GAMERS EDEN ゲーム音楽 ゲームサントラ レビュー ドラゴンクエスト
すぎやまこういち交響組曲「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」
(スーパーファミコン版)
ジャケット画像  父に助けられ、父の背中を見て歩き続けた少年は、いつしか父と別れ、ただ一人で歩き始める。幾多の時を経て彼は成長し、そして自らが父となる日を迎える……。プレイヤーは主人公とともに、「人生」そのものを擬似体験する。それが「ドラゴンクエストV」というゲームだ。そんな「人生」を彩る楽曲をすぎやまこういち自らの手によるオーケストレーションで蘇らせ、NHK交響楽団によって演奏されたものを収録したのがこのCD。一部収録に漏れた楽曲もあるが、それらは後のロンドンフィル盤都響版によって補完されていく。

アポロン音産
APCG-9004(Disc1:9005R、Disc2:9006R)廃盤
1992年
JASRAC表記:
あり

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ゲーム紹介

 長らく家庭用ゲームを牽引してきたファミコンも、その役目を終える時が来た。他社からリリースされる「次世代機」を前にして、スペック不足を露呈せざるを得なかったファミコン。だが、もちろん任天堂とて黙ってはいない。1990年、「ファミコン」の名を冠した後継機種を発売する。その名も「スーパーファミコン」。マリオやゼルダといったファミコンの血を受け継ぐ名作の続編を引っさげ華々しいデビューを飾ったスーファミは、それまでのファミコンのイメージも手伝ってか好調な滑り出しを見せた。それはそのままサードパーティの喰いつきに繋がり、ファミコンで人気だったシリーズの続編を得る。中でもスクウェアの「ファイナルファンタジー」などは、ファミコンで発売予定だった「IV」をお蔵入りさせ、本来「V」として開発予定だったものを繰り上げ、スーファミソフトの「IV」としてリリースしたほどだ。ユーザー・メーカーともにスーファミに寄せた期待の大きさを、今でも実感できるエピソードである。

 「FF」の話で始めてしまったが、一方の雄「ドラクエ」も早々にスーファミ参入を発表。1992年、最新作「ドラゴンクエストV」を発売した。ファミコン時代から比べると飛躍的にクオリティアップしたグラフィックとサウンドはもちろん、さらに濃密さを増したシナリオは流石の出来映え。オープニングで誕生した主人公はプレイヤーとともに成長し、父とともに歩み、そして様々な出会いと別れを経験する。結婚、そして我が子を得るまで……ヒトの一生、そう「人生」を疑似体験するのだ。システム面では、モンスターを仲間にしてパーティに加えられる「仲間モンスター」が初登場。ストーリーが進むにつれ強力なモンスターを仲間にすることができ、コレクション要素もあって本筋そっちのけで「魔物狩り」に勤しむプレイヤーが続出した。この要素は次回作「VI」にも受け継がれ、職業の概念を加えてよりブラッシュアップされていくことになる。

 密接に繋がっていた「I」〜「III」の通称「ロトシリーズ」に対し、「IV」〜「VI」は「天空編」と呼ばれる。当然この「V」も天空編に分類されるが、シナリオ的に「IV」の続編でもなければ、ロトシリーズにおける「アレフガルド」のような世界の繋がりがあるわけでもない。が、本作に登場する「伝説の勇者の子孫」が「IV」のそれ(勇者)を匂わせる描写があったり、マップが非常に似通った「天空への塔」「天空城」が再度登場するなど、まったくの無関係ではない。その関連性は非常に微妙なところである。

 発表の場をスーファミに移したとは言え、核となるスタッフは変わっていない。シナリオとゲームデザインを堀井雄二氏が手掛けるのは当然として、キャラクターデザインの鳥山明氏も変わらず。チュンソフトの中村光一氏はメインプログラマーの座から退いたが、「IV」のA.I.システムを開発した山名学氏がディレクションの名義でその役を担っている。山名氏は「V」の後にハートビートを設立、「VI」やスーファミ版「III」、プレステの「VII」における活躍はご存知の通りである。一方、同じく「VI」や「VII」でアートディレクションを担当する真島真太郎氏も本作に参加。ここではいちグラフィックデザイナーであるが、やはり本作の後に「アルテピアッツァ」を設立する。

 おなじみのスタッフということでは忘れてならない存在が、音楽のすぎやまこういち氏である。ファミコン時代は3音の制約を逆手に取った、芸術的とさえ言える職人芸で我々ゲーム音楽ファンを唸らせてきた氏。同時発音数が8音と倍以上に増加したスーファミを舞台にして、氏の音楽製作はどのように変化したか?回答を急いでしまえば「何も変わっていない」のである。フルオーケストラと比較してしまえば、3音だろうが8音だろうが「制約のある音楽」であることに変わりはない。ただ、その制約が少しだけ緩くなったということ。すぎやま氏はここで発音数をフルに使ったトラックメイキングに走らず、最低限の音数で楽曲を制作するスタイルを変えなかったのだ。すると、わずかではあるが余裕が生まれる。その余裕を、ファミコンの頃には叶わなかったエフェクト(効果)に回すことで、楽曲に留まらない「音の表現の幅」を拡げることに成功している。スーファミ1作目ということでまだまだ実験的な部分もあるが、ここでのステップを活かすことで「VI」において「スーファミドラクエサウンド」は完成の域に達するのだ。

 プレイヤーの「人生」に寄り添った名曲の数々を、すぎやま氏みずからオーケストラアレンジ。そのNHK交響楽団による演奏を収録したのがこのCDである(Disc2にはスーファミ音源で紡ぐゲームサウンドストーリーを収録)。「哀愁物語」をはじめ、「V」になくてはならない楽曲が一部漏れているのが残念だが、「III」から連なるすぎやま氏とN響の連携はいよいよ円熟、安定した演奏となっており、安心して聞き込むことができる。

 「ドラクエ」の交響組曲CDの特徴として、「厳密にはゲームのサントラではない」という点がある。即ち、交響組曲はゲーム音源バージョンの(オリジナル)楽曲に対してあくまで「アレンジ盤」なのである。しかし、このN響盤「V」組曲については、2004年にリリースされたプレイステーション2版のリメイク「V」で、ゲーム中のBGMとしてこのオーケストラ演奏がストリーミングでそのまま流されているのだ(ループ処理はされているが)。即ちこのアルバムはPS2版「V」の純然たるサウンドトラックとしての位置付けが可能であろう。また、このことからも当CDに収録された演奏・録音のクオリティを察することができよう。なにしろ1992年の音源を2004年のゲームに使用しているわけで、それでもしっかりと鑑賞に堪えるのだから(N響の演奏が劇伴に適している、という側面もあるが)。「ドラクエV」の交響組曲は後にリリースされるロンドンフィル盤都響盤との比較も興味深く、「V」のファン、ドラクエ音楽ファンはぜひ3枚まとめて所有したい。

 なお、初回版にはゲームのタイトルロゴをあしらったアイロンプリントが封入されていた。

ユーズド在庫あります!要チェック。交響組曲「ドラゴンクエストV」

やっぱりゲームもやっておかないとね。
オリジナル・SFC版 フルオケのPS2版 DSでリメイク


Disc1 オーケストラ・ヴァージョン
01 序曲のマーチ
OVERTURE
おなじみ、日本で最も有名なゲーム音楽です。「IV」から新たな「天空編」が始まるにあたり、楽曲変更の危機に晒された「序曲」ですが、「ならばアタマのファンファーレを変えよう」というすぎやま氏のアイディアから、不変のテーマ曲となりました。もしそこで違う曲になっていたら、今日の「ドラクエ」はなかったかもしれませんね。テーマ曲というものはそれほどまでに重要な「シリーズの顔」なのです。

