GAMERS EDEN ゲーム音楽 ゲームサントラ レビュー | |
「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」 オリジナル・サウンドトラック |
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「ドラゴンクエスト」の歴史は、そのままコンシューマーRPGの歴史である。対極の「FF」が時代時代の最新技術を惜しみなく投入し、「魅せる」RPGを目指しているのに対して、「ドラクエ」はあくまでオーソドックスに、その時々で可能な技術を吟味したうえで取捨選択。ゲームにとって、プレイヤーにとって「楽しくなる」ものだけを残す。結果として非常に洗練された、修飾のない最低限のものが残る。「ドラクエVIII」はそうして生み出された、ストレートかつシンプルな虚飾のないRPGである。サウンドもまたしかりで、そのゲーム音源を収録したのがこのサントラだ。 2004年・Aniplex/SVWZ 7228〜9 2009年・キングレコード/KICA-1462〜3 JASRAC表記:あり Aniplex盤を購入 |
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ゲーム紹介 「ドラゴンクエストVIII」は、2004年11月27日にリリースされた、プレイステーション2用ロールプレイングゲームである。純粋なナンバリングシリーズとしては初めてのPS2フォーマットにおける、オリジナルの「ドラクエ」だ(厳密にはPS2で既に「V」がリリースされていたが、リメイクである)。「VII」で採り入れた3Dの概念をさらに突き詰め、キャラクターの頭身もこれまでとは違う8頭身に。さらに「スクウェア・エニックス」からリリースされる「ドラクエ」として、これもオリジナルでは初めてのことになる(リメイク「V」は除く)。初のPS2、初の8頭身、初のスクエニということで「初めてづくし」な「VIII」であるが、初めてなのはこれだけではない。 堀井雄二氏のシナリオ・ゲームデザイン、鳥山明氏のキャラクター、そして音楽はすぎやまこういち氏とおなじみのメンバーは変わりないが、ここで新たに加わった「顔」がある。それが、本作の開発を担当した株式会社レベルファイブと、その代表取締役社長である日野晃博氏だ。本作では日野氏は「ディレクター」とクレジットされている。日野氏は生粋のドラクエユーザー代表であり、ゲーム製作を志したきっかけが「ドラクエIIIに感動して」というもの。かつて「ドラクエ」を遊んでいたユーザーがゲームクリエイターとなり、自らの手で「ドラクエ」を作る。レベルファイブが得意とする3DRPGの表現技術をもって、「かつて堀井氏が技術の制限からできなかったことを、今回は最大限可能にする」ことを目標とし、自分たちの立場を「あくまで堀井氏のお手伝い」とする日野氏は、過去の「ドラクエ」シリーズを分析し「ドラクエらしさとは何か」を研究したという。3Dになっても手触りが過去のシリーズと比べても違和感がないのは、この研究によるものが大きい。 過去作を採り入れるだけではなく、「VIII」には新たなシステムもきっちりと盛り込まれている。堀井氏が鳥山氏の「スーパーサイヤ人(ドラゴンボールより)」にヒントを得たという「テンションシステム」、プレイヤーが自分でキャラクターの成長に関わることができる「スキルポイントシステム」、アイテムを合成して新たなものを作り出す「錬金釜」、スカウトしたモンスターで勝ち抜く「バトルロード」など、本筋に関わるものからミニゲームまで、そのサービス精神は過剰であるほど。また、戦闘画面に初めて味方パーティが表示され、過去のシリーズと比べて見た目が大きく変わった。もちろん、味方・敵を問わずそのアクションはフルアニメーションでバトルを彩る。「つられておどる」「ぱふぱふ」「ハッスルダンス」などが、具体的なビジュアルで映し出されるのだ。結果として一回あたりの戦闘はやや長いものになっているが、テンポ感も含めて過去のシリーズに遜色のない、「ドラクエ」らしい戦闘を楽しませてくれる。これも日野氏らレベルファイブの研究成果と見て間違いないはずだ。見た目が変わることで「ドラクエらしさが失われるのでは」というファンたちの危惧も、いらぬ心配だったようである。 日野氏の研究成果は「音」にも現れている。バトルが終わってからBGMが鳴り止んで勝利SEが鳴るタイミング、レベルアップのファンファーレが鳴り響くタイミング、魔法を唱えてから効果音が鳴るタイミングなど、ユーザーの耳に染み付いている「シリーズの感触」を完全に再現。効果音の音色についても、宝箱を開ける音、街に出入りする「ザッザッザッ」、ルーラを唱えた時の音など、可能な限り過去シリーズを踏襲することで、見た目は変わってもこれは明らかに「ドラクエ」である、と思わせるのに貢献していると言えよう。 「ドラクエらしさ」を音の面で支えているのは効果音だけではない。すぎやまこういち氏による音楽も、本作を「ドラクエ」らしくしている最大の要因ではないだろうか。「何度も聞くので飽きない音楽を」という氏のポリシーは今回も健在であり、すべての楽曲において熟練の技を感じさせてくれている。また、昨今のRPGにしては楽曲数がだいぶ抑えられているのも、「曲数がやたらに増えると、印象が薄れる」という、一貫した氏の主張によるものだろう。特に昨今のRPGでは「ひとつのイベントに専用の1曲」というケースも珍しくはないが、本作の楽曲は最低限の曲数が最大限に使われており、その使い方に「なるほど」と思わされるばかりか、楽曲の持つ汎用性にも驚かされるだろう。 そんな「VIII」の楽曲の、ゲーム音源バージョンをCD2枚に網羅したのがこのサウンドトラックである。楽曲制作はすぎやまこういち氏が曲を書きつつデモを作り、それをゲーム音源にする作業を(株)トーセ(GB版「ドラクエ」や、派生シリーズ「モンスターズ」の開発を担当)のスタッフとともに行ったという。トーセのスタッフにはすぎやま氏所有の機材と同じものを用意してもらい、データのやり取りにおける互換性を重視。そこからあらゆるシンセやサンプリング素材をもとにゲーム音源の製作がトーセ側で行われるわけだが、オーケストラの響きをスタッフに理解してもらうために、すぎやま氏は彼らをドラクエコンサートに招いたりもした。 このCDに凝縮されているのは、そういったすぎやま氏とトーセ・サウンドスタッフの綿密なコミュニケーションと試行錯誤の結晶である。すぎやま氏いわく「現時点での、PS2ゲーム音楽の最高峰」。なるほど、プレイステーションの「VII」と比べても格段にクオリティアップした音源、そして表現はまさしく最高峰であろう。そして、そんなすぎやま氏の自信は、ゲーム音源版サントラの早期リリース(ゲーム発売からほぼ一ヶ月後)という結果に繋がったわけだ。実は、ドラクエ関連の音楽アルバム史上、オーケストラバージョンに先駆けてゲーム音源版がリリースされたのは初めてのこと。つまり、オケ版と抱き合わせなくとも充分に鑑賞に堪え得るクオリティであるということだ。氏いわく、「これまでのゲーム音源版CDは資料とか記録的な意味合い。でも今回は違う。単体でしっかりと音楽として完成できている」「今回はすでにオーケストラなんです。指揮者が僕で、トーセが演奏者というスタイルだっただけで」。ゲームをプレイした人もしていない人も、さっそくそのすぎやま氏の「自信」に耳を澄ましてみよう。願わくば、ゲームをプレイしたうえで。 ちなみに、なんとも気の早い話ではあるが、次回作はどうなるのだろう?「僕は年齢としては普通ならもう引退かな・・・と考えるんだけど、 『[』の作曲をしてみて、ある種みずみずしさを失ってない自分に気づくことができた。次につながる自信になったし、すごくうれしかったね」とはすぎやま氏の言葉だ。「気の早い話」とは書いたが、すぎやま氏は既に次回作のことを意識し始めている。 ↑SUGIレーベルのキングレコード移籍後は、パッケージデザインが全面イラストに変わっています。CDの内容はアニプレックス盤と同じです。キングレコード盤を購入 |
ネタバレ成分多し!ゲーム未プレイの人は要注意!
