ファイナルファンタジーX-2
INTERNATIONAL + LAST MISSION

パッケージ画像 プレイステーション2
DVD-ROM
2004年2月19日発売
スクウェアエニックス
SLPM 65478
6800円(税別)
メモリーカード221KB以上 特典映像収録
プロデューサー:北瀬佳範
ディレクター:鳥山求
シナリオ:渡辺大祐・野島一成
キャラクターデザイン:野村哲也
サブキャラ&ドレスデザイン:塚本哲
アートディレクター:松田俊孝
マップ/ラストミッションディレクター:中里尚義
バトルディレクター:中澤孝継・小林正樹
CGムービーディレクター:生守一行
音楽:江口貴勅・松枝賀子

オリジナル版からインターナショナル版への主な変更点

シナリオ・イベント関連
「LAST MISSION」の追加

 ゲーム全般を通しての基本的なシナリオに変更はないが、本編のエンディングのさらなる後日談を見ることができる、新たなシナリオが追加されている。それが「LAST MISSION」である。この追加シナリオ「LAST MISSION」はゲーム本編から続くものではなく、独立した別のゲームとして収録されているのだ。システムはRPG(FFX-2本編を引き継いだもの)ではなく、探索型のダンジョンRPGに近いものになっている。

 例えばオリジナル版(日本語版)をプレイした人ならば、もう一度本編を最初からプレイすることをためらう場合もあるだろう。そのため、「LAST MISSION」は、オリジナル版のクリアデータがあれば「後日談」をダイレクトにプレイすることができるようになっているのだ。もちろん、クリアデータがなくとも「LAST MISSION」は独立したゲームとしてプレイできる。

 具体的に言えば「LAST MISSION」は、入るたびに地形の変化するダンジョン「ヤドノキの塔」を最上階まで上り詰めることが目的。ゲームシステムやバトル、アイテムからドレスの使用法に至るまで、ほぼすべての要素が本編とは異なっているので、本編をとことんやり込んだというプレイヤーも、新たな気持ちで挑むことができる。逆に言えば、本編で培った攻略法やテクニックは「LAST MISSION」には通用しないのだ。「LAST MISSION」を既存のゲームにあてはめて説明するなら、「不思議のダンジョン」+「ドルアーガの塔」といったところだろうか。

 前作もしくはインターナショナル版のクリアデータがある場合は、それを使用して「LAST MISSION」を開始することで、一定フロアごとに「後日談」イベントが発生する。最上階までのすべてをクリアすれば、新規のエンディングも発生するのだ。一方、クリアデータがなくても「LAST MISSION」は、タイトル画面から選択してプレイ可能。この場合、「後日談」イベントは発生せず、エンディングもない。単なる新規の「ダンジョンRPG」としてプレイするのみとなる。

 くわしくは「ラストミッション攻略」を参照。


すべての台詞が英語に

 インターナショナル版では、キャラクターたちのボイスがすべて英語になっている点に注意。英語の音声に、日本語字幕をのせてプレイすることになる(日本語音声は収録されていない)。それにともなって、一部のセリフのニュアンスも多少変化しているのだ。オリジナル版と比較してみるのも一興。

 また、主題歌も当然英語詞になったわけだが、それにともなって日本語版にはなかったコーラスが加えられており、結果として「1000の言葉」のムービーに大幅な新作カットが追加されている。これは日本語版にはなかった「追っかけコーラス」が追加されているためで、ユウナ(もしくはレン)のソロとしての映像を表現するのが難しく、ユウナとレンの掛け合い風の演出になったものと思われる。また、オープニングの「real emotion」ムービーにも若干の変更カットがある。

 音声での演出では、一部の効果音も変更に。たとえば、ゲーム冒頭でユリパが初めて揃った際に流れるムービーのラストカットで、オリジナル版ではカモメの声を模したような、ラッパ風の「パフパフ〜」という効果音が加えられていたが、インターナショナル版ではこれが「キララ〜ン」というウインドチャイム系の音に差し換えられているのだ。メニュー画面におけるアイテム整頓時のSEも差し替えられているなど細かい変更もあるが、ゲームの進行に大きな影響はないので気にしなくてよい。


用語の変更

 インターナショナル版では、英語での自然な表現を目指したためと思われる、用語の変更が少なからず存在する。また、字幕を英語表記にした場合のみ変化する用語もある。字幕が日本語の場合でも変化している用語の代表的なものは以下。

MISSION START ! → MISSION TIME !
ストーリーレベル→Chapter(チャプター=日本語で「章」)


アルベド語辞書について

 アルベド語辞書は「FFX」と同様、もともと英語版の発売を想定して「全26冊」となっている。日本語版では一冊入手すると複数の文字が翻訳されていったが、英語版では一冊の入手ごとに1文字ずつ判明していくこととなる。ただし、そもそもアルファベットは26文字であるため、翻訳度についてはほとんど差がないと言える。