そうして採用された新たなファンファーレに続き、ここからはシリーズを通して変わらない主題。既に定番となったマーチングスネアのリズムにのって、フルオーケストラによる迫力の演奏を堪能できます。演奏は、ファミコン版「III」からシリーズの交響組曲を奏でているNHK交響楽団。すぎやま氏とのコミュニケーションについてももはや「あうん」の呼吸ですね。楽団の中には「ドラクエファンクラブ」と称する、ゲーム本編に惚れ込んだ人々もいたようです。彼らは本当に楽しみながら演奏に臨んでいたとか。すぎやま氏にしてみればこれほど嬉しいことはないでしょうね。しかし、N響が演奏をするのは今回が最後となってしまうのですが……。

さて、シリーズごとに微妙な違いのある「序曲」。「II」「IV」が3連符ベースであったり、「III」で初めてマーチングスネアが加えられたり、「IV」からはファンファーレが改められたりと変化を続けていますが、「V」で加えられた大きな特徴は何と言っても、主題に対する木管楽器(フルート)の対旋律ではないでしょうか。おなじみの主題に寄り添うように、しかし気ままに跳ね回っている「ピャララッピャラピー」というパートですね。定番となった「序曲」に、新たな表情が加わりました。

実は筆者、この木管の対旋律についてはSFC版「V」リリース直後の時点では、結婚をテーマとした作品だからこそ加えられた独自の要素かと考えていたのですが、後に「VI」が発売され、そこにもこの対旋律のパートが採用されていたのに驚きました。ああ、「V」のためだけの変更ではなかったのだ、と。即ち、ハードがスーパーファミコンになったことによるパート数の増加と、それに伴うさらなるゴージャス化を狙ってのものだったんですね。

ゲームではタイトル画面のほか、試練の洞窟をクリア後に主人公がグランバニアの王となるイベント、そしてラスボス撃破後に主人公がグランバニア王の間へと凱旋するシーンの全3ヶ所で流れます。ここぞ、という時の効果は絶大ですね。
02 王宮のトランペット
CASTLE TRUMPETER
弦楽主体でまとめられてきた過去シリーズの王宮音楽ですが、「V」では初めて金管(トランペット)が主役となりました。しかしその印象は過去のシリーズから大きく外れることはなく、やはり全体を包み込むような美しい弦楽器が主体となっています。トランペットは言わばアクセント的な味付けとなっていますが、これまでの「ドラクエの城=弦楽」というイメージに一石を投じることに成功しています。

これまで、ゲーム中において「城」はあくまで「主人公たちが一時的に訪れる場所」でしかありませんでした。一部には主人公自身が「王子」であるという設定こそありましたが、やはりゲーム中では「城」は立ち寄る場所に過ぎませんでした。しかし、「V」においては主人公自身が「王」となり、「城」こそが主人公の家であり生活の場。そこで寝食をし、子供が生まれるのもまた城でした。そう、「V」の「城」は他のシリーズとは異なる特別な場所なのです。だからこそ楽曲も過去のシリーズとは異なる味付けがなされたのではないでしょうか。

ゲーム中では最も早く耳にする曲でもあります。ゲーム開始直後、どこかの城でソワソワしている人物。そして、間もなく生まれる子供。この一連のシーンで早速「王宮のトランペット」が流れています。一瞬音楽がなくなって赤ちゃんの鳴き声、そして鳴り響く「序曲のマーチ」。冒頭から音の組み立てによるツカミは抜群でした。ちなみにここでの赤ちゃんの鳴き声はスーパーファミコンならではのサンプリングで、実際の鳴き声を使用しています。

以後、この曲はゲーム中でラインハット、テルパドール、グランバニアといった大きな城で流れます。実は「V」ではそれほど城が多くないのですが、グランバニアで聴く機会が多いため印象が強くなっているのではないでしょうか。また、少年期に訪れるレヌールの塔では「死の塔」が流れていますが、おやぶんゴースト退治後は「王宮のトランペット」が流れるようになります。さらにゲーム後半で訪れる「妖精の城」では、外観に「天空城」、内部に「王宮のトランペット」という変わった割り振りがなされています。

PS2版では「名産品博物館」でも使われていました。城ではありませんが、各地の珍しい品物が集められ、赤じゅうたんの敷かれた「博物館」にはこの曲以外にないでしょう。そのため建物全体の雰囲気が高貴な感じになっています。また、PS2版ではリメイクでおなじみのチェンバロによる「夜の城」も用意されています。これはシンセによるゲームオリジナル音源で、いずれの交響組曲にも収録されていません。
03 街角のメロディ〜
MELODY IN AN ANCIENT TOWN〜

地平の彼方へ〜
TOWARD THE HORIZON〜

カジノ都市〜
CASINO〜

街は生きている〜
LIVELY TOWN〜

街角のメロディ
MELODY IN AN ANCIENT TOWN
街関係+フィールドのメドレーです。まず最初は「街角のメロディ」。「V」をプレイした人には妖精の世界の曲としておなじみではないでしょうか?妖精の世界のフィールドと妖精の村で、途切れることなく流れ続ける曲です。これがまた妖精の世界に独特の空気感を与えているんですね。フィールドでも流れるというところが最大のポイントです。木管のメロディがなんとも暖かく、「ンッパッパ、ンッパッパ」という伴奏が不思議な浮遊感を醸し出しており、ふくよかな金管がのんびりした平和な様子を描いています。まあ、普通に魔物は出現するのですが。

続く1分56秒からは、通常のフィールドBG「地平の彼方へ」。暗黒世界と妖精の世界をのぞくフィールドで、少年期・青年期を通して流れるものです。シリーズではもはや伝統となりつつある寂しげな曲調は本作にも健在で、オーボエに導かれて始まる「心細さ」は少年期の不安げな足取り、そして青年期前半の「父を失った悲しみ」を内包しているかのよう。では、家族ができてからは寂しすぎるのか?と言えばそうではなく、子供ができても妻は不在の状態が続きますし、妻を取り返してからもまだ見ぬ母、そして暗黒世界へと向かう不安は拭えません。ゲーム序盤から終盤まで、その時々のテーマに見事に寄り添った幅の広い楽曲と言うことができます。オーケストラバージョンではリピートになると金管・弦が加わって壮大に盛り上げます。PS2版ではこれがそのままストリーミングで流れてしまうのですから、凄い時代になったものだと思います。PS2版でのループについては3分15秒からの弦楽による間奏をそのまま活かし、そこからイントロ(1分56秒)に戻る形を採っています。

3分35秒でチラッと顔を出すトランペットは「宿屋」のME。これが組曲に入れられたのは初めてでは?そして「カジノ都市」へと続きます。小刻みなピチカートと対照的にずっしりとしたバス、そして木管(クラリネット)によるメロディが、そこかしこの悲喜こもごもを表しているかのよう。この曲もシリーズの伝統から外れず、「街BGM」のアレンジになっています。ここでの「街」とは「街は生きている」を指しています。かなりいじられているのでわかりにくいかもしれませんが、木管のメロは明らかに「街角のメロディ」の主旋律をなぞっています。スーファミ版ではカジノといったらオラクルベリーだけですが、PS2版では「カジノ船」もあり、もちろんそこでもこの「カジノ都市」が流れます。

4分39秒からは「街」で流れる曲「街は生きている」。フルートによる優しげ・楽しげな音色と清らかなストリングスでまとめられており、ゲーム中で安心できる場所であることをはっきりと示しています。本作では「街」と「村」とで音楽的な規模もはっきりと差別化されており、「街は生きている」はより人々の往来と賑やかさを明確に表現していると言えるでしょう。「街」と名の付く曲が「街角のメロディ」と2つあるため混乱を招きますが、通常の「街」はあくまでこの「街は生きている」の方です。いっそのこと「街角のメロディ」は「妖精のメロディ」とかなんとか、そういうタイトルにした方がすっきりしたのではないでしょうか?