Disc 1 | ||
01 | 序曲 | ドラクエシリーズおなじみの「序曲」です。CMでも使用され、もはや「ドラクエ」の顔ですね。冒頭のファンファーレは「IV」から使用されているイントロと同じ形。シリーズによって変わるのかどうかが話題となるイントロですが、「VII」や「VIII」という単独シリーズでも変えられなかったところをみると、以後よほどのことがない限り、このファンファーレが変わることはないでしょう。 この曲はゲームを起動し、スクエニとレベルファイブのロゴの後に表示されるタイトル画面で初めて耳にすることになります。空を鳥が駆け抜け、それを追うカメラがパーティの頭上を通過、そしてタイトルが表示。そんな一連のグラフィックにイントロがこのうえなくハマッてます。主題およびリピートはストレートな印象で、細部はともかく「VIII」で新たに加えられた要素は見当たりませんが、音源のクオリティアップによる演奏の充実度は実感できます。プレイステーションの「VII」と比べても、その段違いの表現力には驚くほかありません。ヘタなDTMよりもよくできています(当然か)。ゲームでこれをやられちゃ、MIDI愛好家も大変です。 ゲーム中のイベントでは、さすがにタイトル曲なので何度も使い回されることはないのですが、ポルトリンクから船が出航するイベントでここぞとばかりに使用されました。次に登場するのはエンディング。ここではすべてが元通りになったトロデーン城で、トロデの「トロデーン城は復活じゃ!皆の者!宴じゃ!」をキッカケにして流れます。止め絵での宴の様子を盛大に盛り上げてくれましたね。ゲーム本編での露出が少ないゆえ、この曲が流れるのは本当に特別な時なのだ、というインパクトをプレイヤーに与えます。これがもししょっちゅう流れていたら……ありがたみがなくなっちゃいますよね。 |
02 | インテルメッツォ | 冒険の書作成/選択画面で流れる、おなじみの「インテルメッツォ」。こちらも「ドラクエ」の代表曲になっているのはご存知の通りです。タイトルは知らなくても、軽快なピチカートによるこの曲を聴けば、シリーズのファンであれば「ああ、あの曲ね!」と頷くはず。知らなければモグリです。 ゲーム音源はピチカートストリングスも瑞々しく、シリーズ最高の再現度(ここでの再現とは、オーケストラのという意)。そこに添えられたハイハットも、もはや欠くことのできないシリーズの伝統です。なお、他への流用は一切ありません。 |
03 | 馬車を曳いて | オープニングイベントでの初めての強制戦闘をクリアすると、パーティは移動を開始します。緑の多い夕暮れの街道を通り、着いた街はトラペッタ。この一連のイベントで流れる楽曲がこれです。流れるようなハープのアクセントと、爽やかなストリングスが広大なフィールドを思わせ、ユーザーの気分を「早くここを自由に歩き回りたい」、と盛り上げます。 実はこの曲、ゲーム中ではさりげなくも頻繁に使われている汎用曲なのです。例えば、パルミドで情報屋から「荒野に打ち捨てられた古い船」の話を聞く際に使われています。実際にその古代船の所へたどり着いた際にも、トロデのセリフとともに流れました。他に、 ・竜骨の迷宮の最深部でフォーグとユッケの前にギャリングの先祖が現れるイベント。 ・対レティス戦後、主人公らとレティスが初めて対話するイベントにて。レティスは主人公らに救いを求め、ゲモンを倒してほしいと言います。それを承諾すると、レティスは馬車ごと主人公らをゲモンのいる「神鳥の巣」のふもとへと運んでくれます。そこまでのイベント一連に流れるので、だいぶ長い間聴くことになるでしょう。 ・暗黒魔城都市崩壊後、レティスからやまびこの笛を授かり、各地のオーブを探すよう説明を受けるシーン。 ・オーブをすべて集め、レティスから神鳥の杖を授かるシーン。いよいよ最終戦へと向かう覚悟を決めるイベント。 ・エンディングでのトロデとレティスの会話シーン。レティスが自分をラーミアであると初めて語るのもここでした。もちろんプレイヤーはすでにわかっているわけですが(曲のおかげで)。 ・隠しダンジョン「天の祭壇」で竜神王を倒した後、正気を取り戻した竜神王が主人公を昔から知っている理由を語るイベント。物語序盤から複線の張られていた「主人公の出生の秘密」が明かされる場面です。ここではトーポの正体も明かされます。 ご覧のように、非常に印象深いイベントで使われることが多く、それはこの曲の持つ様々な表情とファンタジックな雰囲気によるもの。終盤はレティス絡みのイベントでよく耳にします。イベント用汎用BGM、といった位置付けではありますが、やたらめったら乱用はされず、ここぞという場面で非常に大切に使われているのがわかるでしょう。 |
04 | 穏やかな街並み | 街で流れる汎用BGMです。ヨーロッパ(特にイタリア、フランスあたり)の街並みを思わせるキャッチーなイントロ、人々の様々な生活を表すように変化する曲調とテンポはまさに「飽きさせない曲作り」ということなのでしょう。木管と弦を中心に構成される雰囲気はまさに「穏やかな」という感じ。ウッドブロックなどのパーカッション、キック・スネア・ハイハットといったドラムス、ベースなどポップスの要素が組み込まれているのもゲーム音源ならではの特徴ですね。おそらくオーケストラバージョンではこういった要素はなくなると思いますが。 初出はオープニングイベント一連が終了し、トラペッタで主人公を自由に操作できるようになるタイミングです。ただしトラペッタでこの曲が聴けるのはその時だけで、以後通常トラペッタでは「対話(Disc2-6)」が流れます。この曲が常に流れているのは以下の街。→ポルトリンク、船着場、ベルガラック(カジノ再開前)、ラパンハウス、リブルアーチ、オークニス 街によってこの「穏やかな街並み」と「対話」が使い分けられているのですが、その基準は何でしょうか?直感で思い付くのはまず「遊戯施設の有無」ですが、トラペッタで「対話」が流れることを考えるとそれは間違い。次に「街の大きさ(規模)もしくは人口」がありますが、そうなるとそうとう大きな街であるリブルアーチに「穏やかな街並み」が流れている説明ができません。そこで、筆者は「どれだけ人々が行き交っているか」を結論としたいと思います。絶えず人々が行き交い、賑わっている街には「対話」、街の規模は関係なく、通行人が少ない街は「穏やかな街並み」。そうするとリブルアーチの説明もつきます。 |
05 | 酒場でブギウギ | 街にはたいてい酒場があり、そこに入るとBGMがこの曲に変化します。シリーズのファンならばすぐにピンとくるはずですが、この曲、スーパーファミコン版の「III」で初登場した曲なんです(そちらでの曲名は「ブギウギ」)。見た目が変わることで「ドラクエらしさ」が失われるのでは?という懸念を、こうした過去作の楽曲を登場させることで、「これはドラクエですよ」とユーザーに認知させてくれます。最も「III」を知らない人には関係のないことですが……。 ファンによってはこれを「安易な楽曲の使い回し」と批難する人もいるのですが、「III」は知っててもスーファミ版はプレイしていない人もいるでしょうし、これぐらいはいいんじゃないかなあ、と筆者は思います。むしろ初めてゲームでこれを聞いた時は「おっ!」と思いましたし、ファンサービスと受け取りましたけど。これを批難するのは、レベルアップのファンファーレからセーブ時のオルガンMEさえ毎回変えろよ、ということに等しく、シリーズならではの楽しみを全否定することにもなりかねません。 楽曲自体はホンキートンクピアノで弾むように奏でられる、ラフなジャズといったテイスト。このあたりのイメージもスーファミ版「III」を踏襲しています。「あえてガタガタの、(酒場にあるような)古びたピアノの音を再現してるんですよ。音階が少し狂っていて、弦をたたくハンマーがくたびれてるような…。そういうわけで、音色にはこだわっている一曲です」とは、すぎやま氏の言葉です。 トラペッタ、ドニ、パルミド、ベルガラック、リブルアーチなど、すべての酒場で使用。ただし、オークニスだけは建物が繋がっているため、酒場でも「穏やかな街並み」が流れ続けます。三角谷でも、酒場と他の店が同一の屋内にあるためこの曲は流れません。特別な例としては、モリーのいるバトルロード格闘場。ここではこの曲がBGとして絶えず流れています。酒場ではありませんが、お酒を飲むカウンターもありますしね。 最後に、世界をくまなく歩いた人だけがたどり着けるだろうと思われる「ぱふぱふ屋」でも流れています。ここでは何が行われるのでしょう……?頑張って探して下さいね。 |
06 | 穏やかな街並み(夜) | 「ドラクエ」ではおなじみですが、街やフィールドで移動を続けていると、時間帯が昼→夜と変化します。「VIII」ではその間に早朝、夕方などPS2ならではの細かな変化もあるのですが、この曲は夜の街に入ると流れるもの。トラック4「穏やかな街並み」のアレンジで、テンポを下げてよりゆっくりとした雰囲気に仕上げられています。オリジナルに比べて低音部が増えていて、それも「夜っぽさ」に繋がっています。 ゲーム中では効果音で虫の声も流されますね。こういった現実音も雰囲気作りにおおいに貢献しています。人々は既に家にこもり、暖かい夕食を楽しんでいるのでしょう。もしかしたらもう寝ているかな?ゆったりとしたテンポと木管の響きにより、私はこの曲を聴くと「暖かい夕食」「暖かいベッド」というものを連想してます。個人的には「シンバルいらない」とか思ってますが……。 初出は実は街の中ではなく、外でした。トロデを怪物扱いされてトラペッタを追い出される主人公たち。街の外に出るとあたりはすっかり夜。そんなイベントで、満月のグラフィックとともにこの曲が鳴ったのです。 基本的に、昼間は「穏やかな街並み」もしくは「対話」が流れるすべての街で、夜に聞くことになるでしょう。また、「異世界(闇の世界)」のレティシア村(闇のレティシア)では昼夜の区別がないため、常にこの曲が流れています。疑問なのは、通常のレティシアのBGが「静かな村」であるのに対し、なぜ闇のレティシアは「静かな村(夜)」ではなく「穏やかな街並み(夜)」なんでしょう?ということ。推測ですが、「静かな村(夜)」だと通常のレティシアと似すぎるため、あくまで別の場所であるという差を出しにくいことから、あえて「穏やかな街並み(夜)」にしたのではないでしょうか。 |
