PE2・戦闘に関する考察

前作とは異なるシステム
 今回、続編にあたって前作「パラサイト・イヴ」とは様々な変更が行われているが、最も大きいのはジャンルがRPGからアドベンチャーになった点だろう。それに伴って、当然ながら戦闘システムも大幅に変わっている。特に前作からのユーザーは、まったく別モノとして捉えないと混乱することになるだろう。ここでは、「PE2」の戦闘についてざっとまとめてみよう。

 まず、前作でスクウェアRPGの最大の特徴とも言える「ATB(アクティヴ・タイム・バトル)」を導入していたことに対して、本作では完全な
リアルタイムバトルとなっている。簡単に言うと、前作の戦闘から「ターン(待ち時間)」を取り除いたものと考えてもらってかまわない。誤解を恐れずにさらに言えば、カプコンの「バイオハザード」的な、よりアドベンチャーテイストの戦闘になったということ。常に動き、常に攻守が入れ替わる、よりアクション性が強くなった戦闘になったのである。

 戦闘の流れを見てみよう。マップ上をうろつく敵に接近したり、照準を合わせるとエンカウント状態となり、戦闘に突入。出現したすべてのクリーチャーを殲滅できれば勝利となり、経験値とBP(後述)が手に入る。戦闘中にAyaのHPがゼロになれば、当然ゲームオーバーとなる。ここで重要なのは、たいていの場合、マップ上には常にクリーチャーがうろついているということ。これに接近しなかったり、無視してやり過ごすことができれば、戦闘そのものを回避することも可能である。

 具体的な戦闘方法は、敵の攻撃を回避しつつ、スキを見て攻撃を加える、この一言に尽きる。が、これが言うほど容易くはない。複数出現するクリーチャーの攻撃を回避し、一体ずつ倒していくのはそれなりに困難であり、敵の属性や弱点を考慮し、効率の良い戦いを展開していかないと、Ayaが一方的に消耗してしまうだろう。では、ここから戦闘における数点のポイントを、項目別に検証していく。
戦闘前の準備
 さて、ではいざ戦闘開始!と、簡単にはいかないのが「PE2」。初心者が陥りやすいミスに、「アタッチメントを理解しないまま戦闘してしまう」ことがある。「PE2」でAyaが持ち歩くことのできるアイテムは最大20個だが、実はこのすべてを戦闘中に自由に使えるわけではない。戦闘中に必要だと思われるアイテムは、あらかじめ普段から防具のアタッチメントに装着しておかなければならないのだ。これは回復アイテムにしろ、武器・弾薬についても同じだ。理解しにくいと思うが、これは重要な点。詳しく説明しておこう。

 防具には、それぞれ「アタッチメント」と呼ばれるアイテム装着欄が設定されている。その数は防具によってまちまちだ。簡単に言うと、
戦闘中はアタッチメントに装着しているアイテムしか使えない、ということ。つまり、どんなにたくさんの回復アイテムを持っていても、アタッチメントに装着していない限り、戦闘で使用できない。これは致命傷になり得るミスである。弾薬も同様。例えば、ハンドガンを装備していたとする。で、戦闘中に弾を撃ち尽くしてしまった……この時、アタッチメントに予備の弾丸を装着していないと、リロードはできない。代わりの武器も装着していないとなると、戦闘中に攻撃手段を失ってしまうことになる。あとはPEで悪あがき、MPが尽きれば逃走するしか手はない。

 という具合に、アタッチメントには常に武器や回復アイテムをバランスよく装着していなければならないのだ。もちろん、アタッチメントの数には限りがある。多ければ多いほどいいが(最大10)、アタッチメントの数は防具によってまちまち。追加HP・MPは多いがアタッチメントの少ないもの、アタッチメントは豊富だが追加HPのないもの……いろいろある。その中から適したものを選び、アイテムを装着しておかなければならない。慣れないうちは苦労するシステムだが、出現するだろう敵の弱点を読み、その弱点を突ける弾薬をセットしておくなど、非常に戦略性の高いシステムであるとも言える。早いうちに慣れるように務めよう。

 追記しておくが、防具を変更(装備し直した)した場合、それまでアタッチメントに装着しておいたアイテムはいったんすべて外される。次の戦闘で慌てないよう、しっかりと再チェックしておくこと。

