GAMERS EDEN ゲーム音楽 ゲームサントラ レビュー ファイナルファンタジー | |
ファイナルファンタジーIV ORIGINAL SOUND VERSION | |
スーパーファミコンの「ファイナルファンタジーIV」で使用された楽曲を、オリジナル音源で収録したサントラ。スーパーファミコンで可能となったゲーム音楽の新たな境地の先駆として、今なお名盤の呼び声が高い一枚。 ポリスター PSCN 5014 1991年 JASRAC表記:なし ファイナルファンタジーIV オリジナル・サウンド・ヴァージョン |
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ゲーム紹介 ファミリーコンピューターの性能的限界を受けて、任天堂はスーパーファミコンを発売。人気シリーズはこぞって続編を発表することになった。FFも例外でなく、第4作目をスーパーファミコンソフトとして発売した。次々と登場する多彩なキャラクター、壮大にして重厚なストーリー、まっこうから人間の死に向き合ったイベント……と、現在のFFシリーズの根幹となる要素はすでにここにあった。FFではおなじみ、特許も取っているATB(アクティブ・タイム・バトル)が初めて採用された、記念すべき作品でもある。 手塩にかけて育ててきた仲間キャラクターがパーティを離脱することもしょっちゅうで、従来のゲーマーからは賛否両論あったものの、それに魅せられるファンも決して少なくなかった。的確に弱点を突かないと倒せないボス敵がいたり、難易度は総じて現在のFFと比較すると高めだが、もともとRPGとはそういうものだったのだ。今時のRPGにおいてここまでレベル上げを必要とするゲームがあるだろうか?「倒せない敵がいる→ただひたすらレベル上げに励む→やっとボスを撃破する」。こんな単純にして明快なRPGの基本要素を、本作は楽しませてくれる。レベル上げでプレイする意欲をそがれるプレイヤーも多いだろうが、次の展開が気になるためにやめられない、そんな巧みなシナリオ構成も見事。スーパーファミコン第一作目にして、グラフィック・シナリオ・イベント、そしてもちろんサウンドも飛躍的に向上したことは誰の目にも明らかである。ライトユーザー向けに「FFIVイージータイプ」なるバージョンも発売されたことを覚えているプレイヤーも多いことだろう。プレイヤーのスキルに合わせて難易度選択の余地を残す、そんな配慮も親切だった。 後にプレイステーションに移植。「完全移植」を目指し、スーパーファミコン独自の機能でありPSでの再現が難しいモザイク、画面回転などもほぼ完璧に再現している。オープニングやエンディングにムービーの追加はあるものの、グラフィックやサウンドの一新はせず、シナリオにも変更を加えずにリリースした姿勢は潔い。すでに発売されていた「FFVII」に比べれば外面は見劣りするものの、決して古さを感じさせずに「FFの歴史」を見せたことは評価したい。PSからFFをプレイしたユーザーにはぜひトライしてみてほしい一作だ。また、ワンダースワンにも移植されているので、本体を持っている人はそちらを。 サウンドトラックにはゲームの音源をそのまま収録。スーパーファミコンになって生まれ変わった、サンプリング音源によるアンサンブルは聴き応え十分である。製作手法の変化からかなりの試行錯誤があったらしいが、楽曲そのものでも新しい表現を模索。ファミコンのPSGでは困難だった、独特のシナリオに合わせた演出にも十分に答える完成度である。シリーズに共通するおなじみの楽曲が多いこともファンには嬉しいところ。ファミコン音源・スーファミ音源のクオリティの違いを、同じ楽曲で容易に比較することができるからだ。クラシック音楽やオーケストラに固執しない姿勢も、ファミコン時代からのFF音楽に共通する要素。作曲はもちろん、FF音楽の生みの親・植松伸夫氏。また、PSGでは困難だったステレオ定位での音像表現もここで確立。パンニングによる音色的な遊びもふんだんに行われ、より広がりがあり、厚みのある楽曲にファンは酔いしれた。 プレイステーション版では、スーファミ音源の楽曲をそのままCD-ROMに音源として収録、ゲーム中では順次ストリーム再生し、ループを実現している。これはゲームそのもののローディングが少なく済むからこそできることだ。その反面、内蔵音源でリアルタイムに演奏しているスーパーファミコン版に比べ、プレステ版は音が悪いとも言われている。ちなみに、ソフトの盤面にキズやホコリがあると、内蔵音源ではあり得ない「音飛び」を聴くことができる(笑)。 |