07 | 広い世界へ | ハープに導かれて始まる、ゲーム全編を通してのフィールドBGM。タイトル通りの曲とはまさにこのこと!曲だけ聴いても広大さは伝わりますが、ぜひ実際にゲームをしながら聴いてほしい曲です。メインストリートからそれてちょっと寄り道、あちこちさまよって「あ!こんなところに宝箱が」。そうすると実感できるのが、本作のワールドの途方もない広さ。そのうちに夜になり、昼とは異なる強い魔物がうろつき始める。見たことのない土地を手掛かりナシに歩く不安と、広く美しい世界、そして抱く冒険への期待。これらすべてを見事に内包しているのがこの曲です。いろいろな表情が顔を出していませんか? すぎやま氏いわく、この曲はPS2版「V」に収録される「VIII」の特典映像に間に合わせる必要があったためかなり初期に作曲したとのことですが、一方ではゲームを実際に触ってみて、その3Dの手触りと広大な世界から得たイメージ、その感覚で作った曲だとのことです。また、フィールドを走る時の足音とのテンポ的な馴染み方も意識しているそうで、さすが職人!という感じ。本格的な3D作品の一作目でそこまで考えられるとは、なかなかできることじゃありません。 本作はストーリーの進行によって曲が変わるという仕掛けはありませんが、曲の立ち上がりが変わるケースはあります。闇の遺跡でドルマゲスを倒すと、以後40秒のブラスのフレーズから始まるようになり、そして暗黒魔城都市崩壊後(真のラプソーン復活後)はもとのイントロに戻るのです。 また、例外的に陸地以外でこの曲が流れることも。ポルトリンクでオセアーノンを倒した直後の会話シーンでは主人公たちは海の上(船)にいますが、この曲が流れていたのでした。その後、定期船でマイエラ修道院地方の船着場に向かう船上でもこの曲。他にも、アスカンタ地方の「願いの丘」およびサザンビーク地方の「王家の墓」はダンジョンですが、フィールドに引き続いて内部でもこの曲が流れています。イベントBGMとしては、ラプソーン(2回目)撃破直後、レティスの背で勝利を喜ぶ主人公たちを称えてくれました。その後、トロデーン城でトロデと合流するまで流れ続けます。 この曲にイントロから入っているハープのアルペジオですが、これを「スクエニ合併に合わせたすぎやま氏のお遊び」と言う、深読みしすぎなファンもいるようです。つまり、「FF」のプレリュードを組み込んでいる、と。それは考えすぎだと思いますよ?遊び好きなすぎやま氏でも、そんな遊びはないでしょう。余談ですが、その「FF」の植松伸夫氏は、「FF」のオーケストラコンサートのMCで「では、今日は未発表曲を。合併記念に、ドラクエVIIIの曲を演ります」と言ったんだそうです。もちろんすぐに「ウソです」とのことで、ノビヨ流のギャグでしたが、会場に招かれていたすぎやま氏は笑っておられたとか。 |
08 | 雄叫びをあげて | ゲーム全編を通しての、通常戦闘(ザコ戦)音楽。ドラムやエレキベースなど、ポップス楽器がふんだんに盛り込まれているせいか、筆者は個人的に「ドラクエII」のバトルの匂いを感じますね。窮地に陥っている感じはなく、あくまでガンガン行こうぜ!という曲調。ひるむな、押してけ!みたいな勇ましい金管と対照的に、ストリングスが緊張感を高めてくれます。すぎやま氏いわく「これは戦闘を楽しもう、というコンセプトの曲」とのことで、見事にそれが表現されていると思います。特筆すべきは、クローズとオープンを繰り返す、やりすぎなまでのハイハットでしょうか。キックやスネア、タムは控えめな分、このハイハットが戦闘のテンポ感に大きく作用しています。 ちなみに初出は、オープニングイベント中に発生するスライムとの強制戦闘になります。 また、戦闘以外ではリーザス村で、ポルクとマルクが戦いを挑んでくるイベントでもチラッと流れますね。また、リーザス像の塔で興奮したゼシカが問答無用で攻撃してくるイベントでも使われています。いずれもさすがに本当の戦闘にはなりませんが。 バトルロード格闘場でのモンスターバトルももちろんこの曲。 |
09 | ひんやりと暗い道 | いわゆるダンジョンのBGです。筆者は凄く懐かしさを感じるんですよね。「I」「III」に通じる、ヒンヤリ系とでも言いましょうか。弦でまとめられた、不安・緊迫感を前面に出している正統派ダンジョン音楽になっています。途中に「ポチャン、ピチャン」という水滴のような音(38秒あたりから)が入れられていますが、「交響組曲ドラゴンクエストI」収録のシンセサイザーバージョンでも、すぎやま氏コレやってたなあ、っていう。そんなところからも懐かしさを感じるんですよ。この曲が使用されているダンジョンは以下。 トラペッタ南・滝の洞窟、マイエラ地方・修道院跡地、パルミド地方・剣士像の洞窟、アスカンタ城地下&モグラのアジト、雪国方面への短い洞窟、薬草園の洞窟、竜骨の迷宮、海賊の洞窟、鏡の迷宮(サザンビーク夜・大臣の家2Fに出現する隠しダンジョン)、竜神の道(クリア後隠しダンジョン・竜神族の里の前) イベントBG的な使い方もありました。アスカンタ城に月影のハープをもらいに行くとパヴァン王はこころよく譲ると言ってくれるのですが、いざ宝物庫に言ってみると壁に大穴が開いており宝箱はカラ!盗賊に盗まれてしまったようだ……という場面がそうです。パヴァン王が愕然とするキッカケで鳴り始めます。もちろん主人公たちはこの大穴の探索に出かけることになるわけで、そのままダンジョンBGとして流れます。 |
10 | 暗い道の奥で | ダンジョンの最深層に到達すると、ダンジョンの曲がこちらに変化します。「ひんやりと暗い道」のテンポを落とし、低音を増強したアレンジ。リズムも加えられ、いかにも何かがありそう。実際、ダンジョンをさまよって下へ下へと降りるうちにこの曲に切り替わると、「?この階には何かあるな?」と思うでしょう。曲そのものがヒントになっているわけですね。こういった演出も非常に「I」っぽい、と思うわけです。すぎやま氏自身も、「『I』の雰囲気を出そうかと思って」と語っています。ただ勘違いしている人がけっこういるのですが、階層を下るたびに(「I」のように)徐々にピッチとテンポが下がるわけではありません。最深層でこの曲に変わるというだけです。 オープンハイハットは右側に定位していますが、クローズのハイハットはあちこちパンニングされており、面白い効果を生み出しています。こういうのもすぎやま氏が考えるのでしょうか。この曲が流れるのは以下のエリア。 滝の洞窟B3F、剣士像の洞窟ボスフロア、薬草園の洞窟B4F、竜骨の迷宮・試練の間、海賊の洞窟B3Fボスフロア、竜神の道・ゴール直前エリア(エルトリオの墓がある階層) |
11 | 静かな村 | 「街」よりも規模の小さい、「村」もしくは人里離れた一軒家などで使われる曲です。人口密度が少なく、建物も少ない。人々はマイペースでのんびり暮らしており、畑を耕していたり。のどかな雰囲気がよく出た、癒し系(って言い方もありきたりですが)の楽曲。構成楽器も少なく、音にスキ間があるため、環境音(鳥、ニワトリなど)が最大限に活かされるのです。「こういうシンプルな曲こそ作るのが難しい」と語るすぎやま氏、この曲が大のお気に入りだそうで、思わずサントラのブックレットにピアノ譜を掲載することにしたのだとか。 この曲を最も早く聴けるのは村ではなく、トラペッタ南・滝の洞窟の上にある小屋(寄っていればですが)。寄っていなければリーザス村になります。以後ドニの町、キラの祖母の家、湖畔の宿屋、ゲルダのアジト、荒野の山小屋、隠者の小屋、メディばあさんの家、レティシアの村、三角谷、竜神族の里で使われています。 そういえば「イッツ・ア・スモールワールド」に似てるという感想もチラホラ目にしましたね。確かに言われてみれば、という感じです。村を街と対比して「小さな世界」ということなのかな。 |
12 | それ行けトーポ | トーポにスポットを当てたイベントで流れる曲です。跳ねるような木管メインでほのぼのとした楽しさ、ユーモラスな雰囲気を感じさせる楽曲。サントラではこの位置ですが、新規にゲームを始めた時にまず聞くのがこの曲になります。プレイヤーがトーポを操作することになるイベントでも例外なく流れます。リーザス村のゼシカの家、サザンビークでの「トカゲでチャゴス王子を驚かせる」イベント、薬草園の洞窟でトーポを操りつららを落とすイベントなどがそれ。薬草園の洞窟でのイベントは人命救助にかかわるシリアスな場面なのですが、トーポを動かす時は問答無用でこの曲です(笑)。 トーポ絡み以外にも流用されており、マイエラ修道院では侵入者の罪を被せられマルチェロの尋問を受ける主人公らのもとに、魔物扱いされ捕らえられたトロデが連れられてくるイベントや、「王家の墓」でミーティアにまたがって無茶をするチャゴス王子とそれを制止するトロデ、これら2つのイベントがそれ。はからずもどちらもトロデ絡みのイベントになっていますが、トロデの風貌にもハマってますね。 竜神族の里では操作する機会こそありませんが、トーポ絡みのイベントがいくつか発生します。しかし残念ながらこの曲が使われることはありません。 |
