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JACK STUDIO
MIDIのしくみ・・・ゲーム音楽とは切っても切れない関係
MIDIってそもそもなに?
 
MIDIとは、Musical Instrument Digital Interfaceの略。たぶん。簡単に言うと、「打ち込み音楽を作るうえでの世界統一規格」というところですね。打ち込む人によって規格がちがうと困りますよね。ある人のところでは再生できなかったり、ピアノの音のはずなのにラッパになってしまったり。そういった事態を避けるための統一規格なんですね。このおかげで、MIDIのシステムを持っている人ならば、あらゆるMIDIファイルを違和感なく聞けるということなのです。

MIDIを聴くには何が必要?

最近のパソコンには、かなり高い確率でソフトウェアMIDIが入ってますね。これはつまり「音源」のことです。ピアノやラッパ、弦やギター、ドラムの音が入っています。パソコンに音源が入っていないと、MIDIデータは正しい楽器音で再生されず、場合によっては不快な電子音になってしまいます。音源のないパソコンには、ソフトウェア音源をダウンロードすればいいのです。無料でできますよ。もちろん有料の高性能版もいいでしょう。楽器店でも購入できます。

ただし、音源だけではMIDIは聴けませんよ!プレイヤーが必要なのです。でもご安心を。たとえばWindowsならばメディアプレイヤーがMIDIの再生機能を持っています。フリーソフトの「Winamp」なんかも有名ですね。Macならクイックタイムがあります。とりあえず、最近のパソコンを持っている人ならば、何もしなくても再生することはできるでしょう。

←フリーのパソコン用音楽プレイヤー、Winamp。
CD、MP3、そしてMIDIにももちろん対応。
スキンを利用して自分好みにデザインを
カスタマイズできるのも魅力です。関連付けて
おけば、MIDIファイルをダブルクリックするだけで
起動します。

MIDIのファイル自体は、インターネットなどにもありますし、楽器屋さんなどでも「MIDI集」のようなフロッピーや、CDロムを売っています。ヒット曲からゲーム・アニメなどいろいろあります。

知っておいた方がいいのは、インターネットで公開されている、個人が打ち込んだ既存の曲は大半が作者への許可を取っていない「著作権違反」にあたるもの。ダウンロードして個人で聴く分には、ひっかからないハズですが……。あくまで個人で、こっそりと楽しみましょう(笑)。もちろん、あなたが「公開する側」になる場合は、くれぐれも気をつけて。当サイトの「ゲーム音楽と著作権」も、ひととおり目を通しておきましょう!
 

ステップアップしたい!人なら、外部音源を買い足しましょう。わかり易く言えば、楽器の音がたくさん入ったシンセサイザーの一種です。パソコンに入っているソフトウェアシンセより、格段に良い音で鳴ります。有名なところでは、ローランドというメーカーのSCシリーズなどがありますね。3〜4万円で買えるのではないでしょうか?

←DTM音源の代名詞、ローランドSC-88pro
性能のわりに安価で、かつては入門者がまず最初に手に入れた
音源です。さすがに今では旧式といった感が否めませんが、
愛用者は多数。植松サンもまだ使ってる?
←その進化した音源がこれ。SC-88の正統な後継者です。

 ←で、今ではPCとの連携がマストでこうなります。

サイトによってはよく「SC-88pro以上推奨」と注意書きされていることがあります。これは、「SC-88proという音源以外で再生すると、ちょっと聞こえ方が変わるかもしれないよ」と言っているのです。パソコンの内蔵音源などで再生すると、製作者の意図と異なる音がする、ということです。まあ、まったく聴けないということでもありません。MIDIを打ち込んだ製作者が、きちんとMIDIの決まりごとを守って打ち込んでいれば、めちゃくちゃになることだけはないハズですよ。
 
パソコンと外部音源はMIDIケーブルというもので繋ぎます。最近のパソコンの裏側には「MIDI」という端子がついてるものも多いですね。ただし、機種によっては直接つなぐこともできますが、音源とは別に「MIDIインターフェイス」という機械が必要になります。MIDIというのは、それなりにお金のかかる趣味なんですね。
 
パソコンでMIDIを聴くことを前提に書いてきましたが、必ずしもパソコンを使う必要はありません。楽器屋さんに行けば、MIDIプレイヤーが売ってます。これならば、パソコンほどわずらわしくはありません。ただし、インターネットからダウンロードしたようなファイルを再生するのは、ちょっと面倒くさいかもしれません。また、将来的に打ち込みをやってみたい人なら、「オールインワンシンセ」や「音源付きシーケンサー」を買うことをオススメします。これはMIDIを自分で打ち込む人のための機械ですが、もちろんMIDIを聴くこともできます。

自分で「ウチコミ」してみたい!