 戦闘前の準備としてもうひとつ。場合によっては長時間、弾薬の補給ができない状況もあり得る。
武器は最低でも2種類は携行したい(たとえば、ハンドガンとショットガンとか)。さらに、ひとつの武器に対して複数の弾薬を持っておこう。どんな武器も、弾がなければ何の役にも立たないのだ。ハンドガンであれば、9mmパラベラムと9mmヒドラなど、一種が尽きても別の弾で補えるようにしたいもの。出現する敵に合わせて弾薬を使い分けるまでになれば、アナタも立派に「脱・初心者」だ。
戦闘開始のパターン
 前述の通り、敵との戦闘は場合によっては回避が可能だ。必要以上に接近したり、ターゲッティングをしないまま、別のマップへ移動してしまえばいい。が、当サイトの攻略においては、戦闘の回避はオススメしない。なぜなら、本作においては、出現する敵の数が限られているからだ。一度倒したマップの敵は、再セットされるまでは出現しない。あるマップの敵を倒さないまま再セットがされてしまうと、倒さなかった敵は二度と出現しなくなり、その敵から得られる経験値やBPも、当然ながら二度と手に入らなくなる。即ちそれは、アイテムの購入やパラサイト・エナジーの復活といったAyaの強化を妨げる結果に直結するのである。倒せる敵は、倒せるうちに駆逐しておく。これを鉄則として覚えておこう。

 では、どういったケースが戦闘突入となるのか。これには3つのパターンがある。
まずひとつ、
敵への接近。マップ上をうろつく敵に視認されるほど接近したり、直接接触したり、または聴覚の優れたクリーチャーのそばで走って音をたてたりといった場合に、敵に気付かれて戦闘となるケース。この場合、敵はすぐさまAyaに対して攻撃を加えてくる。また、戦闘中に同じ場所にいながらAyaに気付いていない敵もしばしば発生するが、だいたいは銃声などに反応してすぐさまこちらへ攻撃をしかけてくる。

 ふたつめは、マップ上にいる敵に対して、Ayaが
ターゲッティングした場合。これはAya(プレイヤー)に戦闘の意思ありということで、戦闘開始となる。この場合、多くのケースにおいてAyaの先制となるので、第一撃を加えた後は敵の攻撃を回避する態勢を比較的容易に取ることができる。もちろん、強力な攻撃や弱点属性を利用することで、敵の攻撃を受ける前に殲滅することもじゅうぶん可能だ。

 みっつめは、
イベントとしての戦闘。具体的には、ある特定のマップにAyaが足を踏み入れると、必ず発生する戦闘のことである。基本的に回避することはできない(逃走は可能)。多くは新たなエリアに進入すると発生し、クリーチャーの出現イベントなどが挿入されてそのまま戦闘となる。ボス戦もこれに含まれる。

 どのケースも、戦闘開始時には画面が白黒に反転し、「ドックン」という心拍音のエフェクトがかかる。これが戦闘開始の合図であり、同時に戦闘用の音楽が流れ始める。戦闘開始後に敵を殲滅しないままマップ外へ出てしまうと「逃走」とみなされ、経験値やアイテムが得られないばかりか、ペナルティとしてBPが10ポイント減らされる。
ターゲッティングと射程
 戦闘に突入したら、あとは殲滅のみが目的となる。Ayaはコントローラーの(□)ボタンで敵に照準を合わせ、その状態で[R1]ボタンを押すと、装備している武器を発射する(武器によっては、[R2]ボタンでサブアームを使用可能)。だが、戦闘は常にリアルタイムで変動するため、ターゲットを変更しなければならないケースも多々あるはず。その場合は、再度(□)ボタンを押すことで、目標を変更することが可能だ。右から接近する敵を攻撃して転倒させ、その間に左から迫ってくる別の敵を迎え撃つ、そういった場合にターゲットの切り替えは非常に重要となる。

 ただし、ターゲッティング中は移動ができない。敵の背後にまわって再ターゲッティング、という場合は、一度(×)ボタンでターゲッティングを解除して移動の後に再ターゲッティング、という手順が必要となる。文章で説明すると面倒そうだが、これは意識しないでもできるよう、早い段階でクセにしておこう。これをいちいち意識しながらやっていると、とても敵の攻撃に対処しきれないだろう。戦闘中は、常にコントローラーの(□)ボタンと(×)ボタン、そして[R1]ボタンにいつでも指が行くように添えておき、複数のターゲットに柔軟に対応していこう。

 これをマスターしないと、Ayaはいつまでたってもひとつの敵しかターゲッティングできず、その敵を倒すまでは他の敵に対して無防備になってしまう。常にマップを動き回りつつ、敵の攻撃をかいくぐり、折りを見て各個撃破、これが理想的な戦闘だ。