ゲームをプレイすると、サントラがより楽しい! | ||
原点・SFC版! | 最新リメイクPSP版 | 3DリメイクDS版 |
01 | プレリュード | 格段に美しくなったプレリュード(クリスタルのテーマ)。ディレイのような効果を持つ音色が左右にパンニングされています。こういったステレオ音場を活かした効果もスーパーファミコンならでは。中盤からはファミコン版にはなかった弦楽器による新たなメロディが加えられ、より印象深い楽曲になっています。ただ、せっかくの美しいフレーズも、サントラでは途中でフェードアウトしてしまっているのが残念。なぜ無理矢理1枚に収めてしまったのかがはなはだ疑問です。ゲーム音楽で2枚組みというのは、当時は冒険だったのでしょうか? 楽曲そのものは、各クリスタルルームや「月の民の館」など、ゲーム中でキーとなる場面・場所で、何度も耳にすることができます。ミシディアでの「伝説」を聴くイベントでも流れましたね。厳密に考えれば「プレリュード=前奏曲」というタイトルに違和感もあるんですが、そこはシリーズを貫く「お約束」ということで。タイトル画面でもかかりますから。 「かいはつしつ」の「おんがくしつ」でも聴くことができます。また、エンディングの「THE END」表示後に流れるのは、シリーズに一貫した「お約束」。でも、ますます「プレリュード」ではないですが……。 |
02 | 赤い翼 | 飛空艇が編隊を組んで飛んでいる。ただそれだけの導入部分に、ファミコン版からのプレイヤーは度肝を抜かされたものです。明らかにファミコンとは別次元のグラフィックと音楽は、これから足を踏み入れる「FFIV」の世界に大きな期待を抱かせるのには充分すぎる雰囲気を持っていました。行進曲調の、勇ましい重厚な楽曲。オープニングイベントとしてのインパクトはバッチリではないでしょうか。 楽曲そのものは一応、セシルが隊長を務める飛空艇団「赤い翼」のテーマということになるのでしょうが、あまりそのような使い方はされていない印象です。試練の山における、パラディンセシルVS暗黒騎士セシルの戦いでも使用されていました。セシルのテーマといった役割も兼ねているのかもしれませんね。ゲーム終盤では、「月の地下渓谷」のマップBGとして流用されています。なぜ?という気もするのですが、この頃になるとこの曲が流れることで無条件に盛り上がってしまう「パブロフの犬」状態になってしまっているのも、また真理。 バロン城で、シドの案内のもと飛空艇・エンタープライズに向かう場面でも使われていますが、これは「赤い翼」じゃないしなあ。深い意味のない、単なる使い回しでしょうか。逆に、ゾットの塔でカイン(とローザ)が仲間になるとこの曲が流れてくるところなんかは、セシルとカインが久々に手を取り合って「赤い翼魂」の復活か!などという意味合いも感じさせてくれました。 他に、シドの犠牲によって地上へと戻ったセシルがシドの遺言(?)通り「バロンへ……向かう!」と決意するシーンでも使用。ただし一度でも飛空艇を着陸させると通常のBGに戻ってしまうあたりはツメが甘いか? あとは終盤、バブイルの巨人にドワーフの戦車隊やシドの飛空艇隊が砲撃を加えるイベントで勇ましく流れてきます。パロムやポロムも生きていた!かつての仲間、ここに集えり!という感じで盛り上がるシーンです。総合的には「決意のセシルと仲間たちのテーマ」という感じですね。 |
03 | バロン王国 | バロン城で流れるBGですが、いわゆる「お城」音楽の概念を覆す楽曲で、カルテットに慣れ親しんだ「ドラクエ」びいきのプレイヤーを驚かせました。それもそのはず、「ドラクエ」ではオープニング直後のお城と言えば主人公のベースメントとなる場所であり、音楽も平和的なものになりがち。しかし「FFIV」においては、王国のやり方と「赤い翼」に疑問を持っている主人公が描かれており、この楽曲は言ってみれば「王国そのもの」を表現しているわけです。つまり、「お城」の曲と言うよりは「王国のテーマ」なんですね。そう考えると、バロン王国の追っ手がカイポにいるセシル・リディアのもとへやってくるイベントシーンで流れるのも納得です。 サントラではトラック2の「赤い翼」から続いて組曲のような構成で収録。イントロの弦はシンプルながら抜群の立ち上がりです。また、叩く強さまで表現されたマーチングスネアの音色も出色。ゲーム序盤からスーファミ音源の進化を見せ(聞かせ?)つけられます。 |
