に遅く)。ファミコン当時から頑張ってましたが、DS版でもその雰囲気を完全再現してます(ちなみにそういった処理が加わったのは「III」からで、「I」「II」の「プレリュード」は速度一定でした)。どちらもオリジナルへのリスペクトが感じられます。
03 クリスタルのある洞窟 ニューゲーム開始後に突然投げ出される、ダンジョン「祭壇の洞窟」で流れる曲です。ファミコン版を知っている人はまずここで驚いたことでしょう、「ひとり?!」と。オリジナルではパーティキャラ4人で探索したこの洞窟、DS版ではひとり旅。操るのはルーネス……ここでもう一度驚くのです、「オマエ誰?!」とね。DS版ではパーティキャラに固定の名前(変更可)と顔、性格が与えられているのです。このあたりは最近の「FF」からのフィードバックですね。ファミコン版は無個性な4人組でした。

何かにつけてファミコン版との比較になってしまうのは、申し訳ないのですが仕方ないってことで。制作者たちも比較されることは覚悟のうえだと思うので。それも理解したうえであえて言うなら、新規メロディの追加などはないものの、この曲はだいぶ雰囲気が変わりましたね。原曲はその音源の味もあってか非常にドロドロした曲だったんですよ。「こ、怖い!」という。アルペジオもそうですが、ベースなんか特に重く苦しい音だったんです。メロも細かく刻まれた音で奏でられており、それが不安・緊張を醸し出していました。

しかしDS版アレンジではまずアルペジオが木管とベルというキレイな音になったこと、そしてメロも木管で暖かみが前面に出ていること、ベースがだいぶ引っ込んだこと、後半のメロがハープ?になったことなどなど、寒々しさは残っているもののとにかくキレイな曲になってるんですね。さらにボーカリーズもうっすら混ぜられており、原曲とは対極にある雰囲気になっています。ファミコン版は怖さ、はかなさ、おどろおどろしさ、美しさなどいろいろな表情を持っていた曲でしたが、今回はかなりイメージが狭まったなと感じました。もっとも、ファミコン版が必要以上に怖すぎたのかもしれませんけどね。どちらが正解ということもないのでしょうが、やはりオリジナルのイメージというのは常に上に立ってしまうものですから……。

シンセ系のアレンジをあえて封印してオケ調で、という意図はわかりますが、臨機応変というか、例えばこの曲のベースなんかは思い切ってモノシンセで!というチョイスもアリだったと思います。そうしたらだいぶ感じが変わったのでは。原曲を知らずに聴けば違和感はまったくないんですけどね。ということでこの曲は祭壇の洞窟のほか、炎の洞窟、水の洞窟、古代の民の迷宮などまさに「クリスタルのあるダンジョン」で流れ、さらにゴールドルの館などへ流用もされてます。
04 バトル1 おなじみのイントロ「ダダダダダダドド」から始まってくれることで安心感を与えてくれる、通常戦闘の音楽です。何度となく聴きましたよね?この曲は原曲ではやはりリズム音色とベースがキモだったと思うのですが、このあたりはDS版にあたり手が入れられています。なんでもかんでもファミコン準拠じゃ飽きるだろうという判断のもと、オケへの統一が図られているわけです(ファミコン音は最後=「最後の死闘」にとっておく、と)。DS版アレンジではまずリズムがテンポの速いマーチングスネアとなり、ベースは鳴ってはいるのですが、ユニゾンの弦にマスキングされて「隠し味」ぐらいに留まっています。ベースはセンターで、そして左右に配置されたチェロぐらいの低音弦が同じフレーズを奏でているのです。

メロ音色は前半はストリングス、後半は金管がもっていきます。その脇で奔放に跳ね回る木管楽器がせわしなさを出していますね。アクセントで拍アタマにしばしば入るシンバルとティンパニ的アタック音は、オケ的というよりはハリウッド的な誇張された音で、ベースと合わせてただのオケ曲にしていません。そしてオリジナルで感じられた、音源のトーンから意図せず滲み出ていたチープさ・コミカルさ(この感覚には個人差ありますけど)が消え失せ、シリアスな雰囲気になっていることに注目。同じ曲でも音色やアレンジで印象がまるで変わる、ということを実感できると思います。
05 勝利 ファミコン版のサントラでは「バトル1」と繋げられていた勝利MEですが、今回は別トラックになりました。曲名も「ファンファーレ」から「勝利」に。もちろんシリーズおなじみのファンファーレです。ファンファーレ部分はブラスで盛大に、以降はキレの良いストリングスで爽快に。この曲にのせてガッツポーズをとるキャラクターたちは本当に嬉しそうに見えます。
06 クリスタルルーム 祭壇の洞窟最奥、ランドタートルのいるマップに入ると流れてくる曲です。「プレリュード」=クリスタルのイメージをマイナーにした感じ。これはハープなどのオケ音色ではなくキーボードという感じで、かなり固めの音が使われてはいますが基本路線はファミコン版から変わっていません。受ける印象もほぼ同じではないでしょうか。

クリスタルのある部屋で使われており、初出は封印の洞窟内「風のクリスタル」。あとは順当に炎の洞窟内の「火のクリスタル」、水の神殿「水のクリスタル」、古代の民の迷宮の「土のクリスタル」と使われていきます。ゲーム終盤で探索する「闇の世界」の、各ダーククリスタルがあるマップ(中ボス戦があるマップ)でも流れています。

それ以外のイベントでは、ジンを封じ込めた後でサラ姫がサスーンの城内にある泉に指輪を投げ込むシーンでも使われていました。
07 オープニング・テーマ ゲーム開始後、最初のイベント一連をこなしてランドタートルを倒し、かつジンを撃破して「かぜのクリスタル」から啓示を受けると、「III」のオープニングとなります。こういったタイミングでオープニングとなるのも、「FF」を「I」からプレイしている人にしてみればおなじみの演出ですね。音楽自体も「I」同様で、この曲がそれ。すでにファンの間では、当時からしっかり「FFのテーマ」として定着していたはず。テーマ曲としてバッチリな印象を持っている名曲です。

イントロからはわかりにくいですが、まごうことなき「FFのテーマ」です。後の作品では「ファイナルファンタジー」とそのものズバリの曲名が与えられることも。このイントロはファミコン版と同じで「III」でしか聴けないパターンです。DS版ではそのイントロは弦楽となりました。イントロ終盤からグワーッと盛り上がり、ティンパニ、シンバル、マーチングスネアなどの打楽器とともに金管が脇を固めて音圧感を高めますが、主旋律はあくまでストリングス。このあたりはオーケストラコンサートなどのフィードバックでしょう。この旋律はやはり弦で奏でると最もしっくり来ますね。
08 故郷の街ウル その名の通りウルで流れてくる、ほっとする和み系の曲ですネ。ファミコンの頃からそうでしたが、DS版は弦とハープがバックを奏でるなか、のびのびと清らかに歌う木管がいっそう「癒される〜」という感じ。あったかいです。音のせいかずいぶんゆったりしたように感じますが、ファミコン版とそれほどテンポは変わってません。

奥の倉庫にケアルがあるぞと言われて取りに行ってみれば、町の中だというのに突然ウェアウルフに襲われ……ああ、古き良きファミコンRPGよ……。なお、曲名はウルになっていますが、カナーンでも使われています。
09 悠久の風 これを「FFIII」の代表曲!とする人も多いでしょう。フィールドでかかる「III」のメインテーマです。この曲が「FFIII」はもちろんシリーズでいちばん好き!と公言するファンもいるほど。植松氏としてもファミコンで3作目となる「III」での曲作りは気合いが入っていたようで、「初のRPGでわけもわからずとにかく作った"I"、時間的制約から必ずしもパーフェクトではないものを出さざるを得なかった"II"ときて、"III"はじっくり手間をかけて作ろう」との思いがあったとのことです。ファミコン音源の制約の中での創意工夫、例えばこの曲のオリジナルでは空いたトラックをエコーなどのエフェクトに使うなど、今までできなかったことをやろう、やらなかったことをやろうという試みが行われました。結果、独特の透明感・浮遊感さえ感じる音が生み出されたのは旧作のファンなら知っての通り。楽曲の人気にはきっとそういった要素も貢献しているのでしょう。