ちなみに「街は生きている」は少年時代のサンタローズ(妖精の城の絵から行ける過去のサンタローズ、およびエンディングで立ち寄るサンタローズも同じ)、アルカパ、オラクルベリー、ポートセルミ、ルラフェン、サラボナ、チゾット、エルヘブン(クリア後に行ける過去のエルヘブン含む)、ジャハンナといった多くの街で使われています。印象も強く残っていますね。

6分50秒からは「街角のメロディ」をリプライズしてメドレーを締めます。PS2版「V」ではこのようなメドレー形式の中から各曲を抜き出し、ループできるように頭・お尻を切って使用しているわけです。そのため「街は生きている」の頭に「カジノ都市」から繋がる間奏の余韻が残っていたりしますが、ご愛嬌。混ざってしまっている2トラックのミックスから特定の余韻を抜き出すことはできませんからね。
04 空飛ぶ絨毯〜
MAGIC CARPET〜

大海原へ
THE OCEAN
乗り物メドレーです。まずは「まほうのじゅうたん」に乗って移動する間に流れる「空飛ぶ絨毯」。曲名はこのようになっていますが、ゲーム中でのアイテム名は「まほうのじゅうたん」なので混同しないようにしましょう。また、「てんくうのベル」を手に入れ、マスタードラゴンの背中に乗って飛んでいる間もこの「空飛ぶ絨毯」が流れます。言ってみれば飛行中のBGMですね。

オーケストラバージョンはじゅうたんに乗っている間、絶えず変化する景色を表現してのものか、非常に様々な曲調が盛り込まれたものになっています。イントロではヒラヒラヒラ〜とじゅうたんが舞い上がり、軽快に飛んでいくさま、そして様々な景色に呼応してテンポが変化、時にのどかに、時に憂いを帯びる展開は聴きものでしょう。まほうのじゅうたんと言えばアラビックなイメージもありますが、そういった音階は用いられていません。ですが、イントロ直後や1分22秒のあたりなどにはエキゾチックな音の並びが感じられます。N響の演奏はとても上品で、何とも言えない爽快さがあります。

3分53秒からは船で海上を移動する際に流れる「大海原へ」。ゲームでの登場はかなり早く、タイトル画面後の「とある船(ストレンジャー号)に乗っているパパスと主人公」というシーンから流れています。そのまま船は小さな港(ビスタ港)に入港し、パパスと主人公はそこで船から降りますが、その港にいる間は「大海原へ」が流れ続けています。青年時代には海へと出る機会が3度あり、最初はビスタ港からポートセルミへ向かう際。次に水のリングを手に入れるため、ルドマンから借りた船で山奥の村&滝の洞窟に向かうイベント。3度目は結婚を機にルドマンから船をもらい受け、海原へと漕ぎ出すシーンでした。いずれも海上ではこの「大海原へ」が流れます。ビスタ港は例外で、常にこの曲が流れています。

「海と言えばワルツ」のイメージを覆したのは前作「IV」でしたが、本作もワルツの要素を廃し、雄大なイメージをいっそう押し進めた曲想になっています。水面を映し出すかのような弦とハープが穏やかな波の動きを感じさせ、あまりに壮大なスケール感はどこまでも果てしなく続く海原のイメージ。時に緩やかにメロディを奏でるフルートとともに、波乱の人生を歩む主人公(プレイヤー)の心境までもシンクロさせているかのよう。あまりに快適で、トヘロスを使いつついつまでも漂っていたくなります。ドラクエシリーズの「海BG」の中でも屈指の名曲で、ファン人気も高いですね。
05 愛の旋律
MELODY OF LOVE
「V」の大きなストーリー上のヤマ場として、主人公の結婚があります。それも単なる結婚ではなく、花嫁候補は二人。当然プレイヤーは悩みに悩んで、どちらかひとりを選ばなければなりません。一人は幼なじみの快活なアネゴ肌・ビアンカ、かたや清楚な大金持ちのお嬢様・フローラ。「情」の点ではビアンカを選ぶプレイヤーが多いのですが、資金・アイテムの面で優遇されるフローラも捨て難い。シナリオ的には幼少時のエピソードが用意されている分、圧倒的にビアンカが優勢だったのですが、PS2版では幼少期にフローラとの出会いが補完されており、ますます悩まされます。

そんな結婚前夜、翌日にはどちらと結婚するか答を出さなければならない……。どうにも眠れない主人公がサラボナの町を歩く際に流れるのがこの「愛の旋律」です。イベントではここでしか流れず、ほとんど聴く機会のない曲ではあるのですが、プレイヤーの印象にはイベントともども強烈に残り、作品中でもファン人気の高い楽曲となっています。夜ということもあり、楽曲はもの静かなフルートとピチカートで始まります。そのうち主人公(プレイヤー)の葛藤を表すかのように、壮大な弦楽セクションが挿入されて気持ちを盛り上げます。この「静」と「動」の対比もこの曲の特徴で、単なる劇伴に留まらないゆえん。独立した楽曲としてじゅうぶんな完成度で、1分35秒からのバイオリンソロも胸を締め付けますね。N響の演奏は各パートともに感情移入バッチリで、これがそのまま流れるPS2版では、スーファミとは比べ物にならない感情の昂ぶり(明日には決めなきゃなあ、どうしよう?という戸惑いと焦燥感)に襲われます。

このイベント後は聴く機会がないと思われがちなこの曲ですが、結婚後はサラボナにあるルドマン家の向かいに建っている別荘に行けばいつでも聴けます(ビアンカと結婚した場合は、ここにフローラとその夫・アンディが住んでいます)。なお、ビアンカとフローラどちらと結婚しても、シナリオ的には大きな変化はありません(結局どちらも天空の血を受け継ぐ娘だった、という設定)。細かなイベントはともかく、フローラの方が多少金銭・アイテム面でちょっとトクをする程度です。無論音楽面での差異はありません。

なぜこの機会の限られた「愛の旋律」は交響組曲に入っていて、「哀愁物語」がないのか?という疑問ももっともですが、その件についてはページ下のコラムを参照のこと。
06 洞窟に魔物の影が〜
MONSTERS IN THE DUNGEON〜