04 | 愛のテーマ | セシルとローザがらみのイベントで何度か流れる曲で、初出は夜のバロン城においてローザがセシルの部屋を訪れるイベント。ファミコン音源ではベタベタになりがちなこういった曲も、あっさりとした仕上がりになっています。RPGで「愛」を主題にした楽曲も、当時は珍しかったのです。良くも悪くも、現在まで通じるスクウェアテイストはこの頃からあったのです。中盤以降の弦楽器によるアンサンブルがなんとも言えない美しさ。 セシルを追ってカイポの村へとやってきたものの、病に侵されてしまったローザとの再会シーンや、そのローザを「さばくのひかり」で治療するシーン、ゾットの塔最上階でのセシルとローザの再会などで使用。そして終盤、ゼムスとの戦いに際してローザに「ついて来るな」と言うセシルに、ローザが「あなたといっしょなら……」と告白するシーンでも……うおおー、あっちい!見てるこっちがテレるよ! |
05 | オープニング | 出ました、「FFのテーマ」、後に「ファイナルファンタジー」と呼ばれるあの楽曲です。これまでにない重厚なオーケストラ音色による演奏は、現在に続くまで連綿と受け継がれています。ファミコンからスーファミへとハードが移ろうとも、「FF魂」は不滅であることを実感し、当時この曲でゾクっとなったオールドユーザーも多数いたのです。 バロン王から飛空艇隊長の任を解かれて幻獣討伐を任されたセシル。一夜明け、カインとともに城を出る、そんなオープニングシーンでこの曲を聴くことができます。また、ラスボス戦直前、地上にいる人々が祈りを捧げる場面でも印象的な使われ方をしてます。思えば最近のFFでは、この曲がゲーム中のイベントで使われることもなくなりましたね〜。 |
06 | 街のテーマ | やっと見つけた街に入り、ひとときの休息。この曲に癒されたプレイヤーも多くいることでしょう。順当に行けば、バロンの町が初出となるはず(バロンに寄ってなければ、ミストの村かな)。そういえば……ゲーム中では「町」なのに、なぜ曲名は「街」なのでしょう?さらに、「街のテーマ」ではありますが「村」でも使われてます、と揚げ足を取ってみたり。 タイトル通り、多くの「町」で使われているわけですが、特殊なケースでは、トロイア城でテラとギルバートが和解する場面でイベントBGとして使われています。また、ドワーフの城で負傷したシドと再会する場面、ファルコンを改造していたシドが疲労で倒れ療養するシーンでも使用。さらに、ヤンが地底で病床に臥せっていることをヤンの奥さんに伝える場面でも流れ、そこで預ったフライパンでヤンを目覚めさせると、同じくこの曲が……何だか「病人のテーマ」みたいにもなってます……。 使用されている場所:バロンの町、ミストの村、カイポの村、ミスリルの村、アガルトの村、トロイアの町、トメラの村、かじやククロの家、ハミングウェイ一族のすみか |
07 | ファイナルファンタジーIV メインテーマ |
フィールドでかかるBGM。エンカウント率の高い本作ではなかなかここまで長くゆったり聴くことはなかなかないでしょうが、サントラで聴くと、非常に良い楽曲だな〜とあらためて認識させられます。ファン人気もたいへん高い楽曲ですが、個人的にもFFフィールド音楽で1、2を争うお気に入り。ストリングスのサンプリングクオリティが異常に高い点も特筆もの。 なお、ホバーや船に乗ってる間もこの曲が流れます。 |
08 | バトル1 | おなじみのイントロから始まる、通常戦闘音楽。ベース、ドラムの音色も格段にリアルになっているほか、ブラス、ストリングスによるブ厚い編曲での盛り上げもバッチリ効いてます。 プレステ版だと、この曲だけ妙に音量がデカいんですよね〜。スーファミでは気にならなかったのですが……。他のダンジョンやフィールド曲とのレベル差のおかげで、バトルになると「うるせー!」と。 |
09 | 勝利のファンファーレ | マーチ調となってさらに勇壮になった、おなじみのファンファーレ。こういった曲が過去の作品と共通なことも、明らかにこのゲームが「FF」たることを印象付けるのに貢献しています。戦闘以外では、ファブール城の右の塔・2階で見られる踊り子(?)の踊りで使用されています。いきなりコイツが流れた時にゃ、驚きましたとも。 |