そしてDS版ではファミコン版で表現した質感を重視、清楚なストリングスとハープのアルペジオ、跳ね回るように楽しげな木管など、清々しさを第一にしたアレンジとなりました。アレンジアルバム「悠久の風伝説」では木管メロとなっていたので、主メロを担当する楽器による印象の変化も比較の対象として興味深いですね。
10 ジンの呪い 呪いを受けていると、城や町でこの曲が流れちゃいます。なんとも奇怪な曲ですねー。初出はカズスの村でした。いったい、呪いとは?ジンとは?この曲をバックにゲームを続けるのはけっこう鬱になります……。原曲は音色のトーンも曲調に大きな影響を与えていたのですが、DS版アレンジも「上手い!」と思いました。この曲をアレンジする時に、「ブッ、ピッポ・ブッ、ピッポ」というあのベース音を何の音色にするか……というのはけっこう悩むと思うのですが、わりと無難にピチカートを採用。ところがこれがハマってる!メロに木管、合いの手にチェンバロっぽい鍵盤楽器を充てていますが、原曲の音のイメージでは逆。メロがチェンバロ、合いの手が木管のはずです。しかしそれはあくまで原曲をそのまま置き換えたらということであり、ピチカートから続く順序としては木管→チェンバロの方がしっくりきてるんです。「何で?」と訊かれても困りますが、このアレンジは見事ですよ。

カズスに続いてサスーン城でも使われているほか、バイキングのアジトでは、ジンの呪いとは関係なく流用されています。この場合は、ネプト竜に困らされているという意味合いでしょうね。言わばこの曲は「困ってる人たちのテーマ」。そして「勇者の帰還」が、「問題解決のテーマ」なのです。同じような状況に、兵士の略奪に困り果てるトックルの村、人の気配がしないアーガス城、つのを盗まれて困っているドワーフの洞窟などがあります。RPGというジャンルにおいて、「困っている弱者をプレイヤーが助けて回る」というのはお約束というか、もはや王道です。ということで、けっこう頻出するのですがゲームを進めると聴けなくなる曲でもあります。
11 ダンジョン うわあ!びっくりした!いきなりコーラスですか。ずいぶんまたハデになりましたね、の汎用ダンジョンBGです。オリジナルはウネウネ系でかなりイヤな感じだったのですが、妙に高級な感じに。原曲を「さびれた遊園地のお化け屋敷」と例えた場合、DS版は「イギリスあたりにある幽霊の出そうな古城」という感じでしょうか。わかりにくいですかすみません。シーケンスっぽく左右交互に鳴る木琴、高音の弦によるメロディ、それを補強するコーラス、ウネウネフレーズは木管ですね。

タイミング的に最も早く使われているのはカズス内のミスリル鉱山ですが、攻略順で初出となるのは「封印の洞窟」ですね。ダンジョンに専用BGが多い本作ですが、地底湖、アムルの下水道、魔方陣の洞窟、古代遺跡、バハムートの洞窟など、けっこうな数のダンジョンで耳にすることができます。
12 勇者の帰還 呪いを解くことによって平和になったお城や町でかかる曲。ジンの呪いを解いた後、サスーン城で初めて耳にすることになるでしょう。おなじくジンに呪われていたカズスの村でも流れます。原曲のレビューで「ブラスを連想させる、勇壮な楽曲です。オーケストラで聴いてみたくなります」と書きましたが、まさにそのものズバリなアレンジとなりました(生オーケストラではありませんが)。問題を解決して町に戻ると鳴り響くこの曲に「よし、ここは終わり。次はどこへ行くのかな」と、プレイヤーは次なる冒険に気持ちを切り替えるのです。言わば「ミッションコンプリートのテーマ」というところ。

他に、ネプト神殿クリア後のバイキングのアジトや、炎の洞窟クリア後のドワーフの洞窟、ハインの城クリア時(ハイン撃破直後)、ハインから解放されたトックル、人々が戻って来たアーガス城、ギガメスを倒した後のサロニア城などで聴くことができます。変わったところでは、サロニアの地下迷路の最深部・オーディンのいるフロアで使われています。もっともこれはこのエリアがサロニア城の地下という扱いだからなんですが……。「このマップに入った時にはこの曲に切り換える」という、プログラムの仕様ゆえです。

その後はしばらく聴く機会がありませんが、ゲーム終盤、窮地に陥った主人公たちを救うべく、ドーガが各地を巡ってかつての戦友たちを集めるシーンでも耳にできます。とは言ってもこれもサスーンのサラ、サロニアのアルスを訪ねた場面のみ。つまりイベントのBGではなく、あくまでサスーン及びサロニアのBGとしてなんですね。DS版では直そうと思えば直せたのでしょうが、あえて踏襲しています。
13 山頂への道 カナーンの南、バハムートの巣がある「ドラゴンの住む山」で流れる楽曲です。こういったシーンでもわりと立つメロディが与えられているのは、ファミコンの表現力に起因しています。グラフィックの表現力をメロディで補う必要があったわけです。次第にグラフィックが実写さながらのものになり、キャラクターがフルボイスへと進化していくにつれ、こういうシーンは背景描写的な薄い音楽が当てられていくようになります。DS版リメイクにおいても曲を変えるわけにはいかないので、そのままオケ調にグレードアップされました。金管→弦と主メロを2回奏でた後の、34秒から56秒で展開される部分はDS版での新規パートで、主メロを引き継ぎながらも飽きさせないよう付け加えられてます。もともとが短い曲でしたからね。マーチングスネアがなにげに良い音してます。

この曲は前述の通り山道のほか、なぜか飛空艇内部(インビンシブル含む)でも流れます(ちなみに初出は「西の砂漠」で飛空艇に乗り込んだ時)。どうしてなんでしょう?教えて植松さん!
14 トーザス 楽しげな曲。古き良きゲーム音楽、という感じ。アレンジアルバム「Love Will Grow」に、かわいらしいボーカルバージョンがありますのでぜひ聴いてみて下さいね。ゲーム内で流れる場所は、曲タイトルの通りです。チビキャラたちがチョコマカと動き回る姿はなんとも微笑ましいですね。トーザスの抜け道でも引き続いて流れます。敵が出現するマップでもこの曲が流れていると、妙に怖くないもんです。DSアレンジではおもちゃの兵隊的チープなマーチに乗せて、笛がメロディを奏でます。アコーディオンの音のせいか、どこかサーカス団、もっと言っちゃうとチンドン屋のようでもありますね。チンチキチンチキ。

DS版ではトーザスに至る前にこの曲が流れるポイントがあります。封印の洞窟で「かぜのクリスタル」から光を受け取るとジョブチェンジが可能になりますが、DS版ではジン撃破後、新たにモーグリによるジョブチェンジについての説明が挿入されます。そこでBGMとしてこの曲が流されるのです。

ちなみに曲名が変わってます。オリジナルは「小人の村トーザス」でした。ネタバレ防止かな?
15 ネプト神殿 ミニマム状態で進まなければならない、ハンデの大きいネプト神殿のBG。ゆえに曲の印象も、厳しいダンジョンだったなあ、という想い出に溢れています。ネプト神殿では戦士系ジョブは役立たず。いかに魔法系ジョブでパーティを構成するかがカギでした。「III」では、こういったその場の状況に応じた転職が重要でした。DS版でその要素がやや薄まったような気もしますが……。