13 | 讃美歌に癒されて | 教会の中で流れる、チャーチオルガンとボーカリーズによる教会BG。いわゆる賛美歌で、すぎやま氏は祖母がクリスチャンだったため、賛美歌が身体に染み付いているのだそう。コーダなんかもろに「ア〜メン」ですよね。すぎやま氏によると「賛美歌というのはこういう音楽、と完全に身についている。ドラクエの教会で流れる賛美歌はパロディではなく、そういった本物の賛美歌なんです」とのこと。 セーブした時のMEとも統一感を持たせてあり、その繋がりもひとつの曲であるかのように感じてしまいます。つまり、セーブMEもすぎやま氏に染み込んだ賛美歌の記憶をもとに作られたものだと解釈できますね。最新作にして、おなじみのMEのルーツが明かされました。 基本的にあらゆる教会施設で流れますが、マイエラ修道院では到着した直後のBGとして流れ続けます(マルチェロと対面してからは、「修道僧の決意」に変化)。また、旅の途中にある「○○の教会」のような一軒家でも使われています。この曲が流れる場所に来ると「ああ、やっとセーブできる」と、無意識のうちにホッとさせられますよね。 エンディング(後日談)では、チャゴス王子とミーティアの結婚式が行われているサヴェッラ大聖堂内で流れています。結婚式といえばもちろん賛美歌。これ以上の選曲はないでしょう。 |
14 | 静かな村(夜) | 夜の村で流れる「村」のBG。印象は大きくは変わりませんが、昼バージョンではアタマから入っているパーカッションがカットされていたり、木管がメロを司るパートでのトライアングルがなかったり(かわりにベースが加えられてたり)と、手が加えられています。テンポもほんのちょっとだけ落とされています。使用場所については、昼間に「静かな村」が流れるすべての場所と考えて間違いありません。 |
15 | 神秘なる塔 | 今までのシリーズではあまりなかったタイプの「塔」のBGM。神秘的というか(まさに曲名通り)、それに挑むプレイヤーの不安と孤独感を増強する感じですね。凝った仕掛けが満載の「塔」では恐怖感を煽るというよりも、頭をヒネるプレイヤーの心理に訴えかける方が効果的だという判断でしょうか。木管のメロディが仕掛けを前にして立ち止まる主人公(=プレイヤー)の困惑を、ディレイのかかったパーカッションが空間の広さを感じさせます。塔の仕掛けは難解ですが、すぎやま氏はこの曲、難なくすーっとできたとか。 初出はリーザス像の塔で、ここにも「村人がいないと開かない入り口」や回転する壁、といったややこしい仕掛けがありましたね。この曲が使われるダンジョンは以下を参照。思ったほど多くないのにも関わらず印象に残っているのは、きっとそれぞれの場所で長く聴いてしまったからでしょう。 ライドンの塔、神鳥の巣(闇の世界、通常世界共通)、天の祭壇(クリア後隠しダンジョン・竜神族の里の奥) |
16 | この想いを… | イベント用音楽です。聴いての通り、悲哀を感じさせるイベントで頻繁に使われています。包み込むような弦と、流れ落ちる涙を感じさせるハープのアクセント、そして切ないオーボエのメロディ。悲しみの感情に満ちているのですが、辛いだけではない優しさが漂う曲。決して冷たくはなく暖かさも持ち合わせており、楽曲に「救い」があります。 初出はリーザス像の塔で、主人公たちを盗賊と思い込んだゼシカに、ゼシカの兄・サーベルトの魂が語りかけるイベント。突然響いてきた兄の声に困惑し、そして本当のお別れを悟り悲嘆に暮れるゼシカへの、プレイヤーの感情移入をこれでもかと高めてくれました。また、トロデーン城では絶えずBGとして使用されています(エンディングはのぞく)。 ・降りしきる雨の中、ドルマゲスに殺害されたオディロ修道院長の葬儀がとり行われる、マイエラ修道院でのイベント。 ・喪に服したアスカンタ城のBGM(王が立ち直るまで)。 ・リブルアーチにて、チェルスが愛犬レオパルドの餌に毒を盛ったとして根拠もなく憤慨するハワードが、彼を罵倒し「犬の餌を食べろ」と強要するシーン。 ・レオパルドに襲われたチェルスが絶命、それを見て自分の「賢者の末裔を守る」という使命をやっと思い出し後悔するハワード。 ・メディばあさんの亡骸を見て嘆き悲しむグラッド。 ・主人公らに倒され、死なばもろともと死に際に大爆発を起こす妖魔ゲモン。残されたのは爆発によって粉々になったレティスの卵……。それを発見してレティスがショックを受けるシーン。しかしレティスは気丈にも、自分の非礼を主人公たちに詫びるのでした。すると、そこに生まれるはずだったレティスの子供の姿が……。 ・暗黒神の力を得ることに失敗、絶望するマルチェロ。自ら死を選択するが、忌み嫌うククールに助けられます。心細かった幼少時代に出会ったマルチェロへの想いを語るククール。結果として命を救われたマルチェロが、指輪を残してどこへともなく姿を消す一連のイベント。 ・エンディングにて、トロデとミーティアの呪いが解けてもとの姿に戻るシーン。さらに城にかけられたイバラの呪いも解けます。なぜこの悲しい曲が?とも思いますが、長い苦労の果てにやっとすべて元通りになったのだという、これまでの旅を思い起こさせる効果を狙っているとともに、抱き合い涙を流して喜ぶ親子、そして、すべてを知ってるがゆえにそれを心の底から祝福する主人公たちの描写を優先させているためでしょう。 |
17 | 難関を突破せよ | いわゆる中ボス戦闘で使用される楽曲です。通常戦「雄叫びをあげて」と音色的に共通していますが、そのフレーズも組み込まれアレンジされているようです。具体的には21秒あたりから聞こえるストリングスのメロディ。「雄叫びをあげて」では28秒のところで聞けるブラスのフレーズがそれです。これによって音楽面でも「通常戦闘曲の強化版」を無意識のうちに意識させ、より緊迫感を増した曲調は、そんじょそこらのモンスターとは違うボスの強さをいやというほど感じさせてくれるでしょう。「ヤバイ、全滅しちゃうよ……」という焦燥。「雄叫びをあげて」にはなかったティンパニが加えられている点も、まさにボス戦音楽ですね。威圧感を出しているわけです。この曲が充てられている魔物は以下。 ザバン(滝の洞窟)、オセアーノン(ポルトリンク)、なげきの亡霊(修道院跡地)、トラップボックス(剣士像の洞窟)、ドン・モグーラ(モグラのアジト)、アルゴングレート(王家の墓)、呪われしゼシカ(リブルアーチ)、レッドオーガ&ブルファング(竜骨の迷宮)、キャプテン・クロウ(海賊の洞窟)、レティス(闇のレティシア)、妖魔ゲモン(神鳥の巣・闇)、魔犬レオパルド(法皇の館)、マルチェロ(聖地ゴルド) また、バトルロードランクSのモンスターバトルのみ、この曲が流れるようになっております。さすが、特別な戦いなんですね(この補完情報は肌村さんが掲示板にお寄せ下さり、筆者もゲーム中で確認)。ちなみに、Aランクまではすべて通常の「雄叫びをあげて」です。 |
18 | そうだあの時は… | ファゴットが奏でる、ほんわか系イベントBG。初出はポルトリンクから船出した後、船上でヤンガスが「兄貴の弟子になったいきさつ」を語る回想イベントにて。また、荒野の山小屋でキングスライムが井戸にハマってしまっているイベントでも流れてます。曲のおかげで妙にホノボノとさせられるイベントでしたね。ファン人気も非常に高い曲です。音色のせいでしょうか、なぜかヤンガスのイメージが強いのですが、実はヤンガス絡みではそれほど使われていません。使われているのは以下。 ・リブルアーチでの呪われしゼシカ戦後、呪いから解放されたゼシカが宿屋でようやく目を覚ますシーン。呪いに支配されたことで様々なことを理解したゼシカが、その内容を皆に語ります(初めて暗黒神ラプソーンの名が語られるイベントです)。これまで各地で起こっていた謎の殺人がすべて関連性のあるものだったことも明らかにされます ・薬草園の洞窟から戻ったグラッドが、メディばあさんを自分の母だと明かし、母が心配だからいっしょに様子を見に行ってくれないかと主人公たちに頼み込むシーン。 ・竜神族の里にある長老グルーノの家で料理をふるまわれ、満腹状態でくつろぐ主人公たち。話はそこから「なぜグルーノは昔から主人公を知っているような態度なのか?」という謎へ。 |
19 | 修道僧の決意 | パイプオルガンで奏でられる、よりゴージャスな賛美歌。「賛美歌に癒されて」のグレードアップアレンジというか、より高貴な感じ(「賛美歌に癒されて」の41秒からのフレーズが、まさにこの曲のイントロ)。マイエラ修道院に初めて立ち寄った際、マルチェロと対面した時に耳にするでしょう。以後、マイエラ修道院のBGMがそれまでの「賛美歌に癒されて」からこの曲に変化し、流れ続けます。 オディロ院長の部屋に暴漢が侵入したという騒動を聞きつけ、マルチェロがやって来るシーンでもその登場をキッカケに流れたりと、「マルチェロのテーマ」、もしくは「聖堂騎士団のテーマ」といった使われ方もしています。 また、サヴェッラのBGは「大聖堂のある街」ですが、昇降機で行くことのできる「法皇の館」では、外観・内部ともにこの「修道僧の決意」が流れています。聖地ゴルド(崩壊前)でもBGMとして使用されているのがこの曲です。「聖なる場所、そしてそこを守る聖堂騎士団のテーマ」ですね。ここではマルチェロの法皇就任式が執り行われているわけですから、依然として「マルチェロのテーマ」としても成立しています。 「真のエンディング」のみで発生する、主人公が夜中にクラビウス王のもとを訪れ、アルゴンリングを見せるイベントでも流れます(これはイベントの演出というより、法皇の館のBGとしてですけど)。 |