 注意しなければならないのは、Ayaのターゲッティングは
前方の敵に対して優先的に行なわれるということ。前方に敵が残っている状態で背後の敵をターゲッティングしようとしても、ほとんどの場合ターゲッティングしない(1対1の場合は例外)。この場合はAyaの向きを変えるか、移動してターゲッティング対象を変えていくしかない。

 なお、ある敵をターゲッティングしている間、Ayaは武器をかまえたまま、その敵の移動に合わせて自動で向きを変えていく。この時のAyaの動作は、装備している武器の重さに依存する。つまり、あまりに重い武器を装備している状態で素早い敵をターゲッティングしていると、相手の移動についていけないという事態も発生し得るということだ。

 続けて銃の
射程距離についても触れておこう。武器は個別に装弾数や重量が設定されているが、もちろん射程範囲も設定されている。射程の短い武器では遠くの敵に当たらないのはもちろん、距離によってダメージ量が変化することもある。「ダメージは大だが射程は短い(ショットガン)」「射程は長いがダメージはそこそこ(ライフル)」といった武器ごとの特性をよく理解して戦闘に臨むことだ。そこにリロード間隔や重量も併せると、武器の選定はなかなか悩まされるもの。プレイヤーごとに好きな武器がバラけるのも頷けるだろう。プレイスタイルが、そのまま武器の選定に直結するのだ。理想を言えば、常に防具のアタッチメントにはダメージ優先・射程優先など、それぞれの特性を持つ複数の武器をセットしておき、戦闘状況によって使い分けていきたい。
パラサイト・エナジーの使用
 戦闘中は武器攻撃以外に、パラサイト・エナジーの使用も可能だ。(△)ボタンを押すと画面右下にPEメニューが出るので、そこから使用したいパラサイト・エナジーを選択、決定するとAyaがモーションを始める。パラサイト・エナジーはそれぞれに待機時間(ATPロス)が設定されており、発動後のその間は、Ayaは一切の行動ができない。この間は敵に対して非常に無防備になってしまうわけだ。

 待機時間とは、RPGにおける呪文の詠唱時間のようなものと思ってもらっていいだろう。もちろん威力の大きいパラサイト・エナジーほどロスが大きくなり、無防備な時間も長くなる。この間に攻撃を受けると回避できないだけでなく、
発動そのものがキャンセルされてしまう。例えば、HPが残り少なくなってヒーリングを使おうとしたまではいいが、待機時間中に敵の攻撃を受けてしまい発動キャンセル(=HPは回復していない)、さらに敵に囲まれるという最悪の状況が発生することもあり得るわけだ。パラサイト・エナジーの発動は敵のスキがある時に、ということも、やはり鉄則として覚えておくこと。

 が、やはりパラサイト・エナジーを使うことで有利になることも当然多く、一気に複数の敵が接近してくる状況ですべての敵の足を止めたり、Ayaが先制する状況では敵にハンデを与えるような使い方もできる。どうしても回復系のエナジーばかりを優先して修得しがちだが、攻撃系のエナジーも積極的に復活させていこう。
クリティカル・ヒットの発生
 ゲームのシステムとしてはおなじみの、クリティカル・ヒットも当然本作に存在する。ランダム要素もあるが、プレイヤーが狙って発動できるクリティカルもあるので、積極的に活用しよう。それが結果的には弾丸の節約に繋がることもあるのだ。本作におけるクリティカル・ヒットには、大別すると4つのタイプが確認できる。

 1.確率によるもの
武器ごとに個別に設定された「
クリティカルヒット率」に基づいて発生するもので、発生すればその武器の持っている本来の攻撃力の、2倍のダメージを与えることができる。ただし、発生確率はきわめて低く、確率ものとは言ってもほとんどランダム程度にしか感じられない。プレイヤーが狙って発生させることはまずできないだろう。出たらラッキー、ぐらいに思っておくべし。なお、この確率はPE「エナジーショット」である程度引き上げることが可能。

 2.タイミングによるもの
クリーチャーによっては、戦闘中にある特殊な行動をとるものがいる。その
動作中に攻撃を当てるとクリティカルになるというもので、プレイヤーが狙って確実に発生させることが可能。最も狙いやすいものとしては、ハンプティダンプティのあくび動作だろう。HPの高い敵なので、狙っていきたい。