とにかく独特な低音が主張していたファミコン音源から、DS版は弦の刻み+木管メロの導入で始まり、後半は弦メロと太鼓+シンバルで盛り上げるという正統派のアレンジになりました。無難と言えば無難です。原曲のイメージを損なわないようにアレンジすることは命題だったのでしょうけど、シンセ色が薄れてオケ音色を打ち出したことで、正統進化ではあるけどファミコン版とは別物になっております。確かにいま、DSでピコピコ音でやられてもそれはそれでいろいろ言われるでしょうし……。この曲で感じたのは、もとが短い曲だということもあるのですが、音色の独特な雰囲気が取り払われると「わりとなんでもない曲だったんだな」ということですね。
16 エンタープライズ海を行く エンタープライズが海を航行している際の「海」BGM。ファミコン版では軽快ではあってもわりとサラッとした曲だったのですが、DSアレンジは厚みのあるオケ音色で一聴して派手なイメージに。リズムを刻む金管とマーチングスネアで、原曲にはなかった勇ましさがプラスされています。船を手に入れ、いざ新たな土地へ!という勢いがだいぶ強調された感じ。
17 生きている森 実はファミコン版の頃から、楽曲と曲名にギャップを感じていた曲です。もちろんストーリー上での使われ方を知っていればどちらも納得なのですが、予備知識なしで聴くと「生きてねーよ、死んでるよ。こわいよ」みたいな。オバケ出てきそうですよね。DSアレンジは関戸氏が担当したそうで、氏が最初に作ったバージョンはとても「生きている」とは思えないドロドロアレンジだったそうです。原曲に輪をかけて怖くなってしまったんですね。「仮に作っておいたものが使われちゃって、言い出せずにいたけどその後3回ぐらいこっそり作り直した」とは関戸氏の談。そうして正式に採用されたのがここで聴けるものです。原曲が持っていた、なんとも言えない感覚を木管オンリーで再現。ボツバージョンがどのようなものだったのか、聴いてみたいです。

初出はバハムートの巣から脱出した後に辿り着く、カナーン東に位置する「回復の森」でした。その後はもちろんその名の通り「生きている森」にて。
18 古代人の村 ファミコン音色での特徴付けの難しさから、ファミコン版のレビューでは「特に"古代人の村"っぽくない普通の曲」などと生意気なことを記した筆者。こういう「とりたてて個性のない曲」が作品の曲数増加を招き、印象の低下に繋がっていることを指摘したものでしたが、DS版では当然楽曲そのものは変わっていないものの、オルゴールを思わせるベル音色とブレスすら感じさせる緻密な木管によって個性を出しています。そう、他の村や街の曲と徹底的に「違う色」が出せないことには、わざわざ別の曲にする意味が薄れてしまうのです。その意味ではDS版において、楽曲がやっと本来の役割を獲得できたのだと言えます。

この曲はグルガン族の谷でも流用されています。
19 チョコボのテーマ 「FF」ではすっかりおなじみのチョコボのテーマ。ファミコン版「II」で初登場し、以後すべての作品に登場するマスコットキャラ・チョコボのテーマ曲は、やはり「II」が初出。ただしその時はここで聴ける前半部分のループのみで、現在の形に近い「後半部分」が初めて付いたのがファミコン版「III」でした。DS版でも曲の構成は変わっていません。後の作品では音色や楽曲スタイルによって「○○ de チョコボ」という曲名が与えられていくようになりますが、今回はそうせず初心に戻ってシンプルに「チョコボのテーマ」としています。アコースティックギターの伴奏に、メロはハーモニカという素朴なアレンジは、オケ音色中心の本作にあって新鮮なテイストを醸し出しています。なお、チョコボの森内部ではメロディは現われず、イントロの2小節をループしたものが流されています。

この曲はちょっとしたイベントでの使用もされており、レプリトの村で召喚士見習いがチョコボを呼び出してしまう……なんていうお遊びで聴けました。一方、ダスターの村ではこの曲の歌詞が「チョッコボー チョコボ チョッコッボー チョッコボ チョッコボー チョッコボ チョッコボー はい!」だということがわかります。これ、ぜひボーカル化してCD出して下さい……とファミコン版のレビューで書いたのですが、いまだ実現せず……。
20 でぶチョコボあらわる 以後の作品でも使用される「でぶチョコボのテーマ」は「III」で初登場しました。チョコボの森の中心に生えている木に向かってギサールの野菜を使えば、でぶチョコボ登場!ファミコン版はかなり短い曲でしたが、DS版は新たなパートを加えて曲を伸ばしています(16秒〜32秒がDSアレンジでの新規パート)。音色的にはブラス中心でコミカルさを出していますが、「IV」で強調されているティンパニを使っての「重さ」の表現はなくなり、薄めに太鼓が入っている程度です。「でぶ」っぽさが弱まったかな?個人的には14秒の鐘がツボです。カーン。

ちなみにこの曲、一部で「もともと田中弘道氏のテーマだった」という噂がありますが、植松氏によると「確かに田中のテーマとか坂口のテーマとか遊びで作った覚えはあるけど、でぶチョコボの曲とは別の曲。似てるけど」とのことです。つーか坂口氏のテーマ、聴いてみたい……。
21 オーエンの塔 タイトル通り、オーエンの塔で流れる曲。ドロドロとしていながらもテンポは速め、序盤の山場となるロケーションにぴったりと寄り添い、緊迫感を盛り上げています。かといって一本調子ではなく、広めのマップにおいてうまく緩急をつけることに成功しています。DS版ではファミコン音源にあったようなおどろおどろしさはなくなってしまいましたが、圧倒的な強大さを感じさせるイントロに始まり、低音弦と金管から成る刻み、緊張した高音の弦が引っ張る旋律など、とにかく派手になりました。音色のせいか筆者がファミコン版のレビューで主張していた「チョコボ(30秒〜)」感は薄まりましたね……。

シドにエンタープライズを飛空艇へと改造してもらった際、彼が10年前の出来事を語るイベントに流用されています。4人がみなしごになった理由、そして彼らが浮遊大陸の人間ではないことなど、重要なことが語られるシーンです。
22 ギサールの野菜 ギサールの村で使われている曲。特にチョコボ色はありません。ファミコンの頃の形はそのまま、パーカッションとスティールパンによる伴奏がどことなく暖かい「南国っぽさ」を感じさせてくれます。しかし1周17秒とかなり短い曲。2ループ演奏しきる前にフェードアウトしてしまいますが、もういっちょ!という物足りなさはどの曲にも感じます。2枚組にするわけにもいかなかったのでしょうが、MEの収録やボーナストラックなど旺盛なサービスによって「サントラとしての充実感」はやや薄まっているのが悔やまれます。
23 ハインの城 うまく個性の出ている楽曲です。後半部分の、どこか異国情緒を感じさせる音符の運びが絶妙な味を出しています。ハインの城で初出となる曲で、高価なお宝がころがっている怪しげな場所にハマってますね。DS版はその奇妙なトーンを絶妙に継承。何と表現してよいのかわからないガチャガチャとしたパーカッションに、虫の羽音のようなSE(何の音だろ?)、木管でかためた安っぽい音色群が、えもいわれぬ胡散臭さを醸し出しています。ここまでの流れでいくと「またハデになってるんじゃないのー?」という曲なのですが、見事に予想を裏切られる好アレンジとなっています。

出番の少ない専用BGかなーと思いきや、ゲーム後半に訪れる「暗黒の洞窟」で流用されています。
24 危険なショートミュージック1 今回のDS版サントラでは、FC版サントラには収録されていなかったME関係もしっかりフォローしてあって嬉しい限りです。ここからは「汎用危機BGM」が3曲続きます。「1」は主にボスモンスターとの対峙(戦闘前のイベント)で流れるもの。トックルでハインの城の兵士につかまるシーンや、浮遊大陸を出るイベント、おまえらに取られるぐらいなら……と、クリスタルを破壊するゴールドル、アルスに刃を突き立てるゴーン王〜本性を現しガルーダになるギガメス大臣、ドーガの館でモーグリたちの急襲?!、ザンデの罠にかかるルーネスたち、などでも流れています。ちなみに、記憶に頼っているのでもしかすると「2」や「3」が流れていたシーンもあるかもしれません。明確にわかる人は修正突っ込みお願いします