死の塔〜
TOWER OF DEATH〜

暗黒の世界〜
DARK WORLD〜

洞窟に魔物の影が
MONSTERS IN THE DUNGEON
ダンジョン系メドレーのトラックです。最初は洞窟で流れる「洞窟に魔物の影が」。ジワジワと迫り来たかと思うと消え入りそうになる、強弱の付けられたストリングスの上にオーボエのメロディが乗っています。寒々しい不気味さを醸し出しながらも怖いだけの曲に留まっていないのは、このオーボエの音色によるところが大きいでしょう。面白いのは1分32秒以降の終結部付近。木管とストリングスの役割がここでガラッと入れ替わるのです。木管が後ろでジワジワジワジワ、そのうえでストリングスが主題を奏でているのです。

ゲーム中での使用はサンタローズの洞窟、ドワーフの洞窟、氷の館、古代の遺跡、ラインハットの洞窟、魔物のすみか、サラボナへの洞窟、死の火山、滝の洞窟、チゾットへの山道、グランバニアへの洞窟、試練の洞窟、海の神殿、地下遺跡の洞窟(トロッコ洞窟)、迷いの森、封印の洞窟、ボブルの塔地下、エビルマウンテン、クリア後の毒沼の洞窟……すべての「洞窟」ですね。ボブルの塔なんかは地上では「死の塔」が流れているのですが、地下に入ると律儀に曲が変わるんです。またイベント的なところでは、主人公がドレイ生活を送る建設中の大神殿でも流れていました。

2分2秒からは塔で使われている「死の塔」。木管メロ・ストリングスの伴奏・金管のアクセントという構成は「洞窟に魔物の影が」と共通です。ゲーム音源ではあからさまなベンドダウンが強烈なインパクトを放っていたこの曲ですが、オーケストラバージョンでは弦のポルタメント奏法(弦から指を離さずスライドさせ、持続音の中で音程を変化させる奏法)でこれを再現しており、楽曲の特徴を損うことなく演奏されています。ゲーム中ではひたすら不気味な曲という印象があったのですが、ここではやはりオーボエのおかげかだいぶ恐怖感が和らいでいます。ゲーム中ならばただ怖いのも有効ですが、楽曲単体を鑑賞する交響組曲においてはそれをあえて弱めたということでしょうか。そのためかこの演奏が使われているPS2版「V」では、個人的にですが「塔」に対する恐怖感がだいぶ軽くなりました。スーファミ版は子供心にホント、怖かったんです。

ゲーム中ではレヌール城(おやぶんゴースト撃破前)、神の塔、サラボナの見晴らしの塔、デモンズタワー、天空への塔、ボブルの塔地上部、大神殿で流れています。塔は洞窟に比べて数が少ないのですが、ストーリーのヤマ場で立ち塞がることが多いため、決して印象は薄くありません。

3分25秒からは暗黒世界のフィールドで耳にする「暗黒の世界」。ダンジョンではありませんが、この世界は敵が強いうえにエンカウント率も高く、フィールド全体がダンジョンのようなものですね。これまでとはうって変わってピッコロが押し出され、伴奏も金管メイン。威圧感もあるのですが、なぜだかゲームの終盤も終盤、ここにきて妙にのんびりとした雰囲気になっています。普通なら「暗黒の世界」の名の通り、ひたすら怖いオドロオドロしい曲を充てそうなところですが、そうしないのはひとえにすぎやま氏の人柄ゆえ、なのでしょうか?ここで出現する強いモンスターを仲間にしたいがためにひたすら歩き回った結果、この曲がすっかり脳にこびりついてしまった人も少なくないのでは?

4分34秒からは再度「洞窟に魔物の影が」を演奏して締め括ります。
07 戦火を交えて〜
VIOLENT ENEMIES〜

不死身の敵に挑む
ALMIGHTY BOSS DEVIL IS CHALLENGED
戦闘メドレーです。まずは通常戦闘のBG、「戦火を交えて」から。スネアによって全体に早いテンポが強調され、ティンパニが低音を補強し迫力を出しています。ストリングスは全体にとても細かい動きをしており、焦燥感と危機感を煽ります。特に中盤(29秒〜)では高い響きを強調し、なんとも言えない緊迫感を生み出しています。一方で金管は勇ましく鳴り響き、主人公側の奮闘と強靭なモンスターたちとの互角の駆け引きを盛り上げます。ドラクエシリーズ屈指の力強い、要素の豊富な楽曲ながら、N響の演奏は一糸乱れぬ縦の線が揃った演奏で、非常にまとまっていると言えるでしょう。この演奏がそのままストリーミングで流れるPS2版では、ザコ戦と言えども圧倒的な迫力を味わえます。

なお、1分7秒のところで聞き取れるブラスのフレーズは「高貴なるレクイエム」のモチーフ。こうした要素をもブレンドすることで、戦いの末に待つものを暗示しているかのよう。また、過去のレクイエム系楽曲に対するユーザーの印象の薄さにショックを受けたすぎやま氏。戦闘曲にそのモチーフを組み込むのは苦肉の策なのかも?とは邪推しすぎでしょうか。

いったんクールダウンし、静かな「地平の彼方へ」のモチーフが挿入されます。戦い終わってひと息、というところでしょうか。傷付いた仲間を回復したり……と、息もつかせないようにして現れるさらなる強敵!3分29秒からは中ボス戦BGM「不死身の敵に挑む」。実はリメイクを除き、正統なナンバリングシリーズで初めて中ボス戦の曲が用意されたのがこの「V」でした。これもスーパーファミコンというプラットフォーム、そしてROMの大容量化の恩恵でしょう。楽曲が容量に与える影響が「微々たるもの」になったのですね。

オーケストラ全体で鳴らす強烈なヒットから始まり、インパクトは絶大。今から戦う敵はそのへんのザコとは違うんだぞ、ということを音で明確に提示しています。オケヒット+打ち鳴らすティンパニの組み合わせは通常戦以上に威圧的で、激しい戦いをいやでも想起させてくれますね。コーダへと至る盛り上がりはゲームでは聞けないものの、厳しい戦いがついに終わるさまにピッタリ。ひざまづくのは敵か、味方か?!

ゲームで初めて流れるのはレヌール城におけるおやぶんゴースト戦でした。以後、雪の女王、古代の遺跡におけるパパスVSジャミ・ゴンズのイベント戦、ニセたいこう、ようがんげんじん、ジャミ、ブオーン、ゴンズ、ゲマ(ボブルの塔)、ラマダ、イブール、ゲマ(エビルマウンテン)、ミルドラース第一形態といった強敵との戦いを彩りました。なお、4分26秒のところでチラッと聞くことのできる、右側にいる低い弦楽器によるフレーズも「高貴なるレクイエム」のモチーフになっています。

また、そのインパクトからイベントBGMとしての使用もあり、ラインハットに侵入した賊がヘンリーをさらっていくシーンや、そのヘンリーを古代の遺跡で救出して脱出するシーンで使われています。いずれも「急げ!」というシチュエーションです。
08 高貴なるレクイエム〜
NOBLE REQUIEM〜


SAINT
ドラクエの交響組曲では既に恒例の「全滅+ほこら」組曲。まずは全滅時に流される「高貴なるレクイエム」です。また、全滅時だけ流すのでは印象が弱い(もったいない)との判断から、前作「IV」からはレクイエム系の曲がイベントでも多用されるようになりました。本作においてもそれは同様であり、中でも最たるものは少年期・古代の神殿におけるパパスの死亡イベントではないでしょうか?

