武器・防具の改造

 「FFX」では武器や防具自体に、能力値の設定がない。すなわち、装備を変更したからといってHPが上がったり、攻撃力や防御力に変化が出ることがなくなった(これらの強化はすべてスフィア盤で行う)。武器や防具を選択する基準は、付属する属性やオートアビリティになるのだが、いずれ「もっと便利な装備はないか」、と不満も出てくることだろう。そこで、本作では装備の改造が可能になっている。一言で言えば、任意の装備に希望する属性やアビリティを付加することができるのだ。

 装備の改造の方法は、空きスロットにアイテムを消費してアビリティを付けていく、それだけなのだが、これではいくらなんでも簡単すぎるので、詳細に解説してみよう。

 各装備(武器・防具)はそれぞれ、アビリティを付けられるスロットの数が決まっている。このあたりは「FFVII」における、マテリア穴のようなものと解釈して差し支えない。そして、スロットに空欄があれば、その装備品にはアビリティを追加できるということになる。

 まず、改造したい装備を選ぶと、取り付けられるアビリティの一覧が表示される。しかし、アビリティはタダで付けられるわけではない。代償に
アイテムを消費することになる。無論、必要なアイテムが足りなければ改造はできない(このあたりは「FFVIII」における武器改造と同じだ)。強力なアビリティを付加しようとすれば、それなりに貴重なアイテムを大量に消費することになるだろう。もし条件に見合うだけのアイテムがあるならば、あとは確認メッセージが表示されて、改造は完了。装備すれば、次の戦闘からさっそくオートアビリティの効果が発揮される。ちなみに、戦闘中には装備の改造はもちろんできない。

 注意したいのは、一度付けたアビリティは外せないし、移動もできないということ。レアなアイテムを消費してアビリティを付けたが、さらにスロットの多い武器を入手したからそちらに付け替えたい、というようなことは不可能だということだ。レアなアイテムを使って改造する際には、悩まされることになりそうだ。とにかく、貴重なアイテムを消費する際には、「本当にその武器でいいか」「本当にそのキャラクターにそのアビリティを与えていいか(他にもっと適切なキャラがいないか)」を、よく考えよう。

 改造前のセーブデータを残しておき、失敗に気付いたらやり直すという手もある。重要な改造の前には必ずセーブをした方が、保険の意味でも安全だ。

 同じアイテムを消費しても、武器を改造するのと防具を改造するのとでは効果が異なる。一例として、「魚のうろこ」を武器に使用すると、水属性を付与した攻撃ができる武器になるのに対して、防具に使用すると水属性を防御する防具ができあがる、といった具合である。もちろん、中には武器の改造にしか使えないアイテム、防具にしか使えないアイテムもある。

 上記の考察を総合してみると、場合によってはアイテムさえ惜しまなければ、同じ追加効果を持った複数の属性が異なる武器・防具を作っておくことも可能になる。例えば、同じ防具を4つ用意しておき、それぞれに異なる炎・水・氷・雷の属性を与えておけば、出現した敵に合わせての属性防御がいとも簡単にできるということだ。「FFX」では戦闘中の装備変更が可能なので、強力な炎攻撃をしてくる敵に出会ったら、炎属性の防具と氷属性の武器にチェンジすれば、有利にバトルを展開できるだろう。

 もっとも、これは改造をわかりやすく説明するために記したもので、そのためにわざわざ防具を4つ用意し、それぞれを改造するのは実用的ではない。まして全員分となればなおさらだ。属性防御は魔法で補える。だがこれを、ステータス異常の防御に置きかえるとどうだろう?ステータス異常の予防は防具で行なうのが最も簡単である。さまざまな異常を防ぐことのできる防具を用意しておけば、敵の攻撃に合わせて有利な選択ができるだろう。

 が、ここまで解説しておいて言うのも何だが、実は装備品の改造に着手するのは、ゲーム終盤になってからでかまわない。それまでは有用な装備品を付けていないと苦戦するほどの難敵は登場しないからだ。もちろん改造をしていれば有利になる局面もあるだろう。しかし、限られたアイテムや貴重なギルを浪費できるほどの余裕がないうちは、じっとがまん。戦闘が辛く感じてきたら改造をする、それぐらいの感覚でいれば問題ない。グアドサラムですぐに改造を始めるのは、やや早計と言えるだろう。目安としては、空きスロット数が3〜4つある装備品がそこそこ手に入るようになってきた頃、というのがわかりやすいかも。