10 | デブチョコボ登場 | チョコボくさいところで「ギサールの野菜」を使うと、デブチョコボ登場!右側で鳴っているティンパニーがデブチョコボの重さを表現しているように聞こえますね。ちなみにチョコボのモチーフは組み込まれていません。なんとなく通じ合う色は感じますが……。 ドワーフの城のパブで、酔っ払いが踊り出すシーンでも流れます。 |
11 | チョコボ | おなじみのチョコボのテーマです。木琴の音色が楽しげで、どこかコミカルな印象も。FF、ひいてはスクウェアの「マスコット」たるチョコボにはこの曲はもはや欠かせませんね。なお、ミスリルの村で見られる「ミスリルブラザーズ」のダンスにも使用されています。こちらは単なる流用で、チョコボとは何の関係もありませんが。 なお、これは「チョコボに乗っているとき」の曲で、チョコボの森で流れるものはアレンジが異なっていますが、残念ながらサントラには未収録となっています。けっこう未収録曲あるなぁ。 |
12 | ダンジョン | ストリングスで冷ややかにメロディを、かつハープが美しくアルペジオを奏でる珠玉のダンジョン曲。FFの洞窟音楽ではいちばんの名曲かも……と思ってます。冷たい曲調なんですが、おどろおどろしさがないのが特徴。3拍子であることもその要因でしょうか?個人的には、この曲が流れると体感温度が下がって涼しくなるような気がします。地下であり、かつ水っ気のありそうなダンジョンにはピッタリです。初出はミストの洞窟で、その後も様々なダンジョンで聴くことになります。 使用場所:ミストの洞窟、地下水脈、アントリオンの洞窟、昔の水路、磁力の洞窟、エブラーナの洞窟、封印の洞窟、幻獣の洞窟、アダマン島の洞窟 |
13 | バトル2 | ボス戦のバトルBGM。テンポの速さと緊迫感を煽る旋律はバツグンの効果となっています。イントロもおなじみのフレーズで始まりますが、シリーズのボス戦音楽では珍しい部類。四天王戦の曲との明確な色分けにもなっています。初めて聴くことになるのはミストドラゴン戦。その後、いわゆる中ボスとの戦闘で度々使用されます。ベースラインがかっこ良すぎ! 変わったところでは、ダムシアン城で傷ついたアンナを見て逆上したテラが、ギルバートに襲いかかるイベントバトルで流れます。戦闘曲がバトル・イベントの区別なく使われる例です。似た使用例に、ホブス山の山頂でのマザーボム戦があります。ヤンが孤軍奮闘しているところへセシルたちが援護に入り、イベントからバトルへと続けて流れます。エッジVSルビカンテのイベントバトルも、同じような使用例でしょう。 中でも印象的なのはファブールの防衛戦ではないでしょうか?迫り来る敵との連戦、徐々に追い詰められていくセシルたち……イベントとバトルに通して流れ、緊迫感をこれでもかというほど盛り上げてくれました。そしてラストは、ゴルベーザ&フースーヤVSゼムスのイベントバトルで使用。Wメテオでゼムスを撃破するのですが……! なお、この曲はスクウェアと任天堂のコラボレーションソフト「スーパーマリオRPG」のあるボス戦において、アレンジして使用されています。今となってはこれを聞く手段は少ないかもしれませんね。 |
14 | ボムの指輪 | 陰謀めいた楽曲。不安・緊迫……非常に劇伴的な、いわゆるサントラっぽい曲です。曲タイトルの通り、セシルの持つボムの指輪が発動し、ミストの村が焼き払われてしまう衝撃的なイベントで流れます。すると、泣きじゃくる女の子がひとり……。セシルたちを嫌悪する彼女との強制バトルまで通して使われます。 他では、ファブールを出たセシルたちの船がリヴァイアサンと遭遇するシーン、地底に進行した際の「赤い翼」とドワーフ軍戦車隊との砲撃戦イベント、そしてバブイルの巨人が出現するイベントなどで度々耳にします。「疑惑のテーマ」「一方その頃」との使い分けが曖昧ではありますが……。そもそもミストでのイベントは、「疑惑のテーマ」でも何の問題もなさそうな……。こうして考えると、曲数はまだまだ抑えられそうな気もします。楽曲数の増加が顕著なFFシリーズにおいては、「効果的な流用」も熟慮する必要があるのではないでしょうか?曲が増えれば増えただけ、1曲ごとの印象が薄れてしまうのはファンの間ではよく議論されることですから。 ……最終的には好みの問題ですけどね。 |