「高貴なる」とは主人公たちの身分を指すものでしょうが、本当の意味ではまさにパパスのことに他なりません。息子を人質に取られ、彼を守るためにあえて敵に対して無抵抗を貫く父・パパス。そのうち力尽き、息子に希望を託してこの世を去るパパス。人の死で涙を誘うのは「FF」のお家芸でしたが、「V」でドラクエは「FF」を超えました。「III」のオルテガもパパスにはかないませんね。正確には主人公とヘンリーがゲマに倒された時に一度「高貴なるレクイエム」が流れます。これは本来の意味での「全滅」に伴うものであり、パパスが死んだ後はイベントBGとしての使用になります。

他にも、イベントでは強烈な使われ方をされています。デモンズタワーで石にされてしまった主人公は、ある金持ちに「守り神の石像」として買われ、その庭先に置かれてしまいます。石像としてたたずむ主人公ですが、ある日、その金持ちの家の子供が魔物にさらわれてしまいます。失意の金持ちの主人は、「何が守り神だ!」と石像にあたります。そうして放置された主人公は、石になったまま何年もの時を過ごすのです。秋になり、冬になり、そしてまた春が来て……。子供がさらわれてから、この季節の移ろいにひたすら寄り添ったのもこの曲でした。かなり長い間、一切の操作もできずにだだじっとこの曲を聴くことになるため、トラウマと言ってもいいほどの印象をプレイヤーに植え付けるでしょう。

低く暗い導入は「本当に死んでしまったの?」という戸惑い、そして事実を受け入れて瞬間的に感情が昂ぶるかのような、悲劇的なストリングス。そして葬送を思わせる粛々としたティンパニと、死者を弔う鐘の音。この楽曲は弦とティンパニ、鐘だけという構成ながら、どんな曲よりも「語って」います。パーティの全滅時においては「やりすぎ」な感もありますが、むしろイベント優先で楽曲を作ったのではと思えるほどです。

4分34秒からはほこら音楽「」。「高貴なるレクイエム」とは対照的な、オーボエと弦から成る優しくあたたかな雰囲気で、人の気配は感じさせないものの暗さ・寂しさはありません。筆者としては安堵感を強く感じます。同一トラックにはなっていますが「高貴なるレクイエム」と無理に繋げず、独立した構成としたのは正解でしょう。本当の意味での組曲とするには、曲の意味合いが正反対もいいところですから。別トラックでもかまわないほどですが、そうすると「聖」が短すぎますからね。まあ仕方ないでしょう。

「聖」はゲーム中のあらゆる「ほこら」と呼ばれる小規模の建物や教会で聴くことができます。具体的にはラインハットの関所、修道院、森深きほこら(神の塔付近)、うわさのほこら(ルラフェン南)、封印のほこら(サラボナ北)、砂漠のほこら、メダル王の城、ネッドの宿屋、北の教会(グランバニア北)などで使われています。石像にされた主人公が連れて行かれる金持ちの家もそのひとつでした。イベントBGMとしても一部で使われており、石像にされた主人公と妻がオークションで売られてしまうイベントが印象的。そのまま金持ちの家に連れて(持って)いかれた主人公が、石になったままジージョの成長を見守るイベントでも流れます。とはいえ後者は金持ちの家のBGMとして流れているのですね。
09 大魔王
SATAN
激しいティンパニから始まるこの曲は、ラスボス「ミルドラース」第二形態との戦いを彩る、まさに最終戦の専用曲。「I」の「竜王」を思わせる管弦の刻みに、「暗黒の世界」とのイメージの共通化を図ったかのようなピッコロのアクセント。序盤こそ静かに始まるものの、徐々に音圧を高めていく進行は、筆者としては「ミルドラースの焦り」といったものを感じます。特に1分47秒あたりからの緊迫したストリングスは、「まさか、バカな」というミルドラースの戸惑いを表しているように思えるのです。最初は余裕を見せていたミルドラースでしたが、勇者の力というものを目の当たりにするにつれ、どんどん追い詰められていくような……。プレイヤー視点の曲ではありませんが、敵側の視点での「危機感」が表されているように聞こえるんです。

この曲ではよく「歌うティンパニ」が指摘されていますが、16秒から左側で繰り返される、ホルンによるフレーズも特徴的。さりげないながらも、これは楽曲を支配するメインモチーフの前触れ。トランペットやフルートがそれを反復したりしつつ、そしてそれが明らかに「悪のモチーフ」であるとわかるのが1分25秒。金管によるこのフレーズは1分47秒からストリングスへと受け渡されますが、このモチーフに聞き覚えはありませんか?そう、ゲーム中で何度か耳にした短いMEです。「アルカパで聞けるレヌール城のこわーいお話」「雪の女王登場」「ジージョ誘拐時」などで流れた恐怖MEなんですね。MEで伏線を張っていたことになります。2分15秒以降の再現においてもそれは繰り返されていきます。

中ボス戦での「不死身の敵に挑む」がとにかく煽り立てていくような曲だったのに対し、ラスボス戦はあえて音にスキマを持たせるかのような構成にしてあるのもシリーズではおなじみの要素であり、激しい効果音と楽曲の両方を埋もれさせないための工夫なのだと考えます。

なお、クリア後にトライできるようになる毒沼の「隠しダンジョン」の最奥に潜むエスタークの戦いでも使われています。ここでも「まさか○○ターンで」という、強敵の焦りを感じます。
10 天空城
HEAVEN
確かにラスボス撃破後は天空城へと移動するためこのような構成になっているのでしょうが、初出はもっと早い楽曲です。地下遺跡の洞窟(トロッコ洞窟)を抜けて水の中に沈む天空城に到着した時点で耳にすることができるでしょう。ゴールドオーブを入手し、あらためて天空城が空へと舞い上がった後は、天空城内部および天空城での飛行中に流れ続けます。

前作「IV」でも登場した天空城ですが、お聴きの通り楽曲は変えられています(前作では「謎の城」)。しかし、シリーズにおける「城」のイメージからは逸脱しない弦楽で仕上げられている点は共通。そこにクラリネットによるメインのメロディが乗せられるという編成になっています。コンサートではクラリネット奏者の腕の見せ所ですね。厚みと広がりのあるストリングス、まったりととろけるようなクラリネットは美しいことこのうえなく、演奏も録音状態も非常に良好だと言えます。地上の城でのトランペットに対し、空の城はクラリネット。この対比による印象付けも巧みです。けっして速いスピードは出ないものの、フワフワと優雅に飛行する天空城にはピッタリの浮遊感です。

それもそのはずで、開発中にこの楽曲を聴いた制作スタッフが、天空城の飛び方を曲に合わせたものにしたんだそうです。相互に影響し合う開発チームって理想的ですね。ユーザーとしてもなんか嬉しくなってしまうエピソードです。
11 結婚ワルツ
BRIDAL WALTZ
本来はゲーム中盤、主人公の結婚式で流れる楽曲です。海ではお役御免となったワルツが、作品を象徴する楽曲として格上げされました。もちろんクラシカルな結婚式のイメージとしてワルツという名の舞踏曲は不可欠で、これ以外には考えられない絶妙のチョイスでしょう。現在ではワルツが流れる結婚式はめったにないかもしれませんが、筆者の結婚式ではどこかでこの曲を流したいと思います(笑)。

