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スーパーファミコン版 すぎやまこういち 交響組曲「ドラゴンクエストI」
ジャケット画像  スーパーファミコンのクオリティでリメイクされた、歴史的名作「ドラゴンクエストI」のために作られた楽曲を、オーケストラ録音とゲームオリジナル音源で漏らさず収録した一枚。ファミコン版の組曲では東京弦楽合奏団によったオーケストラバージョンを、今回はロンドンフィルハーモニック管弦楽団が新たに演奏している。ファンの間では、今もなおどちらの演奏が良いか、議論は尽きることがない。こ難しい話は抜きにして、単純に音楽を楽しむもよし、解釈の違いを分析するまで聴き込むもよし。自分のスタイルで耳を傾けよう。

SME
SRCL-2733
1994年 
JASRAC表記:
あり

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ゲーム紹介

 いつの世も、すべてのものは時間とともに過去のものになっていく。一世を風靡した家庭用ゲーム機・ファミリーコンピュータも、例外ではなかった。次々と発売される他社の「次世代ハード」の前にはスペック的に太刀打ちできるはずもなく、また、ゲームを製作するクリエイターも、ファミコンのスペックに対するストレスを抱えるようになっていた。大容量メモリーを搭載したうえでのバンク切り替えや、ソフトそのものへの機能拡張基盤の追加など、表現したい内容に合わせた「裏技」も駆使され尽くした。誰もがそろそろファミコンの限界を悟っていたのである。が、ファミコンにはこのまま過去のものとするにはあまりに惜しい、他機種を圧倒する豊富なソフト資産があった。

 そのソフト資産をフルに活用すべく、任天堂が打ち出した新ハード、それが「スーパーファミコン」であった。追従するように各ソフトメーカーは、ファミコンで育った人気シリーズをスーパーファミコンへと移行していく。結果として、他社の新ハードを蹴散らして、スーパーファミコンはきわめて早期にひとり勝ち体制を築いていった。ゲームとは、ハードではなくあくまでソフト……今日まで語り継がれる真理は、当時すでに証明されていたと言っても過言ではない(それを現在において具現化しているのがプレイステーションであろう)。

 「ドラクエ」もまた、例外ではない。「ドラクエ」がスーファミに移ることは、誰も疑っていなかった。「最も普及しているハードで出す」、それは当時から現在まで一貫している、エニックスの姿勢である。そこでまず「ドラクエ」は、1992年に最新作「V」をスーパーファミコンで発売。ファミコンから大きく進化したその中身はユーザーを驚かせるにじゅうぶんだったが、たたみかけるように1993年には第一作と「II」をカップリングしたリメイクをリリース。「スーファミはこんなにスゴいんだぞ」とユーザーにアピールするには、比較対象のある過去の作品のリメイクはうってつけだったのである。ゲーム自体のシステムや味わいは不変のまま、グラフィックやサウンドを強化した「ドラクエ」は、驚愕と賞賛をもってユーザーに迎えられた。キャラクターイラストも、当時の鳥山明氏のタッチによって新たに描き起こされた。

 ファミコン時代から継続したスタッフと同様に、サウンドもファミコンから引き続き、すぎやまこういち氏が担当。音色のサンプリング音源化やメモリーの増加は、ゲーム中の音楽をより交響組曲の形に近付けることを可能にし、楽器音がリアルなものになったばかりか、ファミコン時代にはオーケストラバージョンにしかなかったフレーズが、ゲーム中の音楽にも組み込まれることになった。これはオーケストラ盤を聴き込んできた「ドラクエ音楽ファン」にとって、なにより嬉しい進化であろう。もちろん、トラック数も8トラックに増大。ファミコン時代の倍以上に増えたアンサンブルは、音楽単体の作品として立派に成立するクオリティである。

 このCDでは、ファミコン版のサントラでは東京弦楽合奏団によったオーケストラバージョンを、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団が新たに演奏したものを収録。即ち、「ドラクエI」音楽では初めてのフルオーケストラ演奏による「交響組曲化」でもある。あわせて飛躍的に質の上がったオリジナル・ゲームサウンドトラックを漏らさず収めており、ファミコン時代から聴き続けてきたファンにはぜひオススメしたい一枚だ。なお、本作のレビューの一部内容について、ファミコン版のレビューと重複がある点をご理解いただきたい。音質や楽団が変わったとは言え、曲の背景や性質は不変であるからに他ならないが、どちらか一方のみを読む閲覧者への配慮もあり、あえて重複した内容を残したままにしている。