ドンデンドンデンという威圧的なティンパニ、駆け上がるストリングスが「襲いかかるもの」の恐怖を何倍にも増幅してくれます。
25 危険なショートミュージック2 「2」は「ヤバイ!」「危ない!」「あれ、おかしいな」といった、突然起こった危機的状況において流されるもの。サロニアで暴漢にからまれるアルス王子、というイベントが初出になるかな?テンポは「危険なショートミュージック1」よりもさらに早くなり、せわしない弦と木琴、そしてコーラス音色までも組み込まれています。
26 危険なショートミュージック3 水のクリスタルでエリアが主人公をかばって矢に貫かれるイベント、ルーネスたちの前にザンデ登場、といったストーリー上でも大きなヤマとなるイベントで耳にすることになる、汎用アオリ音楽その3。「危険なショートミュージック2」をより発展させたような形で、ここでもコーラス音色が使われています。これらのショートミュージック1〜3はDS版の新曲ではなく、すべてファミコンの頃に存在していた曲。当時から疑問だったのですが、これって3曲別のものを用意する必要あったんでしょうか。少なくとも「2」と「3」は分けなくてもよかったような気がします。DS版では音色的にもかなり被っちゃったので、なおさらそう思いました。「作っちゃったから入れとくね、イベント担当さんは好きなの使って」みたいなノリ?
27 バトル2 ファミコン音源によるリズム音色のためにどことなくシリアスになりきれてなかった中ボス戦BGも、DS版では直球ど真ん中のオケ音色になってだいぶパワーアップしました。原曲のポップス的ドラムは姿をくらまし、リズム隊は疾走感のあるマーチングスネア、アクセントのティンパニとシンバルという構成に。その上に乗っかるのはもちろん威圧感がありつつも勇ましい金管と、危機感を増幅する弦のアンサンブル。さらにオケ楽器ではないベースがリズムと低音を補強しています。このベースが、最もファミコンバージョンを残している点と言えるでしょう。ポップス的なベースの音って、オケ楽器で代用がきかないんですよね。弾むような音でテンポキープしてノリを出せる楽器がオケにはない。弦のピチカートはまた違ってきますから。

最初に聞けるのは初の中ボス戦となるランドタートル戦でした。その後はジン、おおねずみ、メデューサ、グツコー、サラマンダー、ハイン、クラーケン、ゴールドル、ガルーダ、ファルガバードの忍者、オーディーン、リバイアサン、バハムート、ヘカトンケイル、ドーガ、ウネ、ティターン、アモン、くのいち、ジェネラル、ガーディアン、スキュラ、そしてまおうザンデ……、ああ、疲れた。中ボスめちゃくちゃ多いじゃん!例外としてはバハムートやネプト竜。倒すことのできないこれらの魔物相手の戦闘でもこの曲が使用されています。

そして、DS版で追加された隠しボス「てつきょじん」との戦闘においても流れるのはこの曲。モグネット(他プレイヤーやNPCとの通信)で手紙のやり取りをしないと現れることのないこのボス、苦労して条件を満たし、いざ挑戦!……何もせずに全滅しました(笑)。4回連続行動なんて反則です。だからこそ倒せた時の達成感は凄いのですが、かといって強力なアイテムが手に入るわけでもなく……。腕試し&自己満足ですね。コイツを倒せるようならもう敵はいないわけなんですが……。
28 レクイエム パーティが全滅すると流れる曲で、繰り返しの短いBGですが暗すぎず、悲しすぎず、どちらかというと美しい、はかない感じ。DS版はチェンバロっぽい音色とオルガンで「レクイエム」としてわかりやすくなっています。

またゲームオーバー時のみならず、デッシュがオーエンの塔で我が身を犠牲にするイベントや、サロニアでゴーン王が死亡するイベント、やむを得ずドーガとウネを倒した後などで聞くことができます。むしろそういったイベントにおける印象の方が強いかもしれませんね。また、対暗闇の雲第一戦は必ず負けますので、すべてのプレイヤーがそこでこの曲を聞かされます。「全滅した…」のところはもちろん、直後のイベントでサラ姫やデッシュが「死ぬな!」と語りかけてくる際にも流れています。もっともそこに至る前にイヤってほど聞かされたかもしれませんが……。

なお、一回目の暗闇の雲戦の後は「全滅した…」のところでこの曲が一度鳴って止み、直後のイベントでもう一度アタマから流れるのですが、ここなんとかして繋げられなかったのでしょうか。バトルからイベントを跨ぐのでおそらくプログラムの仕様的に難しかったのでしょうが、こういうところで底力を見せてほしいなあ。
29 エンタープライズ空を飛ぶ 物語序盤、カズスでシドに出会うと彼から飛空艇を借りることができるのですが、それに搭乗するとこの曲が流れます。が、真の用途はエンタープライズのテーマ。シドの飛空艇は流用ということになります。かなりテンポが速く、それは原曲ゆずりでもあるのですが、DSアレンジはイケイケなアレンジでテンポ感に拍車がかかってます。疾走感のある弦刻み、ドラムス、ベースなど、ポップス寄りの編成でひたすら爽やかに、ひたすら明るく。メロを奏でるストリングスも爽快感に溢れていて良いですね。管を一切使わずに弦だけにした効果です。エンタープライズのスピード感にこの曲が寄り添うことで、制作者が心掛けた「エンタープライズの速さはファミコン版をぜひ継承しよう」という狙いが見事に具現化しています。

なお、ループの間に挟まれた間奏(27秒〜32秒)はDS版での新規追加。しかもただループするだけでなく、1周目と2周目は微妙にアレンジが違うんです。ドラムを聴き比べると、単なるループでないことがわかると思います。2周して初めて1周目に戻ることになるのです。
30 果てしなき大海原 ある意味で「III」の最大の見せ場である、初めて浮遊大陸から出るシーン。えっ、なにこの海だけのだだっ広い世界は……。というか、俺らが今までいた世界ってこんなにちっぽけな……。どこへ行けば……街は…人はどこに……?そんな、とてつもない孤独感に襲われる場面で流れたのが忘れられないこの曲。その印象度から、作品でも上位の人気曲となっています。しかしDS版は上画面の全体マップのおかげで(せいで)「あっ、あそこに何か島があるぞ」とすぐにわかってしまい、あの何とも言えない感覚が薄れて(ぶち壊されて)いるのが残念でしたね。

ファミコン版は効果を駆使して浮遊感のある独特の質感を表現していました。あれはあれで完成したものだったため、DS版をどうするかはアレンジャーも悩みどころだったのではないでしょうか。透明感のあるメロディは木管で表現、原曲でベースが担当していたアルペジオはおなじみのハープとし、「FFらしさ」も醸し出しています。後半はメロディを弦が受け持つことで、感情の盛り上がりを支えています。ファミコン版の質感を損ねないことを最優先にしているように思えますね。ゲーム中では聴ける期間が限られているのが残念です。
31 水の巫女エリア 作曲者・植松氏をはじめ制作陣にも思い入れのあるこの曲、難破船で流れる曲ですが意味合いとしては曲名の通り、エリアのテーマ。短い繰り返しの曲ではありますが、それゆえにメロの美しさが際立ち、かつ覚え易く、結果として印象に残るものになっているのは言うまでもありません。DS版ではオーケストラアレンジされてオープニングムービーに組み込まれましたが、それもひとえにオリジナルでの印象の高さゆえ、でしょう。作品を代表する楽曲なのだと言うことができます。曲は難破船のほか、クラーケンの呪いの矢に貫かれたエリアが死んでしまうシーンでも印象的に使われています。プレイヤーとしても、ここでこの曲を「難破船の曲じゃなくてエリアのテーマか」とはっきり認識する場面です。