さすがにすぎやま氏ならではの本格的なワルツで、知らない人にれっきとしたウインナワルツだよと言って聞かせても信じてしまうに違いありません。華やかなファンファーレ調のイントロに続くのは、王道的な3拍子の流麗なストリングス。さりげなく添えられたスネアと、右側で清らかなアクセントとなっているトライアングルも邪魔をしていませんね。低音部はコントラバスとともに金管が補強しています。ハープも二人を祝福しているかのように花を添えています。スーファミ版ではサラボナの教会で行われる結婚式ですが、PS2版ではフローラと結婚した場合のみ「カジノ船」で式が行われます。おいおいルドマンさんよ、自分の娘ともなるとさすがに扱いが違うねぇ〜、といった感じですが、流れる曲は同じですのでご安心を。

そしてなんと、「V」はシリーズ中で唯一、エンディング専用の曲がありません。そう、クリアした人ならばご存知の通り、この「結婚ワルツ」がエンディングにも流れるんですね。筆者は「エンディングは間違いなく結婚ワルツを核としたアレンジだろう」と当時は予想していたのですが、まさかそのものをそのまま使うとは!でも結果的に、「V」においてはこれ以上の選曲はないですね。ゲーム音源的には結婚式とエンディングにおける差異はまったくありませんが、唯一の違いとしては、結婚式のものがループになっているのに対し、エンディングのものにはコーダがあって完結しているということ。楽曲のおかげで、これほど幸せな気分で終われるゲームも珍しいのではないでしょうか?

PS2版のエンディングは実尺にしてスーパーファミコン版よりも当然長くなっているため、この交響組曲を切り貼りすることで長さを伸ばして使っているようです。
Disc2 オリジナル・ヴァージョン
01 ドラゴンクエストV 天空の花嫁
〜ゲーム・オリジナル・
   サウンド・ストーリー〜
スーファミになったことだし、そろそろ楽曲個別のゲームサウンドバージョンを収録してほしいな……というファンの要望は本作でも叶わず。おなじみの「サウンドストーリー」という形で収録されています。構成は前作までと同じく、チュンソフトの中村光一氏が手掛けています。次回作「VI」からは待ち望んだ「楽曲ごとのゲームバージョン」がCDに収録されることになり、事実上本作がシリーズ最後の「サウンドストーリー」になりました。N響の演奏も最後となりましたし、ドラクエの音楽CDは「VI」を機に全面的なリニューアルが図られるのでした(レコード会社も変わりますしね)。

オーケストラバージョンに漏れた楽曲が聴けるという意味でも、このトラックはなかなか有難いものでした。ここではそういった楽曲を具体的に紹介しますので、CDをお持ちの方は参考にして下さい。

まず、0分1秒からは冒険の書画面の「間奏曲」。ちょっとテンポは遅めですね。シリーズでおなじみの曲ですが、「V」ではロンフィル盤・都響盤も含めて一度も演奏されていません。続いて18分31秒からは、カジノのスライムレースでレース中に流れる「スライムレース」。こちらも一度もオーケストラ化はされていません。19分33秒からは青年時代のサンタローズほかで流れる「さびれた村」、21分59秒からがカボチ、山奥の村で聴ける「淋しい村」です。いずれも都響盤で組曲となりました。25分42秒はグランバニアで宴の夜に流れる、不安げな「はめつの予感」。こちらも都響盤に収録されました。

その他の流れも含め、簡単に説明いたしましょう。
00分01秒〜「間奏曲
00分30秒〜「王宮のトランペット」マーサの出産シーン
01分37秒〜「序曲のマーチ」オープニングタイトル
03分03秒〜「大海原へ」ビスタ港へ向かうストレンジャー号
04分05秒〜「戦火を交えて」主人公、初めてのエンカウント
05分35秒〜「地平の彼方へ」サンタローズに向かう
06分43秒〜「街は生きている」サンタローズ内
07分49秒〜「洞窟に魔物の影が」サンタローズの洞窟
09分15秒〜「戦火を交えて」ザコ戦?
09分48秒〜レベルアップ
09分51秒〜「街は生きている」アルカパ?
10分06秒〜恐怖ME(町人にレヌール城の話を聞いた)
10分12秒〜「死の塔」レヌール城
11分14秒〜呪いのME(ビアンカさらわれる)
11分18秒〜「不死身の敵に挑む」おやぶんゴースト戦
12分20秒〜宿屋ME(サンタローズの自宅で寝た?)
12分25秒〜「街角のメロディ」妖精の世界へ
13分19秒〜はるかぜのフルート
13分35秒〜妖精の世界への階段が消える効果音
13分41秒〜「聖」おそらくラインハットの関所
14分37秒〜「洞窟に魔物の影が」古代の遺跡
14分57秒〜「不死身の敵に挑む」無抵抗を貫くパパス
15分24秒〜「高貴なるレクイエム」パパス死亡、オーブ破壊
17分05秒〜セーブME(修道院?)
17分16秒〜「カジノ都市」オラクルベリーのカジノ
18分12秒〜「ファンファーレ大」大当たりしたところ
18分31秒〜「スライムレース
19分33秒〜「さびれた村」サンタローズを訪れたところ
20分14秒〜「哀愁物語」パパスの遺書を読んでいる
21分02秒〜重要アイテム発見(天空の剣入手)
21分06秒〜「王宮のトランペット」おそらくラインハット城
21分15秒〜旅の扉効果音
21分28秒〜「聖」森深きほこら
21分44秒〜「死の塔」神の塔
21分49秒〜祈りのオルガン(マリアが入り口を開けた)
21分59秒〜「淋しい村」おそらく山奥の村でビアンカと再会
22分40秒〜「愛の旋律」夜のサラボナ
24分04秒〜宿屋ME(いよいよ結婚当日)
24分15秒〜ME(結婚相手を選んだ)ちいさなメダルも同じ音
24分18秒〜「結婚ワルツ」結婚式
25分30秒〜仲間ME(結婚相手が仲間に加わる)
25分42秒〜「はめつの予感」静まりかえったグランバニア
26分43秒〜「空飛ぶ絨毯」まほうのじゅうたんで移動中
28分45秒〜「天空城」天空城へ
31分15秒〜プサンの瞑想ME(オーブの行方を追う)
31分48秒〜レヌール城の雷の音(回想)
31分56秒〜ようせいのホルン
32分14秒〜「暗黒の世界」いよいよやってきた暗黒世界
33分39秒〜「不死身の敵に挑む」ミルドラース第一形態
34分39秒〜「洞窟に魔物の影が」変身するミルドラース
35分37秒〜「大魔王」ミルドラース第二形態
38分44秒〜「序曲のマーチ」グランバニアに凱旋
39分40秒〜「結婚ワルツ」大団円
オーケストラバージョン収録に漏れた楽曲
・間奏曲
おなじみの「インテルメッツォ」ですね。冒険の書作成/選択画面で流れるシリーズ定番の曲。「IV」の組曲には入っていましたが、「V」では省かれてしまいました。ロンフィル盤、都響盤にも収録されていません。

・スライムレース
カジノにおける遊戯のひとつ、スライムレースでレース中に流れる曲です。なんと戦闘BG「戦火を交えて」のアレンジになっており、フニャフニャとした音色でなんともコミカルなもの。この曲にのって休んだり、コケたり、跳ねたりしながらゴールを目指すスライムたちは愛嬌いっぱい。ゴールに近付くと曲のテンポが速くなるというお遊びもされていました。組曲としてはすでに本来の「戦火を交えて」があるため割愛されたものと思われます。もっともこれをロンフィルとかに演奏させるのも勇気がいりますが(笑)。本家の「戦火を交えて」とメドレーにしてみるのも、その対比が面白いかも。

