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POTION:Relaxin' with FINAL FANTASY
ジャケット画像  2000年〜2002年初期にかけては「癒し」がキーワードだったとも言えるだろう。長引く不況とそこから発生する疲弊感、生きることのストレス。人々は「癒し」を求めていた。そして、人々は映像や音楽、絵画や小動物など、あらゆるものに「癒し」を見出し、それにすがるようになった。特に音楽においては、「feel」「image」「echo」などの「癒し系コンピレーション」がブームとなり、似たようなコンセプトのもとに数々の亜流が発売され、それぞれが好調な売り上げを記録していった。

 そんな中、スクウェアの人気RPGシリーズ「ファイナルファンタジー」の楽曲がそういったコンピレーションに収録されたことも記憶に新しいが、それがきっかけとなったのか、「FFの曲を集めた癒しCD」の企画が持ち上がる。それがこの「POTION」である。ゲーム中の回復アイテム「ポーション」をタイトルに持ってきたのはなかなかのアイデアではあるが、ずっとFFの音楽を聴いてきたファンにとっては「既存曲の寄せ集め」。基本的には過去のアレンジアルバムから「癒し系」「和み系」の楽曲を集めて再編集したものだ。だが、それだけでは既得ユーザーへのアピールは難しいとの判断からか、ボーナストラックとして「親愛なる友へ」の新録ニューバージョンを収録している。ただ、この一曲のためにCDを買うのはちょっと考えものだが、それでも買ってしまうのがファンというもの。この商売上手め!

 ちなみにレビューは各アレンジアルバムのレビューをコピペしたものに手を加えたものです。同じ曲でそんなに何パターンもレビュー書けません(笑)。手抜きじゃないよ。


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デジキューブ
SSCX-10051
2001年
JASRAC表記:
あり

01 Tina
(FFVI ピアノコレクションより)
この演奏は凄い好きです。曲本来のの良さも見事に引き出されていて、泣けます。ゲームの冒頭シーンを思い出しますね。そういえば「FFVI」の開発がアップした時も雪が降って、植松氏はその雪の中で思わず「ティナのテーマ」を口ずさんだらしいです。と、言うことで「雪のテーマ」に決定!雪が降ったらみんなで歌うこと!
02 Kids Run Through The City
(FFVI ピアノコレクションより)
とっても心が落ち着く演奏です。作曲者・演奏者の人柄が音に表れているような、そんな音です。いや、別に知り合いではないですが。アレンジは鷺巣詩郎氏、演奏は野村玲子氏。