01 序曲
OVERTURE MARCH
言わずと知れた「ドラクエ」シリーズのメイン・テーマ。この曲は作品によって「序曲のマーチ」「ロトのテーマ」などいろいろな呼ばれ方をしますが、「I」においてはあくまで「序曲」。それもそのはず、「I」を初めてプレイしたあの頃、僕らにはロトのロの字も知らされていなかったわけですから。以後、「ロト」という合言葉が浸透していくなかで、「ロトのテーマ」と呼ばれるようになっていったわけです。スーパーファミコン版「I」では、あえて第1作における「序曲」という題名に戻されているわけです。

実はこの「序曲」はシリーズを経ていく中で徐々にアレンジが変わっていきます。特に「IV」からは冒頭のファンファーレ部分がガラッと変わりますが、スーパーファミコンの「I」はファミコン版「I」そのままのイントロを採用、ホルンが勇壮に鳴り響きます。特にオールドファンの中では、後期のイントロよりもこの初期のイントロを推す人も少なくありません。ファミコン音源でもすっかりホルンのイメージが定着していたこのイントロですが、スーパーファミコンではサンプリングされた楽器音により、まごうことなきホルンとなりました。

アレンジ的には「V」から追加された、メインメロディの後ろで弾むように鳴る木管(フルート、ピッコロ)が加えられています。また、最後に主題をリピートするオーラスの部分では、「II」「IV」でおなじみの3連ベースに変貌します。「序曲」の歴史が詰め込まれているような感じがして面白いですね。マーチングスネアのノリも変わっており、東弦では基本的に「タッタター、タッタター、タッタター、タカタカタッタ」とシンプルだったものが、ロンフィルでは小節ごとに細かく変動するスタイルになっています。

ここからトラック8までは、すぎやまこういち氏がみずから指揮した、ロンドンフィル演奏によるオーケストラバージョンが続きます。ファミコン版「組曲ドラゴンクエスト」における東京弦楽合奏団の演奏と聴き比べるのも楽しみのひとつではないでしょうか。東京弦楽合奏団の演奏が日本的・家庭用ゲーム的な「暖かい空気」を感じさせるものだったのに対し、ロンドンフィルのものはより広がり感があり、海外的スケールを感じさせるものになっています。より「サントラ的」になったというか。あくまで個人的に感じた印象ですが、どちらが良いというものではないことを付け加えておきます。それぞれに味があり、その違いもまた楽しいのです。

違いを具体的に分析するなら、まずは単純に楽団員の人数が増えていることが挙げられます。東京弦楽合奏団の演奏では、弦楽が専門のこともあってヴァイオリンは充実していますが、コントラバスに至っては一人だけ。金管も小編成で、まして木管はありませんでした。その点、ロンドンフィルは世界レベルのオーケストラですから、ここは比較するべくもありません。結果としてアンサンブルがより豪華になっていることは、聴き比べていただければわかるはずです。さらに録音された環境も異なりますから、その音響特性によって聞こえ方も当然変化します。FC版はホールでしたが、ロンドンフィル版はスタジオ録音です。

ただ前述のように良し悪しはなく、豪華だから良いものではないということもご理解下さい。ファミコン音源のオーケストラ化にあたっては、かつての編成が最適だったということもあり得るわけです。スーパーファミコンになってゲーム音源もグレードアップしたことで、オーケストラもより大編成なものが適していた、というだけのことなのかもしれません。もちろん、そんなこ難しいことなど考えず、純粋に音楽を楽しむのも正しい姿勢です。

曲そのものを聴くと、東京弦楽合奏団の演奏よりも若干テンポがゆっくりになっています。コーダあたりで5〜6秒の差が出てますね。
02 ラダトーム城
CHATEAU LADUTORM
カルテット(弦楽四重奏)による、「城」のテーマ。ロンドンフィルとなって編成が増えていることで、よりバロック色が強調されたように聞こえます。ただし楽曲の根本は変わらず、あくまで原曲の持つ雰囲気を重視しています。クラシック音楽にあまり縁のないゲーム・キッズたちに、その素晴らしさを伝えていきたい……そんなすぎやま氏の想いは、ファミコンの頃と何ら変わってはいないのでしょう。シンプル・イズ・ベスト。