 自分で打ち込みを楽しむのであれば、方法は二つあります。ひとつは、パソコンに「シーケンスソフト」という打ち込みデータを作るソフトをインストールして、キーボードや音源を繋ぐ方法。もうひとつは、パソコンをいっさい使わないで、独立したシステムを組む方法。ちなみに筆者は後者です。どちらにも一長一短あるような気がするんですが、う〜ん。個人的にはパソコンはネットやCGを優先したいので、これ以上の負担はかけたくないということもあって、打ち込みにはパソコンを使っていません。そもそもパソコンを買うずっと前から、サウンドシステムを構築していたこともあって、途中で移行する気にもならなかったというのが理由です。

これから始める人なら、どっちでもいいかな?あえていうと、パソコンベースの方が、最初の投資は少なくて済むかも。最低限シーケンスソフトとDTM音源一台でいいですからね(その音源も、最近は「ソフトウェア音源」が主流になってきており、パソコンの中だけで完結できます)。初心者向けの、いろいろ便利なソフトやパッケージも揃ってます。時代の流れとしては、今からやるならパソコンベース、ですかね。ですかねというか、おそらくそれが前提な時代です。

いきなり本格的なシステムを揃えるよりも、まずは安価な入門セットでとりあえず始めちゃうのが得策。MIDIに慣れた頃に、徐々に拡張していけばいいのです。プロが使うようなものはやはり、使い方も難しいですしね。シーケンスソフト、音源、MIDIインターフェイス&オーディオインターフェイスなど必要最低限のアイテムがセットになったものが各社から発売されていますので、検討してみましょう。YAMAHA、ローランドあたりが老舗でありつつ、初心者にもわかり易いセットを用意しています。



左2つは初心者向け。ソフトはすぐにバージョンが上がるので、購入の際はよく調べましょう。右の「CUBASE」はプロも使っているソフトなので高いですが、さらに上位に「NUENDO」というソフトもあります。30万円もしてしまうソフトです。あと、「プロツールズ」というソフトも有名ですね。Macなら「Logic」というソフトがメジャーです。いずれも、少しでもこちら方面に興味がある人なら名前ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?



オーディオインターフェイスの一例。今の機器はオーディオインターフェイスの中にMIDIインターフェイスも内包しているものが多いので、わかりやすいと思います。ローランド(エディロール)、M-AUDIO、MOTUあたりのブランドがメジャーでしょうか。やはりASIO対応のものを……っていかんいかん、難しいハナシはナシで。ところでamazonリンクなんか貼ってありますが、これは写真を見るためのサンプルです。やっぱりこういうものはちゃんとお店で見て買った方が良いでしょう。確かにクリックひとつで買えて、家に届くのは便利ですけどね。自分で選べなかったら、こういうサイトを利用するのもいいかもしれませんね。



パソコンを使わないなら、まず最初はオールインワンシンセかな?これは、シーケンサーと音源、そしてキーボードやエフェクターなどが、一台にギッシリつまったシンセサイザー。すべて入っているので、あとはスピーカーに繋げるだけで音楽製作が始められます(もちろんヘッドホンでもかまいません)。当然、ふつうにキーボードとして弾くこともできます。さすがに「全部入り」だけに、お値段はかなりのもの。



 
また、音源付きシーケンサーもいいですね。キーボードは付いていないので、まさにパソコンのようにキーを使って入力していくことになります。キーボードが弾けない人には、むしろとっつきやすいかも。別途MIDIキーボードを繋げば、ちゃんと演奏することももちろんできますよ。以下の右側、ヤマハのQY700は筆者も使用しています。



ここで、主要MIDI楽器メーカーのリンクです。あまりにマニアックなものを紹介するのもどうかと思うので、本当に代表的な、ウチコミストなら誰もが知っているメーカーに絞りました。独断ですが(笑)。