いちばんのナゾは、「ピアノコレクションズFFVI」では英訳タイトルが『Kids Run Through The City Corner(街角の子供たち)』なのに、「POTION」では『Kids Run Through The City(街の子供達)』になっていること。なんで?誰か教えて。
03 水の巫女エリア
(FFIII 悠久の風伝説より)
「悠久の風伝説」の『MONTAGE〜彷徨の旅路〜』において、6分24秒あたりから始まるパートを抜き出して収録。ゲーム中ではあまり耳にする機会のない楽曲ですが、植松氏の私的なお気に入りだそうです。
04 Melody of Lute
(FFIV ケルティック・ムーンより)
「ギルバートのリュート」。原曲重視のアレンジで安心して聞けます。
05 Eyes On Me
(ピアノコレクションズ FFVIIIより)
これは文句なしに名演奏。ジュリアが弾いているのでは?と思わせるほどに雰囲気バッチリ。ラグナが足をつらせながら聴いていそうですね。ちなみに某ニュース番組のお天気コーナーでかかっていたことも……。知らない視聴者はゲームの曲だとは思わないでしょうね。
06 Tenderness in the Air
(FFV ピアノコレクションより)
「FFV」街のテーマです。原曲再現度の高い演奏で、こうしてメロディを裸にすると、楽曲自体のメロの良さが際立ってきますね。
07 Fragments of Memories
FFVIII FITHOS LUSEC
    WECOS VINOSECより
弦のアンサンブルがいい心地にさせてくれます。ウインヒルでのほのぼのとしたラグナとレインの生活が蘇ってくるようですね。
08 Main Theme of FinalFantasy IV
(FFIV ピアノコレクションより)
「FFIV」のフィールドでかかる「メインテーマ」。かなり大胆にアレンジしてあり、ちょっと聴いただけではそれと気付かないかも。原曲からのイメージはかなり変わっているものの、見事にピアノ曲になっているところはさすが。中盤以降はかなり原曲のイメージが出てきます。単調になりがちなピアノソロ曲を、徐々にアレンジを変えていくことで飽きさせない工夫がされてます。
09 Balamb GARDEN〜Ami
(FFVIII FITHOS LUSEC
    WECOS VINOSECより)
もともと別バージョンだった「Ami」と繋げてしまったアレンジはお見事。原曲よりもさらに柔らかく、暖かい雰囲気になっていますね。ああ、癒されるぅ。
10 Lenna's Theme
(FFV ディア・フレンズより)
ナイロンギターとフルートが暖かいアレンジ。生楽器はいいねえ。
11 The Successor
(ピアノコレクションズ FFVIIIより)
これはもうもともとがピアノですしね。それにしても本当のピアノでの演奏を聴くと、ゲーム中でのサンプリングピアノもよくできていたことを再確認できます。もちろんピアノソロではさらに情感タップリに弾いてくれていますけど。
12 Music Box
(FFV ディア・フレンズより)
「思い出のオルゴール」。本当にオルゴールになりました。素朴なアレンジで心がやすらぎ、優しい気持ちになれます。フルートやバグパイプも加わってとってもあったか。
13 Theme of Love
(FFIV ピアノコレクションより)
むしろこの形が本来のものなのではないかと思えるほどに自然な仕上がりとなっている。スーパーファミコンでは生ピアノの再現は難しいところだが、プレイステーションの音源ならばなんとか可能であるはず。ゲームから流れるこのバージョンも聴いてみたいもの。
14 エアリスのテーマ
(FFVII Reunion Tracksより)
植松氏のもっとも得意とする「情感タップリの泣かせ曲」。ご本人も「VIIで一番か二番目に一生懸命作った曲」と言ってるし。結果として、「X」の主題歌「素敵だね」のカップリング曲として過去のFFの楽曲を歌ものアレンジすることになった際に、ユーザーに対して行われたアンケートで堂々の1位を獲得。RIKKIの歌唱によってボーカル曲にもなりました。このアルバムのオケアレンジでは、浜口史郎氏のバツグンのオーケストレーションでいっそう泣かせます。基本的に原曲重視なアレンジです。
15 Welcome to Our Town
(FFIV ピアノコレクションより)
イントロからはわかりにくいですが、メロが出てくるとまごうことなき「IV」の「街のテーマ」。ピアノで演奏されることで、オリジナルバージョンよりも感傷的な印象になっています。どこかのイベントで、アレンジ違いとしてかかっていても違和感がない秀逸な名演。
16 Troian Beauty
(FFIV ケルティック・ムーンより)
「トロイア国」のアレンジ。こうして聴いていると「FFIV」の舞台がアイルランドのように思えてくるのはなぜでしょうか。中世、ヨーロッパ的なファンタジーだから?アレンジバージョンを聴くことで、その音楽とも世界観が見事に一致していると認識させられます。
17 親愛なる友へ 「potion」新録。フルート奏者・瀬尾和紀氏が「FFV」の「親愛なる友へ」を演奏してくれています。瀬尾氏と言えば植松氏と縁のあるフルーティストで、言ってみれば「FFX」の「ザナルカンドにて」が生まれるキッカケともなった人(?)。そんなこともあってか、今回の録音が依頼されたのでしょう。

アレンジアルバム「DEAR FRIENDS」ではアコースティックギターとフルート(瀬尾氏ではないです)の組み合わせでしたが、今回はピアノをバックにしたフルートメロ。同じフルートでも雰囲気がけっこう変わるものです。聴き比べてみては。

1、2をまとめてお手元に。

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