「ドラクエI」の音楽は後のRPGにおける、ゲーム音楽の基礎となったことも忘れてはいけません。「城」「街」「洞窟」などの統一されたテーマは、当時のROMの容量の限界からくる制約であったかもしれませんが、逆にプレイヤーに残す印象は強烈なものだったはずです。後に続いた多くのRPGが、こぞってオーケストラを意識した楽曲を採用したことも、ドラクエの影響によるものだと断言していいでしょう。スーパーファミコンとなってそのあたりの制約は多少緩くなったはずですが、むやみに曲数を増やすことをせず、あくまで質のグレードアップにのみ徹していることは、オールドファンには嬉しいことではないでしょうか。曲が増えるということは、「あれ、なにこの曲?」「なんかドラクエ、変わっちゃったな」という印象を、ユーザーに与えることにもなりかねないからです。
03 街の人々
PEOPLE
こちらも、弦を中心とした「街」のテーマです。流れるようなアンサンブルは、じゅうぶんに気品を感じさせながらも、跳ねるようなリズムは軽快で楽しげ。オーケストラは荘厳なだけじゃないんだぞとばかりに、幅広い表現力を実感させるにはうってつけの楽曲です。今回のロンドンフィルの演奏は、全体に控え目というか、ピチカートひとつとってもおとなしめ。感情を込めず、ていねいにスコアをなぞるという方針で演奏されているように感じます。もちろん、すぎやま氏とロンドンフィルの仕事もこれがほぼ最初だったわけで、お互いに遠慮しているところもあったのでしょう。後に、演奏にだんだんと感情が込められていくようになります(と、個人的には思ってます)。

元来、古典のクラシック音楽では、独自の解釈による改変はタブーとされてきました。指揮者・演奏者ともに、いかにスコアに記された作曲者の意図を忠実に再現するか、というところに力が注がれていたわけです。録音技術だって、それをいかに原音に忠実に記録・再生するかという目的のもと発展してきたのですから、オリジナルというものはかように尊重されるべきなのかもしれません。

ただし、編曲において改変がなされることは往々にしてあります。ここでも、間奏(2'08"〜)のピチカートソロには東京弦楽合奏団の演奏時にはなかった鉄琴が加えられていますし、リピート(2'42"〜)では、こちらも東京弦楽合奏団版にはなかった木管(オーボエ)がメロを受け持っています。なお、スーパーファミコン版では、ここでの間奏にあたるピチカートを抽出し、名前入力画面に当てはめています。
04 広野を行く
UNKNOWN WORLD
これこそ、ファミコンRPGフィールドBGMの元祖。街を出て、ひとり広野を行く時の不安と寂しさを何倍にも増幅させてくれます。パーティという概念がまだなかった、一人旅スタイルの「ドラクエI」ならではの曲と言えるでしょう。ファミコンでの「II」「III」を経て、「ドラクエ」の代表曲になったと言ってもいいかもしれません。

ロンドンフィルの演奏では、東京弦楽合奏団が弦楽器で演奏していた部分の多くが、管楽器に変更されています。冒頭からオーボエが出てくるので、印象はだいぶ変わったのではないでしょうか。より寂寥感が増したとも言えるでしょう。その後もメインのメロディを木管と弦など複数の楽器が交代に受け持ち、バリエーションが広がりました。
05 戦闘
FIGHT
ひとり寂しく広野を進んでいると、突如として出現するモンスター。ドラクエシリーズの大きな特徴である、漫画家・鳥山明氏によるどこか愛嬌のあるモンスターたちも、この曲を伴うことによって何倍にも手強く、脅威的に感じさせられます。「ドラクエI」のバトルは例外なく主人公VS魔物の一騎打ちですから、他に頼るものがない、攻撃も回復も一人で行わなければならない緊張感は昨今のRPGでは味わえないものです。

ロンドンフィル版の演奏は管楽器の充実により、さらに威圧感の増した迫力ある演奏になっています。
06 洞窟
DUNGEON
フィールド以上に、孤独感と不安を増幅するダンジョン音楽。だんだんとテンポが遅くなっていき、ダンジョンの深くまで進めば進むほど、不安もまた増していきます。ロンドンフィルの演奏は、ゲーム中の雰囲気をこれ以上ないというほどに、見事に再現しています。やはり管楽器がふんだんに盛り込まれたことで、東京弦楽合奏団の演奏がどちらかというと弦中心の冷ややかなものだったのに対して、ものかげに潜む邪悪な魔物の息遣いといったイメージを付加したように思います。