原曲は「果てしなき大海原」を受け継ぐような透明感のあるトーンで、もちろんそれは音源に起因することではありますが、場面に統一感を与えていました。DS版のアレンジもそこは気にしたようで、「果てしなき大海原」とよく似た楽器編成(木管+ハープ)によってあえて隙間を残しています。「果てしなき大海原」の木管がフルートだったのに対してこの曲はオーボエとなり、楽曲がちょっとした色気を持ちました。元が短い曲だったからか、ループの間に新規の「繋ぎ」が加えられています(48秒〜1分6秒)。このあたりは監修の植松氏が提案したのか、アレンジの河盛氏が考案したのか気になるところ。河盛氏的には「いい感じで原曲をDSに落とし込めたので気に入っている」そうです。
32 アムルの街 ウル同様、癒し系のあったか音楽。使用場所は曲タイトルの通りです。地震が起こり、わけもわからずベッドで目を覚ますパーティ……。エリアの犠牲とともに、世界には大陸が復活した。そんな状況が初出となるためか、どこか哀愁漂う雰囲気もあり、個人的にはかなり好きな曲。エリアのモチーフを散りばめても良かったかな?とは思いますが、楽曲の質感やテンポ、音色は踏襲していると言えるでしょう。DSアレンジにおいても「木管+ハープ」は前の2曲から受け継がれています。DS版の音色を聴いて思ったのですがこの曲、なんとなく「FFVII」で流れそうな曲ですね。根拠はないですけど、単に「あっ、なんか"FFVII"っぽい!」と思っちゃったもので。

なお、ドーガの村で流用されています。
33 ピアノのおけいこ1 大爆笑。初めてピアノに触る人の演奏を見事に再現!原曲はもちろん、誰もが知っているベートーヴェンの「エリーゼのために」です。実はコレ、ファミコン版では開発に参加していた伊藤裕之氏の演奏データを使用していました。植松氏が伊藤氏に「ちょっと弾いてみて」と言って録音したデータをそのまま使い、伊藤氏が間違えた通りになっているそうです。ホントは弾ける人がそれっぽくワザとハズした……のではなく、ホントに弾けない人に弾かせたものを使ってるんですね。DS版はさすがにそのデータではないでしょうが、ハズし方はそっくりそのまま再現。音色はまんまピアノになりましたが、ファミコン版のサントラにあった「ブーイング」はありません。
34 ピアノのおけいこ2 「猫ふんじゃった」。こちらもファミコン版のサントラにはあった「拍手喝采」のSEは省かれています。
35 スイフト・ツイスト アムルの街でピアノを弾くと聴くことができる曲で、ファミコン版は筆者の脳内変換ではピアノ・ギター・ベースでしたが、DS版は立派なバンドサウンドとなり、紛れもないツイストになりました。ギター×2・ベース・ドラムスときてメロはブルースハープね……。おや?ピアノはどこへいっちゃったんでしょう?画面ではピアノを弾いているルーネス……。アナタはどこのパートを弾いているのですか(笑)。これはメロをピアノにするべきだったよなあ。アレンジャーがイベントの内容を知らないとしか思えません。ブルースハープは細かくベンドやビブラートを表現して頑張ってるのですが、キミいらないから
36 宿屋で寝る ここからしばし、DS版サントラで初めて収録されたME関係が続きます(トラック41まで)。これは曲名の通り、宿屋で休んだ時に流れるもの。ゲーム中ではウルの宿屋で休む(無料)のが最速のタイミングですね。DS版はピチカート+弦メロです。
37 仲間を加える シナリオの進行によって特定のキャラクターが仲間になる際に流れるME。ファミコンでは最初からパーティキャラが揃っていましたが、DS版ではひとりひとり出会っていくため、その都度コレが鳴ります。最初からパーティが揃っていたファミコン版になかったわけではなく、NPCキャラが一時的にパーティへ加わる際に流れていました。

ゲーム中で確認したのはサラ姫、シド、デッシュ、エリア、アルス王子、ドーガたちが加わる際。DS版の音は盛大なファンファーレになってます。
38 仲間との別れ その名の通り、パーティにいたNPCが離脱する際に流れるMEです。シド、ウネぐらいかな?使われていたのは。
39 踊り子のダンス ウルの宿屋が初出ですね。以後、あちこちの街で踊り子に話しかけると聴くことができました。
40 アイテムゲット 主に、重要アイテムやレアアイテム入手時に流れるME。クリスタルから光(ジョブ)を受け取る際にも流れます。アイテム入手以外では、エリクサーでおばあさんの病気を治す、シェルコの毒を直して抜け道を教えてもらう、シドがエンタープライズを飛空艇に改造する、ドーガが魔法でノーチラスに潜水機能を付加する、などなどのイベントで使用。「道が開けた!」というニュアンスですね。また、DS版のモグネットイベント関連ではたまねぎ剣士の入手時、サラのペンダント修理時、なぞの金属(オリハルコン)入手時、アルテマウェポン入手時などで使用されています。

ダスターの村には、話しかけるとこのMEを聞かせてくれ、「これはっ あいてむーをー もらったーときー!」と教えてくれる人がいます。知ってるっつーの。
41 ガルーダ撃破 ファンファーレです。ガルーダ倒した時に何か特別なME鳴ったか?と思いましたが、これはファミコン版サントラレビューで筆者が「アルス王子が父の意志を継いでサロニア王になる時のファンファーレ」と記しているものですね。鳴るタイミングがガルーダ撃破直後ではないのでわかりにくいですが、かといって「アルス王誕生」とかだとモロバレですし……。
42 4人組じいさんのテーマ アムルの街にいる、自分たちを勇者だと思っている「4人組じいさん」のテーマ曲。「アムルの街」との落差ときたら、「いえーい」ってな感じですか。DS版はチープな木管とアコースティックギター、そしてポコツクポコツクというこれまたチープなパーカッションの3パート。個人的にはこのパーカッションが何とも言えない味わいを出していると思います。ファミコン音源で面白かった部分(音がピョインと跳ねる表現など)はギターが担当しています。「チョコボレーシング」にも登場する曲ですので、イトケンアレンジと比べてみるのもまた面白いと思います。

初登場時以外でも、主人公たちよりも先回りして下水道に向かう4人組、そして下水道で魔物に囲まれ身動きがとれない4人組、主人公がデリラからふゆうそうのくつを受け取るところに現われる4人組など、とにかくじいさんが絡むシーンで何度も流れます。
43 隠れ村ファルガバード まあこれなんかも本来、現行機の「FF」ならばもっと薄い曲とか、曲を鳴らさずに環境音(ベースノイズ)だけでもいけるところなのかも。ファミコンゆえに、こういう短い曲(かつメロディアスな曲)も多く必要だったわけです。この頃の「FF」が好きであればあるほど、「最近のFFの音楽はメロがなくてつまらない」と感じてしまうようですね。

DS版でも「オリジナルの再現」が最優先である以上、楽曲に変更はありません。アレンジはオカリナにも聞こえるリコーダーがメロを持ち、伴奏は同じ木管系と弦のピチカート。素朴なイメージを最優先にしています。ファルガバードほか数ヶ所(ダスターの村、レプリトの村)で耳にするはず。まあ、この大陸復活後の世界における「村のテーマ」です。浮遊大陸における「故郷の街ウル」と同列の扱いですね。
44 巨大都市サロニア 「もしもリメイクされるなら、間違いなくマーチになることでしょう」とファミコン版のレビューで書いていたのですが、実際にリメイクされたのがこちら。もう期待(予想)に違わぬ正統派アレンジです。ブラスとスネアを前面に押し出した、直球の行進曲になりました。ドカンドカンと鳴り響くティンパニも迫力満点。ゲーム機ではここまで鳴らないと思うので、ぜひサントラで堪能して下さい。

曲名の通り、サロニアで聞けます。また、サロニア2の中にある「ドラゴンの塔」でも、引き続きこの曲がBGとして使用されます。
45 潜水艦ノーチラス ノーチラスがドーガの助けを借りて潜水仕様になれば、海底を探索することが可能になります。これはそんな、ノーチラスの海底航行時に流れるBGです。水の揺らめきを感じさせるような独特の質感を効果によって生み出していたファミコン版とは対照的に、DSアレンジは楽曲としての完成度を高める方向性を優先して「水の中にいる感覚」は捨てたようです。アレンジそのものは今のゲーム機でやるんだったらこうなるよね、という予測の範囲内で驚きはありません。ファミコンの音でないと表現できない、というものも確かにあるんですよね。ループ間で一瞬リタルダントする点は両者共通の要素です。