20 | 急げ!ピンチだ | 曲名の通り、危機感を煽るイベントで頻出するイベント音楽。初出はトラペッタで、酒場に男が駆け込んで来て「街の中に怪物が!」というイベントでした。一気に緊迫した雰囲気になるのですが、その怪物とはトロデのことで……。まあ、事情を知らない人々から見れば、トロデも立派な魔物に見えるでしょうし、無理もないですね。この曲が使われたのは以下のイベント。けっこうありますね。 ・マイエラ修道院に再びドルマゲスらしき奴が現れ、あちこちに火が!このままではオディロ院長が危ない!以後、オディロ院長の部屋にたどり着くまで。 ・クランスピネル入手後、再びハワード邸に呪われしゼシカが現れたという緊迫のイベントで、「で…出たぁっ!!杖使い女だーっ!!」のメッセージとともに。 ・メディばあさんの家が多数のダースウルフェンに占拠されているイベント。その後、メディばあさんと合流するまで流れ続けます。 ・竜骨の迷宮試練の間で、レッドオーガ&ブルファングに襲われているフォーグorユッケ。意地を張って助けを拒むフォーグorユッケだったが、反射的に助けに入ったフォーグorユッケもあっけなくノックアウト(主人公がどちらの護衛を請け負ったかでフォーグorユッケは変化しますが、内容は同一)。 ・ニノ大司教の作戦でまんまと煉獄島を脱出する主人公たち。しかし、誰かが残らないとゴンドラが動かせない……。ニノは自ら留まる決意をし、主人公たちを逃がします。 ・聖地ゴルドでのマルチェロ法皇就任式に侵入した主人公たちが発見され、聖堂騎士団の面々に取り囲まれるイベント。追い詰められるものの、神鳥のたましいの力を使い、追っ手を振り払ってマルチェロと対峙するまで。 ・ラプソーン(1回目)を倒した後、暗黒魔城都市が崩壊を始める〜脱出するまで、強制戦闘(暗黒の使い+フレイム、○○像、シャークマジュ)を通して流れ続けます。 ・エンディング(後日談)で、結婚式から逃げ出したトロデとミーティアが兵に囲まれ、主人公たちも兵士に追われるシーン。兵士と木の枝一本で渡り合うトロデ王、実はけっこう強いのでは……。 音楽的には通常戦闘「雄叫びをあげて」で聴くことのできるフレーズを変形させて盛り込んでいるようです。序盤から聞こえるストリングスの駆け上がりなんかはまさしくそれで、原曲ではブラスが勇ましく奏でているものをストリングスに置き換えることで緊迫感を出しています。戦闘にも通して流れるこの曲にうってつけな処置。 |
21 | 忍び寄る影 | ドルマゲスに関係したイベントでたびたび流れるイベント音楽です。弦でまとめられた、いわゆる弦楽合奏。冒頭のアタックは「魔物出現!!(Disc2-29)」と同じモチーフです。初出はルイネロの占いによって、「道化師のような男が南の関所を破っていった」ことが判明するシーン。この「道化師のような男」こそドルマゲスであり、主人公らは当面はこのドルマゲスの行方を追って旅することになります。もちろんこの曲はドルマゲスのテーマ、と言い切って差し支えないでしょう(ゲーム中盤までは、ね)。 マイエラ修道院にて、オディロ院長を亡きものにするため現れたドルマゲスと、主人公たちが初めて対峙するイベントでも使用。これは初めてプレイヤーがドルマゲスの姿をすべて目にする、重要なイベントです。以下、CD収録の形で使われているシーンを一覧で。 ・初めてトロデーン城を訪れた際に挿入される回想シーン(ドルマゲスの持つ杖の力が溢れ出し、城をイバラが包み込む)。 ・闇の遺跡での対ドルマゲス(第一形態)戦。 ・リブルアーチ、ハワード邸の庭で再度主人公たちと対峙する呪われしゼシカ。 ・杖をくわえたレオパルド(ハワードの愛犬)が、チェルスを襲うイベント。 ・レオパルドが法皇の館に突入するシーン。 ・マルチェロを倒したことで結果的にラプソーンを縛る障害がなくなり、いよいよ封印が解き放たれてしまう聖地ゴルドでのイベント。 アタマのアタックを抜いた形でも使われています。その形ではリーザス像の塔での、ゼシカの兄サーベルトによる回想シーンが初出。顔こそ隠されていますが、初めてドルマゲスのビジュアルが示されるイベントでもあります。こちらの「アタックなし」は以下のシーンで。 ・初めてトロデーン城を訪れた際に挿入される回想シーン(トロデ王とミーティアが城内で倒れている兵士を発見、異変に気付く。杖を持ち出そうとしている道化師)。 ・リブルアーチのハワードの屋敷2Fで、ハワード&チェルスと対峙する、杖に操られた呪われしゼシカ。 ・メディばあさんの家が炎上、そこにあらわれる杖をくわえたレオパルドが、グラッドを人質にしてメディばあさんに命を差し出せと迫る場面。 ・魔犬レオパルド戦後、倒れるレオパルド。そして現れたマルチェロが法皇暗殺の濡れ衣を被せてニノ大司教と主人公らを煉獄島へ流刑にせよと命じるシーン。 ・杖を持ったマルチェロが支配されそうになるシーン。 ・ラプソーン(1回目)を倒した直後から、暗黒魔城都市が崩壊し始める直前まで。 ・暗黒魔城都市脱出後、ラプソーンが真の姿となって復活。闇の世界から魔物たちを呼び出すシーン。 ・真のラプソーン戦の序盤、主人公たちが神鳥の杖を使い祈りを捧げ終えるまで。 冒頭で「ドルマゲスのテーマ」と書きましたが、ここまで読んでおわかりの通り、実は「呪われし杖に操られた者のテーマ」であり、もとを正せば結局は「ラプソーンのテーマ」であることが理解できると思います。次々と姿を変えて野望を達成しようとする敵を象徴しているのですね。最近のシリーズでは珍しく、「VIII」では最初から最後まで倒すべき悪が同一なのです。これも旧作を意識した一面かと。最近、なにかとラスボスの存在意義が希薄、と言われがちでしたし。 |
22 | つらい時を乗り越えて | 木管と弦、ハープでまとめられた、あったか系のイベント音楽。主人公が拾ってきた水晶玉を、「砕いてやる!」と詰め寄るルイネロをユリマが制止するイベントで初めて耳にすることになるもの。過去の自分の過ちに罪悪感を抱き続けるルイネロと、義理とは言え父を思うユリマ。互いを案じ合う親子の思いを暖かく包み込んでくれたのがこの曲です。他に使われているシーンは以下を参照。本作最多用イベント音楽です。 ・アスカンタ領、川沿いの教会で夜、幼年時代のククールがマイエラ修道院に預けられ、マルチェロと出会ういきさつを、ククールがトロデに語る回想イベント。 ・初めてトロデーン城を訪れた際に挿入される回想シーン(ベランダで星を見るミーティアと、中に入って休めと言うトロデ王)。 ・ラパンから4つのキラーパンサー像と、その中心で道に迷っている「古い友人」の説明を受けるシーン。 ・主人公がバウムレンと出会い、彼の願いで「深き眠りのこな」をふりまくことで、バウムレンが天に召されるイベント。 ・ふしぎな泉の水を飲んだミーティアが、一瞬だけ人の姿に戻るイベント。 ・宿などに泊まった際、ミーティアが人の姿で語りかけてくる時。 ・チャゴス王子が持ち帰ったアルゴンハートを、「本当に自分で戦って手に入れたものか?」とクラビウス王が詰問するイベント。 ・↑の内容について、クラビウス王が主人公から事情を聞くシーン。 ・リブルアーチでの呪われしゼシカ戦後、挿入されるゼシカの回想(兄・サーベルトとの賢者についての会話)。 ・竜骨の迷宮における対レッドオーガ&ブルファング戦の後、兄弟が和解するシーン。ヤケドを負いながらも二人が協力して、封印された扉を開くまで流れます。 ・主人公らが立ち去った後、フォーグとユッケがふたりで力を合わせてギャリング家を継いでいく決意を新たにするシーン。 ・三角谷にて、酒を楽しむトロデに酒場のマスターが三角谷発祥のいきさつを語るイベント。 ・エンディング(後日談)冒頭、主人公のもとをヤンガスが訪れ、ミーティアの結婚式を護衛する任務、そして主人公がミーティアを部屋から連れてくることを告げるシーン。 ・ミーティアがトロデーンからいよいよ結婚式に向け、馬車でサヴェッラへと出発するシーン。 ・隠しダンジョン「竜神族の里」で、長老グルーノが他の長老たちから、里の異変についてことの経緯を説明されるイベント。 |
23 | 海の記憶(ソプラノ) | 月影のハープを手に入れ、いよいよイシュマウリによって古代船が浮上するというイベントで流れる楽曲です。しかし、イシュマウリの奏でるハープだけではうまくいきません。そこに馬姫・ミーティアの歌声が加わることで、ハープのメロディが真価を発揮します。というわけで、冒頭のハープはイシュマウリが奏でるものですね。ソプラノのボーカリーズはミーティアが歌うイメージ(馬なのに)。ようやく古代船が動き出します。イシュマウリが描き出した水の階段を昇り、いよいよ船に乗り込む主人公たち。そんな幻想的なシーンにピッタリの曲。 曲調がころころと変化しますが、すべてイベントの内容に添っています。最初のひと盛り上がりはいよいよ浮かび上がる船、次に楽しげで軽やかな部分は船に乗り込んだ一同、その後のメインモーチフのリピートは、ついに海に向かって動き出す船、といった具合。この映像と音楽のシンクロについては、すぎやま氏・トーセのサウンドスタッフ・そしてレベルファイブのスタッフが最もこだわり、気を遣ったシーンだとか。 お聞きの通り、以後この曲は船で海上を移動する際のBGM(Disc2-4)として使われるようになります。ただしこのトラック23のような形で流れるのは、後にも先にも古代船浮上のイベントのみです。なお、サントラ発売前に通販サイトで掲載されていた曲リストでは、この曲名が「古代船浮上」になっていたものもあるようです。ゲーム製作中は「古代船」と呼んでいた曲を、サントラ発売にあたって改題したのではないかと思われます。 |