そういえば、SFC版のダンジョンはちょっと明るくなりましたよね。特に視界の確保に労力を割かなくても、てさぐりで進めるレベルの「薄暗い」感じ。ファミコン版は本当に真っ暗でしたし、たいまつの有効時間も非常にシビアでした。ハードの表現力が上がったことによって、こういった部分での難易度はやや低下していると言えるでしょう。むろん、初心者への配慮という事情も含まれているとは思いますが。
07 竜王
KING DRAGON
「ドラクエI」のラスボスである、変身後の竜王との戦闘音楽です。ラスボスは一度以上姿を変えるというRPGの伝統も、すでにここに始まっていました。ボス音楽は通常戦闘よりもさらに激しく、という傾向がありますが、実は「ドラクエI」においてはそうでもありません。むしろ、シンプルでありながらも低音を中心とした「刻み」による威圧感・緊迫感が重視されており、通常戦とは異なる音楽の初めて流れる戦闘となるわけで、インパクトは絶大でした。

今回も「ドラ、ゴ〜ン」は健在です。ロンドンフィルの演奏では、前半から後半にかけての強弱がかなりはっきりとしたものになりました。序盤はうっすらと、かすかな音量で静かに不安を煽ります。弦の刻みが変更されたことで、緊迫感が増しています。そこに、それまでとはまるで異なる大音量での金管の大合唱が加わり、楽曲は一気に盛り上がります。ドラとシンバルによるダブルのショックは大迫力。竜王の雄叫びのようなうねるブラスも威圧的です。静と騒、非常にメリハリのついた演奏となりました。
08 フィナーレ
FINALE
圧倒的な達成感のある、プレイヤーを賞賛するエンディング曲。世界には平和が訪れた……そして新たな旅に出る勇者。そんなあなたを、ロンドンフィルが最高の演奏で送り出します。そしてそれは、以後のドラクエシリーズへと続く、壮大なオープニングでもあるのです。

スーパーファミコン版でも、エンディングの水増しは行なわれず、オリジナルに忠実なものとなっています。よって楽曲の展開は以前とまったく同じですが、やはりパートが増大したことによって厚くなった演奏は圧巻のひとこと。勇者を称えるブラスのファンファーレ、これまでの壮大な冒険を思い起こさせる流麗なストリングスに、郷愁を誘う木管楽器群。東京弦楽合奏団バージョンに、ひと味もふた味も加えられています。
09 序曲 ここからは、スーパーファミコン版のゲーム音源を収録。しっかりとオーケストラを感じさせる、表現力の増した「序曲」は、ハードの進化を実感するにはじゅうぶんでしたね。この頃から、それまでゲーム音を表わす形容であった「ピコピコ」という表現は、完全に過去のものとなります。

各パートはファミコン版、及びオーケストラ版を順当に再現していったと言えるものですが、コーダに加えられたハープが新しい要素となっています(東京弦楽合奏団の演奏にはハープはありませんでした)。また、ファミコン版の序曲はゲームをスタートしない限りずっとループし続けていましたが、スーパーファミコン版では完結するようになりました。このコーダも当然、交響組曲からのフィードバックであるわけです。ゲーム音楽をもとに組曲が作られ、その組曲でなされたアレンジによって組み込まれた新たなフレーズが、ゲームに還元されていく。ゲーム音楽と交響組曲とが、理想的な相互関係を保っていると言えるでしょう。
10 街の人々(名前入力) まだ、後の作品で言うところの「間奏曲(インテルメッツォ)」のなかった「I」のファミコン版では、名前入力時(復活の呪文入力時)に通常の街と同じ曲が充てられていました。スーパーファミコン版になると、「街の人々」のピチカート・アレンジが使用されます。これも元になっているのは組曲版で組み込まれたフレーズです。

ピチカートという共通のイメージを採用することで、後の「間奏曲」との違和感を感じさせないのはさすがです。
11 ラダトーム城 きちんとカルテットの雰囲気を表現した「城」のテーマ。グラフィックとあいまって、城がより城らしい荘厳さをもつようになりました。弦のサンプリングは、かなりうまくいっているように聞こえます。一般的なプリセットシンセも、やはり管より弦の方がそれっぽいですし。それでも打ち込む際のシミュレートは、弦も管も等しくテクニックを要求されたりもします。ベタッと音符を入力しただけでは、それっぽくはならないんですね。スーパーファミコン版の楽曲には、組曲で新たに作られたフレーズが還元され、展開がより豊富になりました。これは全体に共通して言えることです。