YAMAHA 言わずと知れた、YAMAHA。あらゆる楽器を揃えてますが、このリンクはMIDI機器・DTMのページに行きます。
ローランド MIDIと言えばSC、SCと言えばRoland。その音はYAMAHAとは対照的ですね。ビンテージものも有名です。
コルグ KORGも忘れちゃいけません。独自のコンセプトに基づくシンセは初心者向けではないですが、魅力はタップリ。
E-MU 個性派と言えばE-MU/ENSONIQ。初心者を脱した、中〜上級者向けの硬派な音源・サンプラーは高評価。
アカイ サンプラーと言ったらAKAIでしょう。まずハズシはないです。もちろん、音源なんかもやってます。

実際のMIDIのデータ。

さてさて、打ち込み音楽に必要なものをざっと見てきたところで、「MIDIを打ち込むとはどういうものか」についても触れておきましょう。まずは「MIDIってどんなデータ?」というところからです。MIDIの規格に含まれるデータについては、おおまかに分けて2つあります。ひとつは、シーケンスデータ。実際の音楽を構成する楽譜(スコア)のようなものと考えて下さい。キーボードを弾いたり、数値を入力することで打ち込んでいきます。

もうひとつはコントロールデータ。「このトラックはピアノの音だよ」「このトラックのボリュームはいくつだよ」「ここで効果がかかるよ」など、演奏データに付随する各種のデータのことです。打ち込みというのは、このふたつをデータとして記録していく作業です。
 
実はMIDI音源というのは、おおもとの規格の中にさらに音色に関する規格があります。有名なのはGM(ジェネラル・ミディ)ですね。この規格では001〜128までの音があり、それぞれ「何番が何の楽器の音か」が決められています。これのおかげで、MIDIを作成した人がGMに準拠して作っていれば、聴く方でもGMに対応することで、作った人の意図した楽器の音で聞くことができるのです(逆にこの約束を守らないと、メチャクチャな音になります)。さらにGMをより発展させたものとして、ヤマハのXG、ローランドのGSなどがあります。

つまり「MIDIの打ち込み」とは、「音符」、「それを演奏する際の音量や強弱などの表情」、「それをどの楽器の音で鳴らすか」ということについてデータを作っていく作業のことになります。

MIDI機器の性能について。
 
機械であるからにはいろいろとあるわけです。代表的、かつ初歩的なものを紹介しましよう。
 
まずは「パート数」。これはそのMIDI楽器がいくつのパートを同時再生できるか、ということ。MIDIの規格として、ひとつのMIDI端子で送受信できるのは16チャンネルまでです。初歩的なMIDI機器でも、16トラックを使ったアンサンブルを演奏できるということ。つまり、1トラックはピアノ、2トラックはギター、…9トラックがベースで10トラックがドラムという、さながらバンド演奏かオーケストラか、ということが可能なわけですね。MIDI端子を複数用意することで、32パートなどに増やすこともできます。パソコンベースのシーケンスソフトでは「トラック数=無限」なんていうものも出てきました。ただしそれは内部的なものであり、外部音源を使う場合はトラック数に対応するだけの機材とインターフェイスを準備しなければなりません。
 
続いて「同時発音数」。ゲーム音楽でも頻繁に聞かれるこの言葉は、その機械で最大いくつの音を同時に出せるか、ということです。「同時発音数32」ならば、最大で32個までの楽器音を同時に鳴らせる、ということになります。勘違いしやすいのは、「そもそもMIDIのパート数が16なのに、32パートも必要なの?」ということですが、違うのです。たとえば、ひとつの楽器音で同時に「ドミソ」と和音をおさえた場合、もうこれだけで3音になってしまうのですよ……。小節のアタマで16パートすべての楽器がそれをやったらどうなります?3×16で……、いとも簡単に最大32音を超えますね。こうなると、一部の楽器音が欠けたりもたついたりします。ゲーム機で言えば、発音数ギリギリの楽曲が鳴っているところにさらに効果音が鳴り、曲の一部が欠けてしまう、というような現象です。ファミコンやスーファミではよくありましたよね。