ゲーム中ではこの曲といっしょに、ソナーのような効果音も鳴らされます。これはファミコン版・DS版共通です。ただ、DS版ではたとえば海中にあるダンジョンに入り画面が暗転した時、曲がなくなった後も効果音だけが残っているなどツメの甘さがありました。
46 海底神殿 海底系ダンジョンで使われているBG。DS版ではダンダンという重厚な打楽器と低音弦のピチカート、極限まで緊張したトレモロストリングスによって恐怖感を出しています。「出るぞ、出るぞ、出たー!」みたいな、ホラー映画のような雰囲気。残念ながら実機上ではここまで鳴らないのですが……。

ファミコン版も当然曲は同じなのですが、受ける印象がだいぶ変わりました。原曲はもうちょっとこう、素朴だったんですよね。ここまで怖くなかった。じゃあいちばん変わったのって……と比較してみたら、ドロドロと這うようなトレモロストリングス、これがファミコン版にはなかった要素として大きく影響していました。ただし「異なる」とは言っても「改悪」ではなく、ストーリー上では必ずしも立ち寄る必要のないエクストラダンジョン(この曲が流れるダンジョンの多くがそう)として、そして強大なモンスターの出る場所としての恐怖感を底上げしようという狙いでしょう。地上世界のダンジョン音楽の改変に比べたらまったくノープロブレムです。

タイトルのまま、海底の「時の神殿」で使用されていますが、三角島の「海底洞窟」やサロニアの「地下の迷路」、「ドールの湖」への流用もあります。DS版では新たに追加された「???」の洞窟……いや、ほんとにそう表示されるんですって。えー、新隠しボス「てつきょじん」のいるダンジョンですね、そこでも流れます(そこも海底なのです)。このダンジョンは狭いのですが、最奥部にいくと問答無用で「てつきょじん」戦に突入、ザコはレッド・グリーン・イエロードラゴンしか出ないという場所。「てつきょじん」撃破を目指してのキャラ育成には便利です。ここでレベル上げしていると、いつの間にかオニオン装備もダブつくようになります。
47 ドーガとウネの館 チャンチャンチャンチャン……」イントロが妙に印象に残る曲です。ファミコン音源独特のイメージは捨てがたく、かつ再現が難しいものでしょうが、DS版はハープを用いてこれを表現すべく奮闘しています。その後は様々な楽器が加わってきて盛り上がるのですが、ちょっと盛り上げすぎたかな、という気はします。なんか常に比較されちゃうのも可哀想ですが、それがリメイクの宿命です。原曲のイメージで言えば、もっと隙間の残る編成でよかったように思うのです。ちょっと空間を埋めすぎたかな、と。

この曲はもちろん、ドーガの館内部で流れるもの。魔方陣の洞窟や、ウネのほこら、そしてドーガの洞窟でも流れます。また、ザンデ戦(一回目の暗闇の雲戦)後、倒れた光の戦士たちにドーガとウネが「わしらの魂を与えよう」と現れ、4人が蘇るシーンにも流れます。

これもアルバム「悠久の風」でアレンジされていますが、「FFIX」でもちらっと登場しますよ。ファンサービスですね。
48 ノアのリュート タイトル通りの、短いMEと言えるでしょう。時の神殿でノアのリュートを入手した際に流れます。ウネのほこらでノアのリュートを使ってウネを目覚めさせる時にも聴くことになります。また、ダスターの村やサロニア城などで「わたしのうたをおききなさい……」と語るNPCに話しかけた際にも流れます。

で、曲なのですが……いや、リュートって確かにこういうものなんですけど、どうなんですかコレ。ファミコン版を損ねないように……ということで言えばビックリするぐらいに損ねまくってます。でも曲が「ノアのリュート」である以上、リュートでやればこうなるのは必至。とすると、むしろファミコン版がいけないのではないかと。「リュート」なのにあの音、もしくはあの音なのに無理矢理「リュート」を使おうとした当時の開発者たち……。
49 ウネの体操 ノアのリュートを使ってウネを目覚めさせると、突然流れるノーテンキな曲です。この曲にのせて、ウネは目覚めの体操を……。こんなちょっとしたイベントのために1曲作ってしまうんだから、植松氏も遊び好きと言うかノリがイイと言うか。もしかすると坂口(博信・当時ディレクター)氏に「ここ1曲追加ね」とか言われたのかもしれませんが。DS版は「これはこれで」という感じで、特にどうということはないですね。ゲーム中で一回しか流れない、レアな曲ではあります。
50 巨大戦艦インビンシブル 実に爽快!快適な空の旅をお楽しみ下さい!という曲なのですが、実際のインビンシブルときたら……。おいおい、曲が良すぎやしねーか?!というシロモノでありまして、DS版はスピードアップしてはいますがやはりエンタープライズと比べるとだいぶトロいです。なのでレベル上げやアイテム集め、モンスター狩りなど終盤の寄り道旅ではどうしてもエンタープライズを使っちゃうのですが、ラスダンはインビンシブルでしか行けないのです。めんどくさいですねぇ。

DS版アレンジは4つ打ちの打ち込み風キックとハイハット、そしてベースといった現代的なリズム隊の上にオケが乗った形。ティンパニと必要以上に鳴らされるシンバルがアタック感を強調し、金管と弦の伴奏、そしてメロは流れるようなストリングスが担当。厚みのある編成は誰が聴いても「巨大戦艦」の規模であり、けっこういろいろな要素が盛り込まれているのですが、ゲームではこれにさらに「インビンシブルの飛行音」も重なってくるので、けっこう「やかましい」ことになるんです。音楽担当と効果音担当は密に連携しながら作ってたはずなんですけど、出来上がってみればそれぞれ勝手にやりたい放題作っちゃった、という感じになってるのは……。あとひとつ気になってることを言わせていただくと、2小節に1回鳴らされる「チッ」というアクセントのハイハット、これいらないです。リズムを補強するために入れてあるのかもしれませんが、ジャマです。
51 禁断の地エウレカ シナリオ的には必須でない「エウレカ」で流れる楽曲です。強力な武器やジョブがありますし、回復の泉もあり、隠し道具屋ではしゅりけんも売ってるよ!ぜひ立ち寄ってね!DS版はテレポですぐ地上に戻れるし!ということで、ファミコン版では「テロテロレロレロ」だったこの曲も、DSアレンジでずいぶん重厚になりました。宿命的な、重々しい弦によるアレンジはわりと好みです。ファミコン版においても好きな曲でしたが、今回のもイイですね。世間では意外に「なんでこうなるんだ」と言われているのを目にしますが……。

なお、ボーカリーズ音色によるイントロはDS版での追加。ファミコンバージョンはいきなりメインメロから始まります。
52 クリスタルタワー 言うまでもなく、クリスタルタワーで流れるBG。今や伝説ともなっている、長〜い長〜いダンジョン。曲にはクリスタルの匂いは感じられませんが、人によっては「III」で最も記憶に刻み込まれた(忌むべき?)曲なのかもしれませんね。風説ではここをクリアできずに投げ出した人、多数。難度の高い、場合によっては「クリアさせる気あるのか?!」というほど激ムズなゲームが氾濫していたファミコン当時でもそうだったのですから、今のゲーマーにファミコン版をプレイさせたら土下座で許しを請うかも。いや、「このゲーム、バグでクリアできないよ」とか言われるかも。

ファミコンにおいては音色が限られており、かつ効果もふんだんには使用できないため、ゲーム終盤にさしかかるとさすがに「飽き」がきてしまいます。このダンジョンはプレイヤーにとってはまさしく試練となるものでしたが、連続するダンジョン(古代の民の迷→エウレカ→クリスタルタワー→闇の世界)をどのように色分けするか、どんな曲を充てるかを考えなければならない作曲者にとっても大きな試練となったことでしょう。えーっと……「何が言いたいのか」って?つまり、ファン人気の高い「クリスタルタワー」ですが、筆者はそれほど思い入れないなあ……ってことです。ロケーション的に通過点ってこともありますね。確かにザンデのいるところですが、エウレカを内包し、後には闇の世界が待っています。音楽的にもアイディアが尽きてきたかなあ……と。