 3.方向によるもの
特定のクリーチャーには、
弱点となる角度があるものが存在する。たとえば「背後から攻撃を受けるとダメージ増」といった類のものだ。これもプレイヤーが狙って発生させることができる。ただし、すべての敵にこのような条件が存在するわけではない。特殊なところでは、ブラックビートルは裏返った状態で攻撃するとクリティカルとなる。

 4.弱点によるもの
これは簡単。敵の
弱点属性で攻撃すれば効果が発生するものだ。とは言え、出現するクリーチャーを把握しておき、なおかつ対応した属性の武器を所持していないとならないため、意外と狙いにくい。幸いなことに、同じタイプの敵は弱点も共通していることが多いため、比較的相手の弱点を見抜き易い。
戦闘の終了
 戦闘の終了には、いくつかのケースがある。最もベストなのは、Ayaがその戦闘ですべての敵を殲滅したパターン。Ayaが立ち止まってキメポーズをとる(ここで、残り弾丸があれば自動でフルにリロードされる)。そして経験値とBP、アイテムの獲得ウインドウが表示される。

 もうひとつは、戦闘中に別のマップへ移動した場合。これは「
逃走」と呼ばれ、戦闘は終了するが、経験値やBP、アイテムは得られない。さらにペナルティとしてBPが10ポイントマイナスされる。戦闘中で一部の敵を倒していたとしても、その分の経験値やBP、アイテムも得ることはできない。しかもその敵は再度復活するので、結果的に弾薬を浪費したことにもなる。中途半端に倒すのなら、一切倒さない方がマシというわけだ。もちろん、Ayaがピンチになった際の逃走は有効。マップ外で態勢を立て直し、再度挑戦しよう。ただし、ボス戦からは逃走できない。準備は事前にぬかりなく。

 最後は、AyaのHPがゼロになったパターン。つまりゲームオーバーだ。戦闘どころかゲームも終了してしまうわけで、セーブした地点からやり直すしかない。

 なお前述の通り、一度敵を殲滅したマップでは、基本的にしばらく敵が出現しなくなる。何度も行き来する場所は、敵を殲滅させておくと移動がラクになる。
戦闘後に得られるもの
 無事に敵を殲滅して戦闘を終了すると、EXP(経験値)とBP(バウンティポイント)が入手できる。この入手量はクリーチャーによって個別に設定されており、そのマップで殲滅したクリーチャーの合計分が手に入ることになる。前作のように、Ayaが受けたダメージによって減少することはない。

 また、同時にアイテムが入手できることもある。これについてはマップと出現クリーチャーの組み合わせによって設定されており、アイテムの種類もあらかじめ決まっている。プレイするたびに入手アイテムが変わることはないので、何度もプレイする時には作戦を立てる材料にもなるだろう。ただし、アタッチメントにメディソン・ウィールを装着している場合は入手アイテムが増加することがある(これも決まっている)。
クリーチャーの再配置
 くどいようだが、一度敵を殲滅したエリアでは、その後しばらく敵が出現しなくなる。が、あるタイミングで、再度クリーチャーが再配置されることがある。基本的にシナリオの新展開や新マップへの進入、しかけのクリアやボスの撃破などに連動していると思われるが、そうなると一度敵を殲滅したエリアでも、再度クリーチャーと遭遇することになる。

 マップに敵がいるかどうかを見分けるには、マップを見てもらえば簡単。
赤く表示されているエリアには、敵がいるのだ。白い部分は殲滅済みの、敵が出現しないエリアを示す(黒い部分は、まだ探索してないエリア)。つまり、まめにマップをチェックしていれば、先のルートのどこで敵と遭遇するか、ある程度わかったうえで探索を進められるわけ。

 例外もある。敵が物陰から突然出現するようなエリアは、赤く表示されないこともあるので油断しないように。また、まだAyaが足を踏み入れていない未探索エリアは、敵がいるかどうかわからないため表示されない。

 これを利用すれば、敵の出現しないルートを割り出して戦闘を回避していくプレイも可能だ。が、初回プレイではなにかと戦闘を避けがちになるものの、敵を倒せば倒した分だけ多くのEXP・BPを得ることができる。常にマップをチェックし、クリーチャーが再配置されたならば積極的に倒しに行きたい。ただし、再配置されたクリーチャーは以前の敵よりも強いものに変わっている場合が多いので、安心しきってエンカウントしたら強敵だった、というようなこともしばしば起こり得る。じゅうぶんに用心すること。

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