・さびれた村
廃墟となったサンタローズ、そしてサンタローズの洞窟にあるパパスの隠れ部屋で流れていた曲ですね。他にラインハットでニセたいこう撃破後にヘンリーと別れるシーン、ルラフェンで寝込んでいるベネットじいさんの家、大神殿クリア後に石像から戻った母に、グランバニアで子供達が「おかあさーん!」と抱きつくシーンなど、けっこうな頻度で使われている曲なのですがN響盤では見送られました。もっとも短い曲ではあるのですが……。都響盤で初めて収録されました。

・哀愁物語
これが組曲に収録されていないことで最も物議を醸した楽曲でしょう。青年になった主人公がサンタローズへと戻り、そこでパパスの残した遺書を読むイベントが初出。また、アルカパの宿屋に泊まったヘンリーが夜、故郷ラインハットに想いを馳せるシーンや、グランバニアでのサンチョとの再会、イブール撃破後にいのちの指輪から母・マーサが語りかけてくるシーン、その母とエビルマウンテンで出会うシーンなどなど……。いずれも作品中でも珠玉の名場面に流れていたのにもかかわらず組曲収録の見送りはたしかに疑問。すぎやまこういち氏としては、この曲を「歌謡曲っぽい」と感じていたようで、交響組曲には入れなかったようです。そして、そのまま交響組曲を録音。しかしゲームを作っていくうち、いろいろな場面に付けられていく「哀愁物語」。一説には楽曲に合わせて調整されたイベントもあるほどだとか……。結果としてかなり頻出、それも印象に残る名場面に充てられているにもかかわらず、組曲の録音はもう終えてしまった……ということになってしまったようです。ファンからの反響・問い合わせもあってか、すぎやま氏は「哀愁物語」を編曲し、94年にコンサートで初めてオーケストラバージョンを披露します。CDになるのは実に2000年、ロンフィル盤でやっと収録が実現しました。もちろん都響盤でも演奏されています。

・淋しい村
カボチ村や、ビアンカの住む山奥の村で流れる曲。「街角のメロディ」のアレンジになっています。なぜ妖精の世界でしか流れない「街角のメロディ」のアレンジが村の曲なのか?という疑問はありますが(筆者としては最初、町の曲として「街角のメロディ」を作り、後から軌道修正して「街は生きている」へ変更したことの名残りではないかと推測。それでも「街角のメロディ」は妖精の世界の曲として生き残ったのではないか)、都響盤で組曲になりました。

・はめつの予感
主人公が王に即位したことによるグランバニアでの宴の後、夜になって皆が眠りこける中、主人公がひとり城内を彷徨うイベントで流れていた曲。結果的に妻は魔物にさらわれていた、あのシーン。鍵盤楽器っぽいシンセ的な音源で奏でられる、スキマのある不安げな曲です。都響盤で「淋しい村」「さびれた村」との組曲になりました。耳にする機会が非常に限定された「はめつの予感」ですが、実は夜のルラフェンの酒場で、ピアノの前にいる男に話しかければいつでも聴くことができるんです。さわりだけですが……。また、おでんの戦士さんが掲示板に寄せて下さった情報によると、この曲は「幼年期グランバニアでヘンリーがさらわれた時にも流れる」とのことです。

その他、CD化されていない「V」の音源(すぎやまこういち氏の手によるものと思われるもの)としては以下のようなものがあります。

シリーズでおなじみのもの
・教会でセーブした時のオルガンME
・教会で治療/蘇生した際、または神の塔の入り口でマリアが祈る際のオルガンME
・レヌール城でビアンカがさらわれた時や、大神殿で呪いをかけられた時に鳴る「呪い」ME
 本来の用途である装備品による呪い、セーブデータの消失などでももちろん使用
・仲間が加わった時のおなじみのME
・重要アイテム発見時のME(ファミコン版「IV」と同じバージョン)
・カジノでの勝利(予想的中)時のファンファーレ
「V」独自のもの
・アルカパで聞けるレヌール城のこわーいお話や、雪の女王登場時、またはジージョ誘拐時の恐怖ME
 ↑実はコレが「大魔王」のメインモチーフになっています。曲名は「悪のモチーフ(V)」。
・隠し階段を見つけた!といった際のチャラーンという短いME
・ちいさなメダル発見時や、結婚相手を決めた時に流れるチャラララーンという駆け上がりME
・はるかぜのフルート
・ようせいのホルン(反復あり/なし)
・プサンがゴールドオーブの行方を瞑想する際の、ハープ音色のME
PS2版で追加されたもの
・夜の城(チェンバロ演奏による「王宮のトランペット」)
PS2版の音楽演出、スーファミとの相違など
ここまでも何度か記してきた通り、PS2リメイク版「V」ではこのN響盤交響組曲をストリーミングでそのまま流しています。ゲーム中からフルオーケストラの迫力ある音楽が流れてくるわけです。もっとも本当に「そのまま」流したのではいつか曲が終わってしまいますから、コーダからループして頭に戻るようエディットはされています。では、N響盤に入っていない楽曲はどうしているのでしょうか。代表的なものは「哀愁物語」。PS2版ではロンドンフィルの演奏を使っているんだと思う方もおられるでしょうが、それは誤解。ロンドンフィルの演奏は権利・契約上の制限からゲーム音源として使うことはできないようです(音源の二次使用に値するため)。そこでPS2版での「哀愁物語」は、2003年に行われたコンサート録音の音源を使用しているのです(演奏は神奈川フィルハーモニックオーケストラ)。また、PS2版で追加されたフィーチャーとしてすごろくがありますが、すごろくプレイ中に流れる「ローリング・ダイス」はスーファミリメイク版「III」で初登場した曲を流用しています。音源についてはセントラル愛知シンフォニーオーケストラ演奏による2003年のコンサート録音を使用しています。冒険の書選択画面で流れる「間奏曲」は例外的に「ドラゴンクエストIV」のN響盤組曲から使用しているものと思われます。

都響盤を使えばよかったんじゃないの?というのはよくある誤解なのですが、都響盤はリメイク「V」のために企画されたものではなく、その録音もゲームがある程度形になった後でした。そのため、都響盤で新たに収録された楽曲もPS2版には使われていないのです。都響盤はPS2版「V」のサントラではなく、あくまで「ゲームの発表会で行う演奏会のために都響とやってみたらとても良かった、なので今後、都響でシリーズの曲をレコーディングしたい」という、すぎやま氏の純粋な音楽的欲求から派生したものなのです。

コンサート録音すら残されていない曲はどうでしょうか。具体的には「さびれた村」「淋しい村」「はめつの予感」や、レベルアップのファンファーレを代表とするME系です。夜の城で流れる、チェンバロによる「王宮のトランペット(夜バージョン)」もそうですね。これらはシンセ音源によって作成された、ゲームオリジナル音源ということになります。さすがにゲーム中ではフルオケ楽曲とのダイナミクス差が目立ちますが、それでもオケとの馴染みを考慮して(オケっぽく)作られています。ただ、レベルアップMEなどはフルオケ戦闘曲の直後に鳴るものだけに、その差がかなりツラいですけど……こればかりはしかたありませんね。もちろんこれらはいずれのCDにも収録されていません。なお、城には夜バージョンがありますが、町や村にはありません。夜でも昼と同じ通常のバージョンが流れています。