Disc 2 | ||
01 | 城の威容〜王宮のガヴォット | 城で流れるBG。金管主体の勇壮なイントロと、つい踊り出したくなる流れるような弦。いかにも宮廷音楽といった感じのわかりやすい楽曲になっています。このあたりはドラクエの伝統ですね。そのためか、過去のシリーズのどれかで聞いたことがあるかのような懐かしさがあります。個人的には「VIII」の音楽面でのテーマのひとつに「懐古」があると思うんですよ。見た目が大きく変わった最新作だけに、音楽は過去の作品を思わせるような匂いをあえて忍ばせることで、シリーズのファンに訴えかけるという、そんな狙いがあるように思います。 なかなか城が出てこない本作ですが、初めて訪れる城はアスカンタ。しかし、城は喪に服している最中で、流れているのは「この想いを…」。主人公の行動でパヴァン王が生気を取り戻すと、やっと音楽がこの曲になるのです。喪中を示す黒い布が引っ込められ、かわりに華やかな赤い旗がバッと降ろされる。そんなタイミングで鳴らされるため、場面とのシンクロはバッチリでしたね。すぎやま氏いわく「この曲はお城の堂々とした姿とイントロがピタっと合うようにしました」とのことで、この発言はまさしくこのアスカンタのイベントを指しているものと思われます。 ガヴォットとは、氏の言葉を借りれば「17〜18世紀のフランスの踊りの音楽。今で言うダンスミュージックかな」。弦によるメロディ顕著になる33秒あたりからが、明確なガヴォットになるでしょうか。 実は本作には城が少なく、この曲が流れる場所も多くはありません。メダル王女の城、サザンビーク城ぐらいのものです。ストーリー的に城(王家)よりも教会系がフィーチャーされていますし、城のひとつであるトロデーンはあんなことになっちゃってますし。 エンディングでは、イバラの呪いが解けてすべてが元通りに動き出すトロデーン城で使われます。その後の後日談では、部屋にいるミーティアを迎えに行くべく、城の中を探索する間この曲が流れ続けます。また、真のエンディングのみで発生する「皆の祝福を受ける主人公とミーティア」という場面でも流れます。 |
02 | 王宮のガヴォット(夜) | 城のBGの夜バージョン。「III」などと同様にチェンバロによるスローテンポアレンジになっており、こちらもシリーズのファンに「やっぱりコレだよね」と思わせるものになっています。「王宮のガヴォット」が流れる場所で、夜になると耳にするでしょう。しかしそもそも「王宮のガヴォット」の流れる場所自体が少ないので、この曲の出番も残念ながら多くはありません。 |
03 | 詩人の世界 | イシュマウリのいる場所「月の世界」で流れる音楽。すぎやま氏いわく「摩訶不思議な世界」です。氏は意図的にメロディを跳躍させたり、不思議な(オーケストラ楽器でない)音色を絡めることで、ファンタジーを表現したとか。こういうシンセ的な音色についてはすぎやま氏のイメージを伝えたうえで、トーセのサウンドスタッフである高木了彗氏に一任されたとのこと。場所のBGMとイベント音楽を兼ねたような位置付けであり、さらに「イシュマウリのテーマ」としての解釈もできます。 ふしぎな泉のBGとしても流用されています(最初に訪れた時は、謎の老人との出会い)。こちらはイシュマウリや月の世界はまったく関係ありません。 |
04 | 海の記憶 | 船で海上を移動する際のフィールド音楽。流れゆくようなストリングスが、二度と同じ形を見せることのない水面を連想させてくれますよね。地上(Disc1-7「広い世界へ」)と同じく、存分に広さを感じさせてくれる壮大な楽曲となっています。この曲に乗って、あてもなく海をさまようのもいいものです。ハープはまさにイシュマウリのイメージが残ったものですね。 かと思うと、途中で曲調がガラッと変化。Disc1-23にある原曲「海の記憶(ソプラノ)」でのイベントに合わせた展開の名残りでもありますが、プレイヤーを飽きさせない仕掛けにもなっていると思われます。楽曲の展開によって、プレイヤーの心理を多様に変化させる効果があります。それと同時に、その展開に対し、プレイヤーそれぞれにいろいろな風景を思い浮かべてほしいのだとか。また、当然ですが海でも魔物と遭遇しますし、曲を通して聴く機会はなかなかないでしょうから、これぐらいの展開があっても唐突な感じはしません。 この曲も「海の記憶(ソプラノ)」同様、サントラ発売前に通販サイトで掲載されていた曲リストの一部で、曲名が「古代船」になっていました。そのものズバリすぎて変えたんでしょうか? |
05 | 錬金がま | さくせんメニューから「錬金がま」に入った際に流れる楽曲です。すぎやま氏は各所のインタビューで「右手と左手が異なる調を奏でているイメージで、メカニカルな感じを出している」ことを強調されています。メカニカルな感じ……というととかく音色やリズムに依存しがちですが、こういう表現のしかたもあるんですね。 ポルトリンクから出航した定期船の中で、トロデが夜な夜な修理した錬金がまについて説明をするイベントで初めて流れます。以後は本筋そっちのけで錬金にハマったプレイヤーも続出したとか……。とにかく、アイテムや武具は売らずに残しておきましょうね。特に店で買えないものは絶対に売らないように。後で後悔しますよ。 |
06 | 対話 | 活気溢れる街のBGM。各パートがモチーフの追いかけっこをしており、すぎやま氏によれば「あるモチーフが現れると、すかさず他のパートがそれを真似したり、追いかける。そういったモチーフやフレーズのしかけで、曲でも『対話』を表現してみた」とのことです。なるほどなあ、と思わされますよね。初出はユリマから水晶探しを依頼され、一夜明けた後のトラペッタ。これからいよいよ洞窟探索に向かうぞ!広いフィールドが待ってるぞ!という、プレイヤーの胸の高まりを盛り上げてくれました。 「穏やかな街並み」との使い分けは、既に記した通り「街の賑わい度」を基準としているようです。単純な街の大小や遊戯施設(カジノや酒場)の有無はあまり関係なく、たくさんの人が行き交う場所では「対話」、あまり通行人のいない静かな街は「穏やかな街並み」、これが筆者の結論です。間違ってるかもしれませんけど。 この曲が流れる街は以下。 トラペッタ、パルミド、サザンビーク(バザー開催中)、ベルガラック(カジノ再開後) |
07 | 楽しいカジノ | これも「酒場でブギウギ」同様、過去作品からの流用曲です。カジノで流れるもので、「IV」で使われたものです。「IV」をプレイしていない人にはわからないことなんですが、この曲は「IV」の街の曲をアレンジしたものなんですね。それ以来、シリーズでは「カジノの曲は街のアレンジ」という伝統が定着したのですが、本作ではそれを「IV」からの流用曲を使うことで、伝統を崩したことになります。ゆえに「VIII」の街をアレンジしたカジノを期待していたファンは「裏切られた」と嘆きます。 筆者自身も「ブギウギ」はともかく、こちらの流用にはちょっと否定的だったりしますが、やっぱりカジノにはバッチリ馴染んじゃってるんですよね。今後のシリーズで、おなじみの定番曲として定着するのでしょうか。そうなると他のシリーズのカジノ曲の立場は? 「VIII」の世界にカジノは2つ。パルミドにある小規模なものと、ベルガラックにある本命の大カジノ、そのどちらもこの曲が流れます。カジノ以外では、ラパンハウスでラパンに会うため、カラッチの出題するテストに答えるイベントで使用されてます。んなーっ! |
08 | 闇の遺跡 | ドルマゲスの居城である、「闇の遺跡」外観&内部のBG。うすら寒いストリングスの旋律が包み込むなか、唸るようなバスが奥底に潜む者の威圧感を感じさせます。 ドルマゲス戦後に消えたゼシカを追って、リブルアーチに初めて訪れた際にも流れてます。ん?普通の町なのになんでこの曲?と思ってると、なにやら誰かが暴れているらしい。不穏な気配を感じながらハワードの屋敷に行ってみると……!この曲がここで再度流れることによって、いまだ残る「呪い」の気配と、ドルマゲス戦後に杖を持ったゼシカが見せた不可解な「間」を説明しているようにも思えます。 さらに後になると、「異世界(闇のレティシア)」のフィールドBGMとして再利用されるようになります。景色はモノクロ、現れる魔物も真っ黒という、非常に不気味な世界によくマッチしています。他のゲームならば新規に曲を作りそうなところを、あえて「闇の遺跡」の曲を充てることで、楽曲自体に「闇のテーマ」といった意味合いが生まれていると言えます。 |
09 | 大平原のマーチ | 「広い世界へ」のアレンジで、キラーパンサーに乗っている際に流れるものです。初出はラパンの頼みを遂行するため、カラッチが用意したキラーパンサーに主人公が跨るイベントでした。バウムレンのすずを手に入れた後は、キラーパンサーを呼び出すたびにフィールドBGがこの曲に変化します。マーチングスネアを従え、大幅にテンポを上げた「広い世界へ」の新しい一面は、世界を歩き潰すほどに曲を聴き込んだプレイヤーにも新鮮な感動を与えます。ゆえにファン人気も高いですね。 イベントBGとしては、ドルマゲスを倒した直後に、喜びをあらわにする主人公(=プレイヤー)たちを称えるかのようにさわやかに挿入されます。ヤンガスは「思えば長い旅路だったでがすなあ」と、旅を締め括ろうとしてますし、トロデも手を振りつつ満面の笑みで駆けつけて……あれ?なんでトロデやミーティアの姿は戻らないの?ドルマゲスを倒せば呪いは解けるんじゃなかったの?ってことで、旅はまだまだ続きます。 なお、キラーパンサーを呼べない場所(レティシアなど)でバウムレンの鈴を使うとどうなるか……。キラーパンサーが登場し、その場に立ち止まる(主人公たちのいる場所がわからないという)描写は挿入されますが、この曲は流れません。 |