掲示板にて肌村さんより補完:
このゲーム音源版はそのままSFC版「II」のゲーム中で、ラダトーム城に流用がなされているようです。まあ打ち込みなおすこともないですからね。それと、ファミコン版「II」はラダトーム城においても通常の城と同じ「王城」が流れているとのこと。そうだったんでしたっけ?今度確認してみます(信用しないわけじゃないですよ、ねんのため)。ええっと、ふっかつのじゅもんをメモしたノートはどこにあったっけ?!
12 街の人々 ピチカートまでも再現された、弦楽による「街」の曲。ファミコン版が短いフレーズの繰り返しだったのに対し、やはりここでも組曲版のフレーズを組み込んで展開していきます。音色のみならず、シーケンスの容量も格段に増えていることが認識できます。パートも増えているわけですから、ファミコンに比べてどのぐらいグレードアップしたかなんてことは、想像もできません。
13 広野を行く こちらも交響組曲がフィードバックされ、展開の増したフィールドの曲です。聴いていただければわかるのですが、かなり音色を多様に切り替えながら進行していきます(オーボエまで入ってる!)。CDでオーケストラ版を聴き込んでいたファミコンからのユーザーは、初めてスーファミ版をプレイした時、耳に入ってくる音楽にはそうとう驚いたのではないでしょうか。「あっ、組曲がそのまま鳴っている!」これはかなりの衝撃でしたよ。強弱の表現も素晴らしい出来です。

掲示板にて肌村さんより補完:
このゲーム音源版はそのままSFC版「II」のゲーム中で、同じものがアレフガルドに使われています。
14 戦闘 弦に比べて、管の表現はまだまだ「スーファミ初期」という印象を拭えませんが、フレーズはやはり交響組曲から多大なフィードバックを受けており、どうしても単調になりがちだった戦闘にさまざまな表情を与えます。1回のループが長い長い!特に後半部分は、ファミコン版にはなかった緊張・焦燥といった感情を増幅してくれることでしょう。「戦闘がよりドラマチックになった」と言っても、決して大袈裟ではありません。
15 洞窟 交響組曲版をとてもよく再現したダンジョンBG。ですが、個人的にはあのファミコン音源による、低音がビンビンと響く演奏の方がとてつもなく怖かったり……。ファミコン音源の低音というのは、PCMではなかなか再現できない「味」を持っていましたね。

掲示板にて肌村さんより補完:
このゲーム音源版はそのままSFC版「II」のゲーム中で、竜王の城に使われています。ちなみにファミコン版では竜王の城内部も他のダンジョンと同じ「恐怖の地下洞」が流れているとのこと。あ、これはハッキリと覚えてます。確かそうでしたね。
16 竜王 中ボスに値する戦闘においても、音楽は通常の戦闘曲であった「I」。竜王と対峙して初めて、戦闘音楽が専用のものになり、こいつは今までの敵とは違うんだということをいやというほど実感させてくれたものです。ファミコン版に比べて展開も非常に多様なものとなり、長引く戦闘を彩ってくれます。基本的にはロンドンフィルによる交響組曲と同様のアレンジになっているようです。
17 フィナーレ 「スーパーファミコン・フィルハーモニー」が頑張って演奏するエンディング曲です。極めて初期のスーファミ音楽ながら、その完成度はなかなかどうして高いものになっています。そして後に続くシリーズを経ていく中で、スーファミドラクエ音楽はさらに進化し、プレイステーションへと繋がっていくことになるのです。
18 MEコレクション このトラックでは、ゲーム音源からMEを集めてまとめています。どれもドラクエファンならピクッとくるものばかり。宿屋(宿泊時)〜勝利〜レベル・アップ〜死〜呪〜教会(治療時)〜重要アイテム発見〜ねむりの笛〜ローラの愛〜虹の杖〜虹のかけ橋、の順番です。

ちなみに「呪い」は、「死の首飾り」「呪いのベルト」といった呪いのアイテムを装備した際に流れるほか、何らかのトラブルにより「ぼうけんのしょ」が消えてしまった時に鳴らされます。プレイヤーにとってはむしろ、こっちの方がトラウマではないでしょうか?さらにCDにまで収録するなんて、もはやドラクエファンとこのMEは切っても切れない関係にあるようですね(笑)。

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