 さらに言えば、ゲームを極限まで楽しむ……すなわちモンスター訓練所を制覇したり、インターナショナル版でダーク召喚獣と戦ったりということに挑戦するつもりならば、改造による属性付与はまったく必要がない。これらの強敵と戦ううえで重要なのは、属性ダメージよりもステータス異常をいかに防ぐかにかかってくる。つまり、例えば防具のスロットは「○○完全防御」や「オート○○」で埋めるべきで、属性防御はまったく不要であると言い切れる。あなたが「FFX」をどこまで極めるつもりでいるか、そこまで考慮して改造していった方が、無駄のない改造ができるはずである。


有用な改造の一例
とにかく敵をばったばったと倒して猛進したいプレイヤーの武器・防具セッティング

武器:ダメージ限界突破+回避カウンター+魔法カウンター+トリプルドライブ
防具:HP限界突破+完全混乱防御+完全石化防御+オートヘイスト


 武器は攻撃力重視で、敵のあらゆる攻撃に即座にカウンター。さらにオーバードライブの発生率も高くしてある設定。一方防具はというと、これだけの攻撃重視型キャラが混乱するとヘタなモンスターよりもタチが悪いので、完全混乱防御。石化しても動きが止まるので、これも完全に防御しておく。ほかの異常は味方が回復してあげよう。もちろん並の攻撃ではビクともしない、HPの限界突破も付けたい。すばやさもほしいため、オートヘイストを付けてみた。万全を期すのなら、オートヘイストの代わりに「オートST回復薬」もいいだろう。ただし、武器はここまで作り込まなくとも、「七曜の武器」でも充分だと言える。

なるべく安全に進みたいプレイヤーの武器・防具セッティング
武器:見破る+先制+薬の知識+MP消費1
防具:完全混乱防御+完全石化防御+完全バーサク防御+オートST回復薬


 敵の情報をよく知るために「見破る」、敵の先制攻撃もこちらが「先制」をセットして封じ、いざという時のためにアイテムの効果が倍になる「薬の知識」、さらにMPが尽きないように「MP消費1」を武器にセットした。防具はと言うと、完全なステータス異常対策装備とした。操作不能になる状態異常はあらかじめガードし、その他の異常は「オートST回復薬」でターンを消費せずに回復するようにした。好みによっては「完全ゾンビ防御」「完全即死防御」にしてもいいが、即死攻撃の中には「完全即死防御」を無効とするものもあるので、やや意味が薄いかも。また、「HP限界突破」を付けて、絶対的にHPがゼロになりにくい状態にするのもいいだろう。
とりあえずパーティを育てたいプレイヤーの武器・防具セッティング

武器:AP3倍(または2倍)+ドライブをAPに+トリプルドライブ(またはダブルドライブ)+ギル2倍
防具:レアアイテムのみ+(あとはなんでもOK)

 限界突破しつつ、育成に必要なギルとアイテムを効率良く獲得していくためのセッティング。


オートアビリティの重ねがけ
 「○○○○+□%」といったオートアビリティは、一つの装備品に複数セットした場合、そのすべての効果が発揮される。たとえば、スロット4つの防具に「HP+30%」「HP+20%」「HP+10%」「HP+5%」とセットした場合、その防具を装備するだけで最大HPが65%アップするのだ。これはMP、攻撃力、防御力のアビリティでも同じ。

 一方で、それ以外のアビリティは重複できず、セットしようとすると「この組み合わせは効果がない」というメッセージが出る。たとえば、すでに「AP3倍」が付いている武器に「AP2倍」は付けられないということ。逆に「AP2倍」の付いている武器に「AP3倍」はセットできるが、この場合「AP3倍」が優先され、「AP2倍」の効果はなくなる(トータル「AP5倍」にはならない)。これは「トリプルドライブ」や「レアアイテムのみ」などでも同じことである。

 また、「炎半減」のある装備に「炎無効」や「炎吸収」をセットした場合は、より効果の高い上位アビリティが優先される。ただし、「ピンチにバファイ」は効果が有効のまま持続する。この法則は属性防御についてはすべて同様。

改造で付けられる具体的なアビリティとアイテムの一覧はこちら。


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