10 | 大聖堂のある街 | 一連の教会シリーズに位置する楽曲ですが、賛美歌のイメージではなく、どちらかと言うと「城」のイメージ。教会そのものや聖堂騎士団を彩るというよりも、大聖堂という建物そのものを表現したものという印象を受けます。派手に鳴り響く金管のイントロと、荘厳な曲調にファンの多い楽曲です。 初出は大聖堂がらみではなく、モリーが炎をバックにバトルロード格闘場について説明をするシーン。そして主人公は自分のモンスターチームを持つことになります。続いて使われるのは、海賊の洞窟でゲルダの乗った船が勇ましく現れるシーン。 タイトル通りの使用は、後にやっとたどり着く、まさに大聖堂のある街サヴェッラ。ここでのBGとしてですね。また。聖地ゴルドではやはり大聖堂の中での、マルチェロの新法皇就任演説のバックに流されています。 もちろんエンディング(後日談)で登場する、結婚式の場としてのサヴェッラ大聖堂でも使われており、大団円ではエンディングの曲と組曲になっていることも人気の要因でしょう。印象が強いんですね。使われている回数はそれほど多くないんですが。 |
11 | 終末へ向かう | ラストダンジョン「暗黒魔城都市」の内部で流れる曲。なにしろ広いわ、マップは入り組んでいるわでかなり長時間聴くことになるかもしれません。トーンとしては「闇の遺跡」の延長線上にある姉妹曲のような感じ。ドロドロドロ〜、というストリングスのトレモロですが、よく聴くと音色が微妙に変化を繰り返してます。エフェクトのON・OFFで表現しているのでしょうか?ただの弦のトレモロとは違う、独特の恐怖感を醸し出しています。 そんな中で、フレーズというよりはアクセントのように各所で鳴らされる金管・木管群がプレイヤーの心拍数を高めます。それぞれの楽器が音場に散りばめられるように配置され、あちこちから音が鳴るよう仕組まれており、そこかしこに何かが潜んでいるかのような緊迫感に溢れています。 |
12 | ドルマゲス | いわゆる大ボス戦の曲で、当初こそタイトル通りにドルマゲス(第二形態)戦で使われるものですが、後にラプソーン戦(暗黒魔城都市での1回目)でも使われます。もちろん「忍び寄る影(Disc1-21)」のモチーフが組み込まれています。ああ、このモチーフがドルマゲスのテーマなんだな、と納得できますが、実はこれ、ゲームを進めると「ラプソーン(に操られし者)」のテーマだということがわかるんです。また、暗黒魔城都市から脱出する際、最後に戦うことになる暗黒の魔人との戦闘でも使われています。 むやみにパートを増やさず、必要最低限の楽器だけで威圧感を表現。スキ間を残していることで、効果音が埋もれることなく、すべての音が非常に整理された状態でプレイヤーの耳に届くよう考慮されているような気がします(このあたり、「FF」とは対照的)。こういった組み立てには、ファミコン・スーファミ時代から培われた「限られた音での最大限の効果を目指す」曲作りが活きているのかもしれませんね。余談ですが、ちょっと「I」の竜王を思わせるタイプの楽曲です。 また、隠しダンジョンで行われる、竜神王および竜の試練での巨竜との戦闘にも流用されています。こちらはドルマゲスもラプソーンも関係なく、単なる流用です。が、ここでこそイントロのドラが意味を持ってきますね。ドラクエ「I」の時のすぎやま氏の発言「ドラがゴ〜ンで、ドラゴン」を、我々は忘れませんよ! |
13 | おおぞらをとぶ | 大いなるネタバレ曲(笑)。サントラ発売前に通販サイトに掲載された曲目リストにこのタイトルが載ってしまい、ゲームがそこまで進んでいないユーザーを戸惑わせることになりました。「え?え?もしかしてアレが出てくるの?」というやつですな。後にスクエニから要請があったのかどうかはわかりませんが、この曲名だけ削除されるという事態も発生しました。 ここはネタバレサイトですから言及してしまいますが、ゲーム終盤、レティス(正確にはその子供)によって飛行手段を得る主人公たち。つまりは空を飛んで移動している際に流れる曲です。で、このレティスは、「III」のラーミアであるわけです。それで、この曲だと。シリーズのファンに大人気の、まさにあの曲です。そうなると当然議論されるのは、「III」と「VIII」との関連性ですが、本作にはロトも出てこなければアレフガルドもありません。ラーミアは異世界からやって来たんだそうで、時空(作品)を超越した存在のようです。あまりに唐突すぎて「なぜラーミアなの?」という気はしますし、ネタ切れ?安易な流用?とファンたちの邪推も尽きません。しかし、どんな理由であれラーミアが出るからにはこの曲は欠かせないわけで。むしろ他の曲が流れていたら、ファンから大ブーイングが起こったことは容易に想像できます。 ラーミアの登場に納得できない人は、音楽(すぎやま氏)およびその流用を責めるのではなく、シナリオに文句を言うべきではないでしょうか?もちろん「III」を知らない人は逆に「新規ファンは無視?」という気もするでしょうが、知らなくても問題ないように作られているのはゲームをプレイした人ならわかるでしょう。知ってる人ならよりオイシイ、ファンサービスのようなものと好意的に受け取りましょう。それで「VIII」を遊んだ人が「III」をやってみようかなと思ってくれれば、嬉しいですね。 「VIII」で使われているのは「III」の交響組曲盤に収録されているオーケストラバージョンをおおいに意識した演奏。せつない木管メロに、流れるようなハープ、オーケストラ全体での圧倒的な盛り上がりなど、納得の再現度です。空を飛んでいる間は敵とエンカウントしませんから、曲に浸り時間を忘れてただただ飛び続けるのもアリですね。そうしているうちに、まだ行ったことのない島を発見することもあるかも。地図に載っていない島もありますからねえ。 |
14 | おおぞらに戦う | こちらも、サントラの収録曲発表時に物議を醸した曲。「おおぞらをとぶ」をアレンジした戦闘曲?空を飛びながら戦うの?その推測はどちらもアタリですが、「ラーミアと戦うの?」という予想はハズレです。ラーミアはあくまで味方なのでご安心を(一回は戦いますが)。 で、この曲はラスボス・ラプソーン(2回目、真の姿を現したラプソーン)との戦闘(結界消滅後)で流れるものです。ワンアンドオンリー、流用は一切ありません。前述の通り、基本的な骨組みは「おおぞらをとぶ」を元に構築されており、そのメロディは容易に感じることができるでしょう。まさかこんな形でのアレンジがなされるとは思わなかった……。シリーズのファンが最も度肝を抜かれたのがこの曲だと言えるでしょう。そこに、ゲーム序盤から使われてきた「ラプソーンのモチーフ(CD的にはドルマゲスのモチーフ、「忍び寄る影(Disc1-21)」)」やその派生「ドルマゲス(Disc2-12)」が加えられています(特に1分30秒あたりに顕著)。 しかし空を飛びながらのバトルとは、これも戦闘に主人公たちの姿が描かれるようになった本作ならではの演出ですよね。主人公たちを背に乗せてラプソーンの周りを旋回するレティス(ラーミア)。ラプソーンが何をしようとビクともしないレティス。主人公たちが特技を放つ時に背中に武器を突き刺そうと、顔色ひとつ変えないレティス。アンタは強い!アンタが最強!できれば攻撃にも加わって下さいよ。 空を飛びながらレティスの背で戦う、ということからすぎやま氏はすぐに「おおぞらをとぶ」を使うことを思い付いたのでしょう。そしてそこにラスボスのモチーフを絡めてアレンジ。結果としてこの曲、演出サイドからは一発でOKが出たのだとか。 |
15 | この想いをハープにのせて | Disc1-16「この想いを…」のアレンジ。イントロのハープと、全編に加えられたボーカリーズが特徴です。アスカンタ城で、妃を失って悲しみに暮れるパヴァン王の前で、イシュマウリ奏でるハープに導かれ、亡き王妃・シセル(死せる?!)の面影が蘇るイベントで使用されたバージョンです。つまり、イントロからのハープはイシュマウリのものと言えます。 イシュマウリとは関係ないですが、他にもこちらのバージョンが使われているイベントがあります。リーザスの塔にて、リーザスの像を創り上げたリーザス・クランバートルの記憶が、「賢者の血」について語るシーンがそうです。なぜ、特定の人間が「杖を持つ者」に命を狙われるのか、「杖を持つ者」と賢者の末裔の因縁が初めて語られる重要なイベントです。そして、ゼシカもまたこの賢者の血を受け継ぐ者だということがわかります。しかし、皮肉なことにゼシカは杖に操られている真っ最中……。 エンディング(後日談)では、主人公がミーティアを連れて逃げるシーンから、聖堂騎士団をデクの棒の集まりと罵るチャゴス、そして「ならば自分で取り戻せ」と彼を責めるクラビウス王といったシーンで流れます。 クリア後に訪れることのできる竜神族の里では、竜神王を倒した後、グルーノから主人公の両親のこと、そして主人公自身の出生の秘密が語られるイベントで使用されています。 さて、すぎやま氏はサントラのライナーで「重要な女性キャラクターが登場したときに使われている曲」と語っておられますが、それはシセルなのか、それともリーザスなのか?どっちも故人だしなあ。 |