システム関連
新たなドレスの追加

 インターナショナル版では、「お祭り士」「サイキッカー」といった、2種類のドレスが追加されている。前者は見た目も楽しいアビリティが満載で、後者は超能力的なアビリティを使うことができるようになる。これにともなって、オリジナル版にはなかったアビリティももちろん追加されているのだ。

 また、オリジナル版では入手条件の厳しかったレアドレス「きぐるみ士」について、複数の入手方法が用意されている。具体的には、オリジナル版での「全地域エピソードコンプリート達成」という条件のほか、インターナショナルではさらに「魔物コロシアムの青年同盟武闘会で優勝」という入手方法も追加された。つまり、全地域コンプリートをしくじっても、「きぐるみ士」を入手するチャンスが残されているということ。ぜひ獲得しよう。


リザルトプレートの追加

 インターナショナル版では、オリジナルにはなかった新たなリザルトプレートがいくつか追加になっている。いずれも強力なゲート効果を秘めているので、やり込み派には強い味方となってくれるにちがいない。

 詳しくは「リザルトプレート一覧」を参照のこと。


アイテム入手方法の変更

 インターナショナル版では、一部のアクセサリ等の入手方法に追加・変更が見られる。オリジナル版で「キューソネコカミ」を手に入れることのできた「トーブリをエレベーターに乗せる」イベントで、インターナショナル版では「エンタープライズ」が入手できるようになった。逆に、本来「エンタープライズ」を手に入れられた場所(ベベル廊40F)で、「キューソネコカミ」が手に入るようになっている。オリジナル版のデータがない場合、「キューソネコカミ」はゲーム終盤まで手に入らないようになったというわけ。

 キューソでの攻略を前提としていたプレイヤーには残念このうえない変更だが、嬉しい面もある。それは、同一周回での「きぐるみ士」と「キューソネコカミ」の入手が両立するということ。通常版ではキューソネコカミの入手には、幻光河のエピソードエンドが絶対条件であり、クリアデータを使わない限り「きぐるみ士」が入手できなかった。今回は上で述べている通り、キューソの入手がエピソードに絡まなくなったため、両立が可能なのだ。

 また、非常にレアなアクセサリだったグロウエッグ、アダマンタイト、アイアンデューク、ラグナロク、属性王などは通常の入手方法に加え、いずれも魔物コロシアムの優勝賞品としても出現するようになっており、一度のプレイで複数入手することが可能になった。



クリーチャークリエイトの追加

 インターナショナル版では、ゲームに登場するクリーチャー(魔物)を捕獲して育成し、魔物コロシアムに出場しつつ「魔物事典」をコンプリートするというミニゲームが追加された。これらを総称して「クリーチャークリエイト」と呼ぶ。魔物コロシアムは一定の条件を満たすことでより難度の高い「カップ(杯)」が開催され、最終的にはインターナショナル版の追加ボスと対戦可能となる。魔物の捕獲、魔物事典のコンプリートについてもそれぞれお楽しみが用意されているのだ。なおかつゲーム序盤からプレイできるため、クリクリにハマってしまうと本筋がまったく進まなくなってしまう恐れもある、かなり「やり込める」サブゲームに仕上がっている。

 詳しくは「クリクリ攻略」を参照。

アビリティの追加・変更

 インターナショナル版ではドレスの追加や、捕獲クリーチャーをバトルに参加させられることもあって、プレイヤーの使うことができるアビリティが増加した。またそれらとは別に、オリジナル版とは能力が変更されたアビリティも存在する。例えば魔法「メテオ」は、オリジナル版では軽減手段がプロテス(=物理ダメージ扱い)だったのに対し、インターナショナルではシェル(=魔法ダメージ)になっている。

 中でもプレイヤーにとって大きな変更は、入手手段も変更となったアクセサリ「キューソネコカミ」に付属のオートアビリティ「ピンチに……」だろう。オリジナル版ではピンチ状態の時にあらゆる攻撃がダメージ9999状態になるものだったのに対し、インターナショナル版ではそれと同時にスロウとバーサク状態も付加されるようになってしまっている。


メニューの変更

 インターナショナル版では仲間にしたクリーチャーをバトルに参加させられるが、それにともなってメニュー画面にオリジナル版にはなかった「クリーチャー」「バトルメンバー」のボタンが追加されている。これにともなってメニュー画面のデザインやレイアウトなど、見た目の面もオリジナル版とは大きく変わっている。また、メニューで表示されるユリパのフェイスグラフィックについては、装備しているドレスによってグラフィックが変わるようになっている。


モンスター名称の変更

 インターナショナル版では仲間にしたクリーチャーをバトルに参加させられることから、「バトルメンバーの名前は8文字まで」という制限を、仲間にすることができる魔物も受けることになった。オリジナル版で名前が8文字を超えていた魔物は、8文字におさまるよう修正されている。例えば「イエローエレメンタル→黄のエレメンタル」、「グレータードレイク→グレートドレイク」といった具合。


他にももろもろ細かい変更は多数あるものの、プレイヤーに大きくかかわってくるものはだいたいこんなもの。重要なものについては各項目のデータページでも解説しているので、参照していただければ幸いだ。

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