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ファイナルファンタジーV アレンジヴァージョン DEAR FRIENDS
ジャケット  このCDは、「ファイナルファンタジーV」のゲーム中に使用された楽曲から14曲をセレクトし、アレンジヴァージョンとしたもの。基本となるシンセサイザーでの演奏にフィンランド民族音楽で味付けをしていくといった、ゲーム音楽のアレンジものとしては異色な内容となっており、「FFIV」におけるケルト一色のアレンジとも、そして「VI」でのフルオーケストラによる演奏とも違った味わいを興味深く楽しむことができる内容になっている。フルート、ブズーキ、バグパイプ、フィドルといった様々な楽器で奏でられる暖かな演奏が好印象。ボーカルの入った楽曲があるのも、FFサウンドの新たな一面である。

 編曲は、作曲者である植松伸夫氏みずからが担当。これが、氏の楽曲に持っているもともとのイメージを再現したものなのか、または新たに構築していったものなのかは本人のみぞ知るところだ。スタッフリストも、わかる人にはわかる人物が名を連ねており、スクウェア開発スタッフの伊藤裕之氏・時田貴志氏や「栄養ドリンク提供:植松玲子」など、楽しませてくれる。


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ポリスター
PSCN 5018  
1993年  
JASRAC表記:なし

 

01 AHEAD ON OUR WAY
ファイナルファンタジーV 
メインテーマ
いきなり始まるヨイク(フィンランド独特の歌唱と思ってね)のコーラスに度肝を抜かれるが、すぐにおなじみの楽曲が開始される。前半はゲーム音源のイメージそのままのアレンジで演奏されるが、おそらくゲーム音源に変換される前のデータを利用しているのだろうか、音源のクオリティはアップしている。途中からいくつかの楽器が足されて、より豪華な演奏に。バックのコーラスも美しい。「原曲重視」なアレンジの好例。
02 LENNA'S THEME
レナのテーマ
ナイロンギターとフルートが暖かいアレンジ。生楽器はいいねえ。
03 PIRATES AHOY
おれたちゃ海賊
アタマのドラがよく聴くドラなのはおいといて(笑)、もろに海賊です。海賊のイメージといったらこうでしょう、やっぱり。もちろん原曲の雰囲気もバッチリです。中盤からヨイクのコーラスとともに「ホッ!ハッ!」という男声が入りますが、この中には植松氏や時田氏もいるのかな?舵を漕ぐようなSEも楽しい。
04 CRITTER TRIPPER FRITTER!?
モーグリのテーマ
モーグリのテーマもゴージャスになったものです。あ、ドラまで鳴ってる。「チョコボレーシング」ではこのバージョンそっくりにカバーされてます。間奏もおもしろい。こんな曲だったのか〜、って。
05 INTENSION OF THE EARTH
古き土の眠り
これはもう原曲重視。ゲーム音楽ファンとしてはこんなに豪華なバージョンが聴けてうれしい!という感じです。
06 MY HOME, SWEET HOME
はるかなる故郷
植松氏のもともとのイメージが強く出ているんじゃないかな、と思わせるボーカル曲になっています。原詞は前川嘉彦氏、ボーカルはアンゲリン・トゥトット。英語詞の中、一部がサーミ語で歌われています。ライナーノーツに歌詞が掲載されています。
07 THE LAND UNKNOWN
新しき世界
これも原曲重視系。楽器のバランス(音量・定位)がとっても心地良いっす。聴きやすいミックス。
08 TENDERNESS IN THE AIR
街のテーマ
チェンバロできたか!というかんじでナルホド。ちょっと雰囲気変わってバロックのようになっていますね。街のテーマが一転して城のテーマになったようです。
09 WALTZ SUOMI
タイクーン円舞曲へ長調
アコーディオン。まさにフィンランドという感覚なのですが、パリの匂いもしますね。エッフェル塔が見えてくるようです。ワルツっぽさがあまり感じられなくなっているのは、構成楽器のためでしょう。

曲タイトルにある「SUOMI・スオミ」というのは、フィンランドの人々が自国を言う時の呼称です。
10 FATE IN HAZE
ダンジョン
こうして聴くと「V」のダンジョンも綺麗だなあ。神秘的です。
11 AS I FEEL, YOU FEEL
大森林の伝説
朗読曲としてアレンジされています。原詞はゲームの方のディレクター・伊藤裕之氏。朗読・コーラスはアンゲリン・トゥトット。まるで映画のワンシーンを音だけ聞いているよう。全編サーミ語かな?詞はライナーノーツに掲載されています。とってもイイ詞(詩)ですよ。
12 MUSICA MACHINA
ムジカ・マキーナ
ええっ?コレをアレンジしちゃうとどうなっちゃうの?で、さらに不気味さ倍増の大迫力になっちゃいました。こわいっす。1人でオシッコ行けなくなっちゃいます。
13 MUSIC BOX
想い出のオルゴール
本当にオルゴールになりました。素朴なアレンジで心やすらぎます。優しい気持ちになれます。フルートやバグパイプも加わってとってもあったか。
14 DEAR FRIENDS
親愛なる友へ
アルバムタイトル曲。欠かせませんね。個人的にはこれがボーカル曲になると予想していたのですが、大ハズレでした。アコースティックギターとフルートによる落ち着いたアレンジになっています。これは間違いなく植松氏のもともとのイメージでしょう。「V」の音楽の裏テーマは、ズバリ「アコースティック」ですから。

全体にとっても楽しくて、優しくて、暖かいアルバムです。
聴いた後、なんだか幸せになれる、そんなアルバムですヨ。オススメ。

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2001 GAMERS EDEN

ぜんぜん廃盤とかではないんで、新品あります。