16 | 大聖堂のある街〜空と海と大地 | エンディング。主人公がミーティアを連れ出した後、大聖堂を背にして手を取り合って走るふたり、それを馬車で待つトロデ、馬車に乗り込むふたり、それを見送る仲間たち、といったあたりまでが「大聖堂のある街」、カメラが空へパンナップしてスタッフクレジットが始まると「空と海と大地」です。そのタイトルから「ラーミア〜海の記憶〜広い世界へ」のメドレーアレンジかな、などと予想していましたが、ぜんぜん違いましたね。まだまだ読みが浅いってことで。 個人的にこの曲のコーダに納得がいってません。なんか曲の終わり方が重くないですか?「暗い」と言ってもいいです。なにか暗示的なんですよ。この感じ方は人それぞれですけど、筆者はそう感じるんです。確かに通常のエンディングでは人のものを奪って逃げてしまったわけですから、この後いろいろな問題が残されているのかもしれません。それでもトロデーン視点ではハッピーエンドですし、「真のエンディング」については皆の祝福を受けたうえでの文句のないハッピーエンド。もっと明るく、さわやかに、気持ちよく終わっても良かったんじゃないでしょうか?ゲーム全体が非常に良くできたものでしたし、とても楽しませてももらったのですが、この曲のコーダだけが自分の中で納得できないおかげで、一点の曇りがあるまま終わってしまったというか……。わりとユーザーにはエンディングの評判はいいみたいですが……。 この曲だけはPS2の内蔵音源によるリアルタイム演奏ではなく、シンセサイザーによる完パケミックスを流しているようです。せっかくのエンディングですし、他の楽曲との差別化を図るという意味でこのような形になったのでしょう。厚みのある、聴き応えのある演奏ではあるのですが、同じ音色を複数のパートで使い回しているためか、特に弦楽器では波形レベルでのフランジングがはっきりと聞き取れます。これは一見異なる音色でも元となる素材が同じ場合によく起こる現象で、特にプリセットシンセでは素材が同じ音色に異なる名前が付いていることが多く、DTM屋さんが陥り易いワナなんです。 いろいろ書きましたが実はこの曲、かつてすぎやま氏があるテレビ番組のために書き下ろした楽曲が元ネタとなっており、ある意味では「ドラクエ」のための純粋なオリジナル曲ではありません。「VI」からおなじみとなってきた、言ってみれば「使い回し」の手法には賛否両論ありますが、逆に「IX」は何を使いまわすのかな?という歪んだ楽しみ方もあるわけです(ないない)。 |
17 | レベルアップ | ここからはME集になります。シリーズでおなじみのあれやこれや、懐かしさと「VIII」ならではのクオリティを感じつつ聞き惚れて下さい。もちろんすべて、すぎやま氏が作曲されたもの。まずはレベルアップした際に鳴らされる、嬉しい音です。 |
18 | 宿屋 | こちらもおなじみ、宿屋で休憩/宿泊した際のME。宿屋以外でも、休息を採る時に例外なく聴くことができます。「そして夜が明けた」という演出に使われることもあります。 |
19 | 戦闘勝利 | MEかSEかという判別は微妙ですが、すぎやま氏の手によるものですからMEということで。戦闘に勝利した際のものです。 |
20 | 仲間 | 仲間が加わった時の伝統的ME。「II」から使われているものです。本作では決まった4人の仲間のうち途中で加わるのはゼシカとククールだけですから、ゲーム中で聴けるのは2回だけです。ポルクといったNPCキャラクターが仲間になるという場面もありますが、その際に使われているのは「アイテム発見」の方でした。 |
21 | アイテム発見 | 重要アイテムを入手した際に鳴るMEです。初出は滝の洞窟で水晶玉を手に入れた時。また、アイテム発見だけでなく、「なんと階段があらわれた!」というメッセージでも使われることがあります(修道院跡地など)。さらに、バトルロード格闘場で初めてモンスターチームのオーナーになった時にも使われています。 |
22 | 全滅 | 「I」以来、久々に登場した全滅時のME。思わず懐かしいと感じてしまうことでしょう。こういう音が入ったのも、オールドファンである日野氏が開発に加わったがゆえ?バトルロード格闘場でプレイヤーチームが全滅してしまった時にも流れます。 |
23 | ファンファーレ小 | ミニゲームほかで用いられる、ドラクエのファンファーレME。初登場はファミコン版の「IV」でした(「中」「大」ともに)。以後のシリーズでカジノなどを中心に使われているのは皆さんご存知かと思います。この「ファンファーレ小」は、ファンファーレと呼ぶにはちょっと地味なもの。当然ながら、ちょっとした嬉しさを表現するのに使われています。たとえばモンスターバトルロードでは、ランクG〜C優勝時に使われています。まあ、Cランクで優勝するのもそこそこ努力が必要なのですけど。 カジノでは各ゲームでの当たり額の大きさに応じて、小・中・大が使い分けられています。ちょこっとのアタリなら小、そこそこなら中、もの凄い大当たりなら大という具合。当たり額の大きさは単純な「獲得コインの枚数」ではなく、元手との比率によって変化するようです。例えば、同じ500枚のアタリでも、元手が少なければファンファーレは「中」になり、元手をそれなりに投入している場合は「小」になります。つまり、「どれだけ低予算で得したか」が基準になっています。 |
24 | ファンファーレ中 | バトルロードランクB〜A優勝時に鳴らされるもの。やっとファンファーレっぽくなりました。もちろんカジノでも耳にします(「ファンファーレ小」の解説を参照)。 |
25 | ファンファーレ大 | どハデなファンファーレは、苦労の末にバトルロードランクSで優勝した時に奏でられるもの。サイズもかなり長いです。カジノでも使われていますが、ちょっとやそっとのアタリでは聴くことができないでしょう。 討伐モンスターリストがコンプリートした時にも使われています(すべての魔物を記録した状態で初めてリストを開いた時に鳴る)。以上の使用例でわかる通り、このファンファーレを聴くことができるのは、ゲームをとことんやり込むほどの努力をした者だけだということです。 イベントでは、竜骨の迷宮からベルガラックに戻って来たフォーグとユッケが、ふたりで試練を乗り越え「家長のあかし」を刻んできたと語り、その掌を町人たちに見せるシーンで、二人を讃えるように鳴り響きます。同時に兄妹は「明日からカジノを再開する」とも宣言するイベントです。 |
26 | 教会 | 教会で仲間を生き返らせたり、毒の治療をしてもらった際に流れるMEです。「II」から登場したメロディ。 |
27 | セーブ | セーブした際のオルガンME。「賛美歌に癒されて」との一体感はバッチリで、タイミングによってはまるで繋がったひとつの曲のように聞こえることも。 |
28 | 呪い | おなじみの「呪い」です。こればっかりはどんなに音源が良くなろうとも、ファミコン音源の怖さにはかないません。いっそファミコンのやつをサンプリングして使ったら?と思ってしまいます。 |
29 | 魔物出現!! | ショッキングブリッジ。Disc1-21「忍び寄る影」のイントロと同じモチーフを、単独で抜き出したものです。初出は意外に早く、オープニングイベント中に突然スライムが襲ってくる強制戦闘。その後は剣士像の洞窟でのトラップボックスの出現に使われています。 |
30 | ハープME1 | イシュマウリがハープを奏でた際のME。2度目にイシュマウリのもとを訪れ、古代船について相談をもちかける主人公たち。イシュマウリは「たやすいこと。こんなふうに……」とハープを奏でます。その時このメロディが鳴るのですが、弦が切れてしまい未完に終わります。次にちゃんとした形でこのMEを聞けるのは、月影のハープを入手し、古代船を浮上させるイベントにて。 |
31 | ハープME2 | イシュマウリがハープを引っかいた際の単音ME。初めて月の世界を訪れた時など、イシュマウリがハープを1回ポロン、と弾く動作とともに鳴らされるものです。イシュマウリが登場するイベントで、何度も耳にするでしょう。 |
32 | ワシの歌を聴け | ドン・モグーラの「ワシの歌を聞きたいモグか?」という問いに「はい」と答えると流れるME。主人公は耳をふさいで明らかに苦悶の表情。モグラの子分たちも迷惑顔(このためにわざわざ困り顔のテクスチャまで用意されている!)。もとは「呪い」ですね。 |
33 | リサイタル | モグラのアジトで、ドン・モグーラが子分たちに無理矢理ヘタクソな歌を聞かせているイベントにて使われているME。昔からよく聴くコミカルメロディなのですが、これ原曲なんだっけ? |
34 | リンリン特技1 | ハンドベルの形をした、リンリンという名のモンスターによる特殊攻撃の際に鳴るME。ほとんど効果音扱いなのですが、「ドラクエにおいて、音程のあるものはすべて僕が作る」というポリシーを貫くすぎやま氏、もちろんこれらも氏の手によるものです。これはレベルアップのMEを元ネタにしたもの。 |
35 | リンリン特技2 | 同じくリンリンの特殊攻撃。元ネタは「宿屋」です。 |
36 | リンリン特技3 | 呪いですね。 |
37 | リンリン特技4 | これがいちばんわかりにくいかもしれません。後半が省略されていますが、「仲間」のアレンジです。イントロだけでわかるようでなければ、まだまだドラクエファンとしてはアマい! |
38 | リンリン特技5 | もとは「全滅」です。 |
39 | やまびこの笛1 | え?ラーミアだけじゃなく「やまびこの笛」まで?ということは、これを使ってアレを探すワケ?そうです!しっかりありますよ、オーブ探し。このトラックはオーブのある場所でやまびこの笛を吹いた際の、反響ありバージョンです。さて、次のオーブはどこかな? |
40 | やまびこの笛2 | うーん、残念!というわけで、こちらはオーブがありそうもない場所で吹いた時の、反響なしバージョン。 |