また、スーパーファミコン版とPS2版では使われている音楽が異なる部分がいくつかあります。妖精の世界にある「氷の館」はスーファミ版では「洞窟に魔物の影が」が流れていましたが、PS2版では「死の塔」に変更されました。サンタローズの洞窟最深部にあるパパスの隠れ部屋は、スーファミ版ではそのエリアだけ「さびれた村」が流されていましたが、PS2版では洞窟の曲が続けて流れています。

演出的な部分での音楽の使いどころもイベントの進化によって変わっています。たとえばオープニング。スーファミ版ではパパスがソワソワしているところから「王宮のトランペット」が流れていましたが、PS2版では音楽はナシで時計の秒針の効果音になっています(パパスが2Fに上がるとはじめて音楽が流れる)。大きく変わったのは何と言っても古代の遺跡でパパスが死んでしまうイベント。スーファミ版では……
主人公ら全滅「レクイエム」→パパスとジャミ・ゴンズ戦闘「不死身の敵に挑む」→パパス死亡「レクイエム」
という流れだったのがPS2版では整理され、
主人公ら全滅「音楽なし(洞窟の曲に戻る)」→パパスとジャミ・ゴンズ戦闘「戦火を交えて」→主人公ののどもとに鎌をあてがうゲマ「レクイエム」→以後、パパスがタコ殴りにされ、死んでしまうイベントまで「レクイエム」→さらにゲマによるゴールドオーブ破壊、取り残されるベビーパンサーといったところまで「レクイエム」が流れ続ける
という流れになりました。これはパパスがジャミ・ゴンズに無抵抗を貫くシーンがスーファミで戦闘画面だったものが、PS2版で客観イベントになったことも影響しているでしょう。イベントへの没入度は後者の方がだんぜん高まっています。

ラインハット1Fの倉庫の本棚にある「古びた日記(真実の姿を映す鏡について記述)」を読むと、スーファミ版では「哀愁物語」が流れるようになっていますが、PS2版では通常の城の曲から変化しません。これはたしかにスーファミ版の演出が「なんでここで?」というものだったので、カットされたのでしょう。

PS2版では、結婚相手にフローラを選んだ場合、結婚式が行われる場所がカジノ船になりました。その際、主人公がルドマンやヘンリーたちを連れてカジノ船にルーラで移動するイベントがあるのですが、あまりの大人数だったために主人公は疲れて気を失ってしまいます。やっと目を覚ました主人公の前に、ウエディングドレスを身に着けたフローラがやって来るシーンで、短く「愛の旋律」が流れました。スーファミ版に比べ、この曲を聴く機会が増えたことになります。とは言ってもほんの一瞬ですが。

PS2版の追加要素については前述のすごろくがありますが、妖精の世界に新設された「すごろくの穴」では「カジノ都市」、暗黒の世界に新設された「暗黒のすごろく場」およびクリア後の隠しダンジョンにある「謎のすごろく場」内部では「洞窟に魔物の影が」が使われています。すごろく中に流れるのはいずれも「ローリング・ダイス」です。
関連CD
ルーラ・アルバム ドラゴンクエスト・ベスト・ソング・セレクション
ドラゴンクエストのうた・ルーラ
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「ドラゴンクエスト・シリーズ、初の”うた”によるベスト・アルバム!ドラゴンクエストI〜Vまでのすぎやまこういちメロディにのせて、ルーラの清楚で美しい歌声で綴るドラクエのベスト・ソング集(CDオビより)」。そう、このアルバムは数あるドラクエ関連CDの中でもひときわ異彩を放つ、歌ものアレンジなのです。歌うは、ゲーム中での瞬間移動魔法「ルーラ」の名を冠された二人の女性、志村真澄&伊藤真由美。おなじみのドラクエメロディに乗せられた、のびやかなボーカルを堪能できる逸品です。異彩という点では、編曲をすぎやま氏が手掛けていないあたりも聞きどころ。栗田信生氏によるアレンジは、聴き慣れたドラクエの楽曲をどのように響かせてくれるのでしょう。「ドラクエV」からは「結婚ワルツ」と「哀愁物語(『もうひとつの名前』)」の2曲を収録しています。

このCDを購入できます。
ルーラ 8センチシングル盤
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シングル盤も発売されていました。歌ものについてはアルバムに収録されているものと変わりはありませんが、シングルに限ってオリジナルカラオケもカップリングされていたのです。アルバム以上に非常にレアなアイテムとなっているので、ドラクエ音楽ファン、もしくはコレクターは見つけたら迷わずゲットすべし。ただし繰り返しになってしまいますが、これを入手することで音源的に新たに得られるのはオリジナルカラオケのみです。

こんなレアものもamazonで購入可。
ルーラ・シングル
ナゾのCDシングル ナゾの8cmシングルCD
ドラゴンクエストV 天空の花嫁
ORIGINAL SOUND SELECTION

アポロン:EP-0246/1992年/JASRAC表記:
あり/非売品?

どういった経緯で手に入れたか、筆者自身まったく覚えていないCD。年代から考えるとスーパーファミコン版ゲームソフト、もしくは交響組曲CDの初回特典でしょうか?「序曲」と「地平の彼方へ」のスーパーファミコンゲームオリジナル音源を収録しています。希少品であることは想像に難くありません。「VI」以前はゲーム音源版の単体トラックは存在しませんが、ある意味ではこのシングルこそ、唯一無二の公式ゲーム音源CD第一号だと言えるでしょう。詳細をご存知の方、情報提供をお願いします!

……と書いていたところ、毒アヒルさんから掲示板に寄せられた情報がこちら。「『すぎやまこういち交響組曲"ドラゴンクエストV天空の花嫁"(スーパーファミコン版)』のコーナーにあった『ナゾの8cmシングルCD』についてです。あれは、SFC版の発売前に売っていた、攻略本というかファンブックのおまけのCDです。『ドラゴンクエスト5「導きの書 CD+」 』という名前の本です。本の方には仲間になるモンスターリスト(発売前の本という事で仲間になるモンスターは半分くらいしか載っていない)や、情報についてメモがとれるような仕組みになっていたハズです。もしかしたらモンスターのページは取り外してカードにできたかもです」。

その「導きの書」が下の画像です。言わば攻略本ですね。それに、CDがオマケで付いていた、と。1630円、エニックス公認。うーむ、やっぱり買った記憶がナイ……。たぶん、当時友達がCDだけくれたんでしょう。商品そのものに対するナゾは解けました!毒アヒルさん、ありがとうございました。
これだ!

N響バージョンが再販されました!
交響組曲「ドラゴンクエストV」天空の花嫁
 PS2版「DQV」では既存のオーケストラ演奏がそのままストリーミングで流されたためあらためてCDは発売されず、DS版リメイクにおいてもサントラ発売がなく、「III」「IV」のような再収録がされてこなかった「V」のN響盤。ある意味で悲運だったわけですが、ようやく単独盤での再販です!サウンドストーリーはカットされオケ演奏だけになってますが、PS2版のサントラとしていかがでしょうかお客さん。

キングレコード
KICC-6324
2009年10月7日発売 
JASRAC表記:
あり

NHK交響楽団盤 交響組曲「ドラゴンクエストV」天空の花嫁

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