それを回避するためには、同時発音数を常に考えてアレンジしていかなければならないわけです。どうしてもムリなら、物量作戦。機械的に音源を増やし、パートを分散させます。発音数32のシンセではギリギリだった曲も、もうひとつシンセを増やしてやれば余裕を持って鳴らせます。これは、たとえばスーファミではギリギリだった曲が、プレステになることで発音数が倍以上に増え、さらにゴージャスになったよ、みたいなものと言えます。
 
ちょっと前までは初歩的なシンセサイザーだと同時発音数は32音が主流でしたが、最近ではほとんどが64から128以上のようです。ちなみに大昔のアナログシンセサイザーだと、最大同時発音数は「1」。つまり、パートの数だけシンセが必要だったわけです。それから考えるとすごい進歩ですよね。さらにちなみに、人間の声の同時発音数も、もちろん1です。

プラスアルファをしていこう!

MIDI機器やシンセサイザーだけでは、いわゆる現実音の「録音」ができません。たとえば自分でギターを弾いたり、歌を歌ったり。打ち込んだ曲にそういったものを加えていきたくなったら、いろいろとシステムを追加しなければなりませんよね。シーケンスソフトにハードディスクレコーディング機能を付加したものとか、単体のマルチトラックレコーダーとか、マイクとか、MIDI音源と録音素材を混ぜるためのミキサーとか……。パソコンでハードディスクレコーディングをするのであれば、それなりの性能のパソコンも必要です。もしかするとパソコンそのものを買い換えないとソフトがまともに動作すらしないかも……。外部の独立したシステムならば、機械さえ手に入れれば繋げるだけで使えます。さあ、どっちがいいのかな……。

パソコンを使ったシステムは、ソフトの性能が上がっていくにつれ、パソコン本体の買い替えも発生してきます。一方の独立したシステムならば、新しい機械を買い足すだけで、今までの環境も一切の変更なく継続して使えます。ただし、パソコン用のソフトは(プロ用でもなければ)それなりに安価ですが、同じことを外部のハードウェアで賄おうとすると、ケタの違う出費が必要になることも(音源やらエフェクターやら……)。それに機械は場所も取ります。まさに、一長一短。よ〜く考えて決めましょう。

ちなみに話題の「初音ミク」なんてのは、「人間の歌声」に特化した音源+シーケンスソフト。歌詞を入力してそれに音程を設定することで、バーチャルボーカルとなるのです。ただし、リアルに聞かせるためには強弱やビブラートなどをこまか〜くエディットしなければなりませんが。単純に打ち込んだだけではやっぱり機械っぽくなっちゃうのです。



「初音ミク」や「鏡音リン・レン」は、「ボーカロイド2」というソフトウェア。その前身にあたるのが「ボーカロイド」で、女声の「MEIKO」や男声の「KAITO」、外人「ミリアム」などがありました。「ボーカロイド」と「ボーカロイド2」にデータ的な互換性はありませんが、両者を同時にインストールすることは可能。また、VSTに対応したDAWソフトウェアからVSTプラグインとしても呼び出して使うことができます、ってまた難しい話を!

こうやっていろいろ見たり読んだりしてくると、「音楽作るのってお金がかかるんだなあ」と思われるかもしれません。初心者向けソフトや機材は比較的安価ですが、プロも使うようなものになると十数万円単位のお金がポンポン出ていきます。それは事実ですし、プロ用のものが高いのにはそれなりの理由があるのですが(できることやクオリティの面です)、それがなければ音楽が作れないというわけではありません。すべては「作ってみたい!」という情熱から始まります。安価なパソコンにフリーウェアのシーケンスソフトだけでも音楽は作り始められるのです。まず、とにかく始める。それで面白くなってきたら、どういう方向に進むかは自分しだい。プロを目指すもよし、趣味の範囲でちょこっとだけお金をかけるのもよし、ラフに作り続けるもよしです。



ここはゲーム音楽からMIDIを知って興味を持った人のために、きわめて初歩的なことしか説明していません。もっと詳しく知りたいという人は、それこそネットサーフィンです!インターネットにはMIDIに詳しい人が作ったサイトがたくさんありますよ!それこそ入門から、上級者のためのノウハウを掲載したサイトまで、いろいろです。ぜひ、探してみて下さい。そして、アナタもお気に入りのゲーム音楽を、自分流のアレンジで打ち込みしてみませんか?
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