DS版のアレンジは「予想通りのコーラス」でインパクトを狙っていますが、言ってしまえば「それだけ」です。長いダンジョンなので、他には間奏や繋ぎを追加している曲があるのですから、この曲こそ新規追加があっても良かったと思います。倍ぐらいにしてくれても。それはそれで文句を言うユーザーが絶対出てきますが……。
53 闇のクリスタル まおうザンデ撃破後の真の最終ダンジョン、「闇の世界」のBGです。ファミコン版は悲壮感漂うカッコよさがあるにも関わらず、音色のせいで損をしている印象が拭えませんでしたが、DS版ではお聴きの通り。クリスタルを連想させるベルの音色でうっすらと始まり、ぐわーっと盛り上がります。本当の意味でのラストダンジョンですから、この盛り上がりもここまでの曲にはなかったぐらいに派手にやってますね。以後はこの「静と動」を繰り返しながら進行していきます。

実はファミコン版の頃に「なぜ前半と後半でこんなに曲調が変わるのかな、飽きさせないためにかな」と思っていたのですが、その答えがDS版でわかったような気がします。「これがやりたかったのか!」と。そして余談ですが、「クリスタルタワー」に比べるとこの曲ってあまり人気がないんですよね。好みの問題もありますが、理由は単純に「ここまで辿り着けた人が少ない=思い入れがない(曲そのものをゲームで聴いてない)」からなのではないでしょうか?この曲と比べて「クリスタルタワー」が特別優れてるってことはないと思うんだけどな。ザンデを倒せなかった(そこまで到達できなかった)=クリスタルタワーが事実上のラスダン=特別な曲、っていうことも少なからずあるんじゃない?
54 最後の死闘 -1- ファミコン版サントラでは1トラックになっていた序奏と本題が、DS版サントラでは計3トラックに分けられた「最後の死闘」。言うまでもなくラスボス音楽であり、ファン人気も高い曲です。この「-1-」は暗闇の雲出現に伴う序奏。ファミコン音源でのドロドロとした不気味さを、弦楽とオルガンでさらに高めています。ベクトルはファミコンとは異なる方向に向いていますが、損ねてはいません。初出はザンデを倒した後、暗闇の雲が出現するイベントにて。後に闇の世界3F、暗闇の雲がいるフロアでもう一度流れ、いよいよ最終決戦!という緊迫感を盛り上げます。
55 最後の死闘 -2- 「最後の死闘 -1-」のスピードをそのまま速くしたもの。楽器編成は変わっていません。……これ、ゲームで流れたかな?すみません、このへんは緊張していてよく覚えてません。DSは録画できないからなー。いつ流れるかな、と気にはしていたのですが、気がつくとバトルに突入してました。

……と、このままにしておいても良かったのですが、やっぱり何かやり残した感があるので、これを確認すべくもう一度クリスタルタワーを抜け、闇の世界を経て暗闇の雲のもとへ。てつきょじんを倒したパーティだとかなりテキトーに戦っても、自力での回復はまったくせずとも暗闇の雲に辿り着けました。で、闇の世界3Fに着いてしばらく放置してみたり、メッセージ送りをせずに待ったりしたのですが(時間経過とともに変化するかなー、と思って)、やはりこの曲は流れませんでした。流れなければ覚えてるわけがないですね。ではこの曲は何のために存在するのでしょうか……?
56 最後の死闘 -3- ザンデを倒した後のVS暗闇の雲戦(必ず負けるイベント戦闘)、そして本番の暗闇の雲戦と、ゲーム中では2回聴くことができるラスボス曲。原曲は圧倒的な疾走感と音源独特の表現力によって、ふたつとない存在感を放つ作品の代表曲に相応しいものでした。ファミコン版においては140万人中いったい何人がここまで辿り着けたか……という感じでしたが、DS版はあらゆる点で難易度が下がってますので(少なくとも筆者はそう感じました)、けっこうな割合でラスボスに到達できたのではないかと思います。

そのDSアレンジ、楽曲冒頭はループっぽい現代的なリズムが加わっているものの、意表をついたファミコンサウンドで奏でています。これはヤラレタ!って感じでしたね。アタマからオケ調でガンガン煽ることもできたでしょうし、実際、アレンジャー(関戸氏)が最初に作ったバージョンは製品版とは異なっていたようです。が、シンセサイザーオペレーター山中氏のこの曲に対する思い入れが半端ではなく、「PSGじゃなきゃダメだろう!」と、関戸氏に無断で序盤のアレンジを変えてしまったそうです。アレンジャーが作ったものをオペレーターが勝手に変えちゃうの?と思われるかもしれませんが、ゲーム上での最終的な出音を司るのはオペレーターですから、そこはもう思い入れちゃったモンの勝ちです。関戸氏は「たくさんある曲のうちのどこかひとつかふたつ、当時のPSGを活かすのもいいね、と開発前は話してたので、それをこの曲にしたのはグッジョブでした」と語っております。

効果音担当のサウンドエディター・神谷智洋氏もこの曲にはかなりの思い入れがあったそうで、なんでも子供の頃にお小遣いを貯めて「悠久の風伝説」を買い、擦り切れるほど聴き込んだとのこと。そのためこの曲については山中氏に何度もダメ出しをしたとか……。本来のアレンジ担当である関戸氏を蚊帳の外にし、頑張るオペレーターとエディター。リメイク作品だからこそ、そして「FFIII」だからこそのエピソードですね。

ユーザーの語りを見ていると、この曲のこういったアレンジに対して「植松さん凄い!」「さすが植松!」との賞賛がなされていることが多いのですが、上で記したように植松氏は関係ないです。確かに原曲を作った植松氏は偉大ですが、DS版がこういった形になったのは「かつてユーザーだったスタッフ」の思い入れによるものなのです。

このサントラには、THE BLACK MAGESによるアレンジ(61トラック)も入ってます。また、「チョコボレーシング」でもカバーされているのでぜひ聴いてみて下さい。TBMとはまた方向性の異なるイケイケアレンジになってます。そちらのアレンジ担当は伊藤賢治氏です。
57 エンディング・テーマ -1- ファミコン版サントラでは1トラックだった「エンディング・テーマ」ですが、「最後の死闘」同様に3トラックに切り分けられました。ファミコン版のオリジナルは、植松氏が「3音だけでいかにシンフォニックな音楽ができるか」という課題を自らに与えて制作したもの。「"できるまでは帰らない"とタンカをきってホテルにシンセを持ち込み、1週間こもって作った」「と思ったら2日ぐらいでできちゃった」と植松氏の発言は複数あるのですが、DS版にあたってはやはり「植松氏が目指したシンフォニックを今の音でどう再現するか」が至上命題であったと言えるでしょう。

「-1-」は暗闇の雲撃破直後、テロップ語りの部分で流れるブロック。ハープとオルガンの伴奏を従え、木管がメロを受け持ちます。植松氏が得意とする「優しい癒し曲」ですね。既存曲のモチーフは入っていません。
58 エンディング・テーマ -2- 暗闇の雲を撃破して戻った4戦士、彼らと親しき仲間たちとの再会を描くイベントに寄り添って奏でられる、エンディング「-2-」。インビンシブルで仲間の故郷を巡っていくため、基本的には「巨大戦艦インビンシブル」です。ただしアレンジは異なっており、元にあったポップス的リズム隊はいなくなり、打ち鳴らすティンパニもなくなっています。シンバルは残っていますが、鳴らされる頻度が激減。弦と管が全体を構成し、主メロは木管とストリングスが担当しています。受ける印象は本編中のバージョンよりもだいぶソフトになりました。エピローグですからそんなに勇ましく煽る必要はないわけです。ファミコン版ではそれほど違いがなかった両者ですが(エンディングバージョンのテンポがやや落ちているのみ)、DS版では明確に区別されています。
59 エンディング・テーマ -3- 「-3-」はスタッフロール部分で流れるもの。テンポの速い、ファミコン音を思わせる「プレリュード」から始まり、マーチングスネアが現れるとエンディングの主題が奏でられます。当時は長いと思ったエンディングですが、昨今の「FF」を思えばまだまだ可愛いものです(笑)。ところで筆者はファミコン版当時、「なんでここで"FF1"のメインテーマの変奏が流れるんだろう?」と本気で思っていました。「ドラクエ」のように話が繋がってるならわかるけど……と。

ラストで「オープニング・テーマ(ファイナルファンタジー)」(3分17秒〜)が流れるところは、その後の「FF」シリーズで見られるエンディングのハシリですね。これはオリジナル「FFIII」で初めて行われたことでした。制作者たちがこの曲を「シリーズのテーマ曲」とはっきり定義したのが「III」だったのでしょう。それまでは「"FFI"のオープニング」でしかなかったのです。
60 悠久の風
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ここから2トラックはボーナストラックで、アレンジバージョンを2曲お届け。サントラに何らかのアレンジが入ることは極めて珍しく、通常は別にアレンジ盤を……ってファミコン版「I・II」のサントラが既にやってた!そんなひとりボケツッコミはどうでもいいですね。まず最初は謎のユニット「muZik」による、「悠久の風」のテクノアレンジ。極めて真面目に、ストレートなテクノをやっており、ファミコンの音を意識した音作りはテクノと言うよりも、一時期盛り上がった「チップチューン」に近いですね(もっともチップチューンもテクノですが)。

ところで「muZik」って何なの?ということですが、2008年4月現在、まだ明かされていません。植松氏も知らないようで、「知らない人が勝手にCDに曲を入れてるんです。うそうそ」とのことですが、「反響があれば今後も何らかの動きがあるかも」ということなので、期待して待ちましょう。もちろん期待する人はハガキやメールを偽名を使って複数スクエニに送り付け、さらにネット掲示板で賞賛しまくって「反響」しまくること!
61 最後の死闘
-THE BLACK MAGES Ver.-
サントラの最後に収録されているのは、「FFVII A.C.」サントラ以後沈黙を貫いてきたTHE BLACK MAGES(以後TBM)による久々の新曲。なんと「最後の死闘」のアレンジです。本編ではファミコンサウンドも組み込んだオケアレンジだったので、こちらではゴリゴリの正統派ロックをお楽しみ下さい。アレンジ担当は福井健一郎氏。関戸氏によれば「2年ぶりの新録音」とのこと。DS版「III」のサントラに、何らかのTBM新曲を入れてはどう?と提案したのはプロデューサーの松下謙介氏だったそうです。

構成はファミコン版サントラと同じ、序奏+本題の形。序奏はファミコン音を意識したシンセサウンドで奏でつつ、ギターの引っかきによるSEが散りばめられています。そこに強大なリバース音がフェードインしてきて一瞬無音となり、本題に突入。煽り立てる導入から福井シンセによる主メロ、2周目はギターメロとなります。ダウンビートの後にギターソロ、キーボードソロとTBMではお馴染みの展開を見せつつ、3周目の主題はオルガンからギターへとメロを受け渡しつつ、最後の最後にオルガンのアドリブがあって完結します。「テンポが速い曲なので、腕がどうにかなっちゃうぐらい弾きまくった」とは河盛氏、「ビルの1階から12階ぐらいまでを、階段を使って後ろ向きで上がる感じ」というよくわからない例えは関戸氏の談。

後にTBMの3rdアルバム「Darkness and Starlight」にも収録されます。というか、3rdの記述を見る限り、レコーディングはその一貫として行われたもよう。もともと3rdに入れるつもりだったんでしょうね。それをわかったうえであえて言うなら、「DS版"FFIII"サントラを買わないと聴けない曲」にしてもらっても良かったような気がします。このためだけに、DS版「III」をプレイしてなくてもサントラを購入した人ってけっこういると思うんですよね。なお、聴き比べた限りでは3rd収録にあたっての変更・追加はなさそうです。

コラム:ゲームサントラのありかたについて
 なんだかんだ言いつつも、何度もリメイクされている他のシリーズ作品に比べ、ファミコン以来初めての「FFIII」リメイクに伴うこのサントラは、新たなアレンジ盤としてもじゅうぶんに楽しめるものではありました。しかし聴き込んでいくうち、「これをサントラと呼んで良いのか?」という疑問も感じたのです。確かにDS版のためにアレンジされたものではあるのですが、ではこのCDに収録されているような形でゲーム上でも流れているのかと言えば、それは「否」なのです。実機のスピーカーではとてもこのようには鳴らせませんし、イヤホンorヘッドフォンを用いて聴いたとしても、ゲーム内での楽曲はCDに収録されたものより明らかに劣った音。つまり、CDで聴ける楽曲の数々は「実機で鳴らせるようにソフトに落とし込む前の音」であると言えます。実際、ゲームをしたうえでサントラを聴くと「もともとはこんな音してたんだ」と感じることが多いはずです。ゲームから流れないものを収録したCDを「サントラ」と定義付けて良いのかどうか、と思ったのです。むしろ筆者としてはアレンジ盤としての意義の方が大きい。ゲームはプレイしていなくても、ひとつのアレンジバージョンとして楽しめるのは前述の通りです。

 最近のゲームサントラって、こういう形態が増えたと思いませんか?「作曲者が制作していた、本来の楽曲」「ゲームに落とし込む前の音源を収録」というようなサントラが頻繁に現れるようになりました。「FF」シリーズでは「X-2」が最初でしたでしょうか、その後「XII」も同様の形を採っていましたね。もちろんその方が音楽としての質や音質は上がるでしょう。それは間違いありません。制約の多い実機用音源での演奏よりも、シンセやサンプリングをふんだんに使用した「元曲」の方がゴージャスに決まってます。しかし、特にゲーム本編をプレイした人の中からは、ゲーム中で流れたバージョンにこそ思い入れを抱く人が現れます。そういった人がそのテのサントラを聴いた時、「ちょっと違う」と感じるのは当然ですし、実際にそういったレビューを目にすることもあります。「ゲームから流れないものを収録したCDは、果たしてサントラと呼べるのか」という疑問は、ここから生じます。

 本作のサントラについて言えば、コストなど様々な問題があるのは理解したうえで、ゲーム音源バージョンと作曲時バージョンを両方、トラック数を揃え二枚組みなどでリリースするのが理想です。実際そうしたサントラもありますよね。別々に発売すると混乱が生じるほか、どの程度の需要があるか読めませんから、同梱の方が良いのです。そして、フルオーケストラや生バンドを使ったいわゆる「アレンジ盤」は別で発売。あくまで理想として語ってますよ、現実にはおそらく難しいでしょうけど。元曲とゲーム音源を比較することに興味を持つ人なんて限られてるでしょうし、一般的にはそれらを区別もしないでしょう。自分は特殊であると自覚して言うなら、サントラとは本来、ゲームで流れた音源を収録するべきものなのです。ファミコンの頃はわかり易かったのです、ゲーム音源とそれ以外が、聴けば誰にでもすぐわかりましたから。最近のゲームはその時代に比べて音色が向上し、元曲とゲーム音の境界線が曖昧になってきたぶん、そのあたりの定義が揺らいでますね。

 確かにDS上で鳴るゲーム音源をそのままCDにしたところで、あまり嬉しくないのかもしれません。「だったらゲーム機でも聴けるじゃん、サントラ不要」「わざわざCDで聴いてるのにこの音はないだろう」という不満が生じるでしょう。それでも筆者は「ゲーム機に落とす前の音」を収録した「サントラ」に、制作者の言い訳のようなものを感じてしまうのです。「本当はこうだったんですよ!」「ゲーム機上での音は本来の音じゃないんですよ」という……。もっともサウンド担当者からは「その不満は貧弱な再生環境しか持たないゲーム機本体に言ってくれ」というお叱りを受けそうですが……。ゲーム機がもっと進歩して、CDと比べても遜色のない音を鳴らせるようになったとき、こういった疑問や不満はいずれなくなっていくのでしょう。

「FFIII」関連音楽CDをコンプリート!「チョコボレーシング」と「TBM3」には「最後の死闘」アレンジ収録。

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