15 | 少女リディア | リディアのテーマ。やさしいフレーズの中にも寂しさのある曲。シンプルな構成ながら語りかけてくるような曲は、植松氏の得意分野ですね。もちろん、リディアに関するイベントで何度か使用されています。初出はカイポの宿屋で、リディアが自分を守ってくれたセシルに対して心を開き、名前を明かすイベントでした。 その後はホブス山において、リディアが「炎はイヤ!」とファイアを使うことを拒む場面で使用。そしてドワーフの城での大人になった彼女との久々の再会や、エブラーナの洞窟で「これ以上人が死ぬのはいや!」と嘆くリディアなど。「リディアのトラウマ」のテーマ? |
16 | ダムシアン城 | バロン王国の飛空艇団に破壊されたダムシアン城で流れるBGです。やっと辿り着いたセシルにしてみれば「おいおい、マジかよ……」という不安と絶望感。そんな情景によくマッチしていた楽曲です。弦+ベースが、「お〜い……誰かいませんか〜?」という感じ(?)。かつて忍者たちの城として栄えたエブラーナ城でも使用され、さながら「朽ち果てた城のテーマ曲」といったところでしょうか。 それ以外では、カインがセシルたちのもとにやって来て「ローザと引き換えに、トロイアのクリスタルを奪って来い」と伝えるイベントで使用。しかしこのシーン、途中までは「疑惑のテーマ」がかかっているんです。わざわざこちらに乗り換わる必要があったのでしょうか? |
17 | 哀しみのテーマ | いかにもFFというか、植松氏的な楽曲。「わかるわかる!」という人も多いでしょうね。「哀しみのテーマ」だけあって、アンナの死を初めとした、そういった「哀しみ」のシチュエーションで何度もかかります。構成楽器や雰囲気はまったく違いますが、ちょっと聴けばメインテーマのアレンジであることはすぐにわかってもらえるはずです。 この曲は何と言っても、我が身を犠牲にしてセシルたちを救ったパロムとポロムでしょう、やっぱり。突然現れたNPCアンナより、苦楽をともにした仲間の犠牲は、より深く胸に突き刺さります。そういう意味では、ゾットで別れることになるテラも……バブイルで別れるヤンも……このゲーム、本当に仲間との別れが多いですね。貴重なアイテムやギルを、どのキャラのために費やすべきか……そんな悩みもあった「FFIV」でした。 変わったところでは、バブイルの塔におけるエッジの両親・エブラーナ王&王妃との戦闘。両親が良心を取り戻すと(ダジャレじゃないよ)この曲が流れ、エッジにとっては辛く哀しい結末となるのでした。 ちなみに、ゲーム中では「仲間になる/目的達成ファンファーレ」「ショックME」が随所で使用され、この曲の前にはたびたび「哀しみのME」が付いてました。これらの短いMEはいずれも、サントラには収録されていません。2枚組なら入ったろうに、残念です。 |
18 | ギルバートのリュート | アンナの死後、哀しみに暮れるギルバートが奏でる(という想定の)曲です。竪琴の雰囲気がよく出ていますね。サンプリングならではというところでしょうか。しかしすぐにリディアに「よわむし!」と……。おいおいリディア、厳しすぎるんじゃ? 後に、カイポの村でギルバートがアンナの魂と会話する場面でも使用されます。言ってみれば、「アンナに捧げる愛の歌」……ですかね。トロイア城で彼と再会するシーンでも使用。さらに、磁力の洞窟で危機に陥るセシルたちのもとへ、「ひそひそう」を通して届けられるメロディもこれ。ダークエルフはこの音が不快なんだそうで……。 |
19 | 試練の山 | 試練というわりに、楽曲は辛さを感じさせません。厳しいエンカウントバトルを楽曲で中和している感じでしょうか。ひたすら前に進んでいく主人公の姿とオーバーラップする楽曲。ホブス山と、そして曲タイトルの通り「試練の山」など、登山道系マップで使用されています。 |
20 | ファブール国 | 異国情緒というか、カンフーというか。ベンドの使い方が見事です。コントロール信号が大量に入ってそうだ……。ティンパニ+シンバルで表現(代用)されているドラっぽい打楽器もバッチリでは。 使用箇所は曲名の通りで、流用はありません。 |
21 | 脱出 | いわゆる走れ!急げ!系音楽。短いループの音楽で、どっちかというとME。右側にいるピアノがすごいことになってます(笑)。初めて聴くことになるのは、ダムシアン城がバロンの飛空艇団に爆撃を受けた直後でした。ファブールで撤退中にコケるギルバート……なんてシーンでも使用されましたね。フッ、足手まといなヤツだ……。 「セシルがふたり?」という、試練の山のイベントでもちらっと流れます。さらに、 ・バロンでの壁が迫ってくる!イベント(このあとパロムとポロムが)、 ・磁力の洞窟での対ダークエルフ戦・「剣さえ使えれば…!」、 ・ゾットの塔でセシルとカインがローザを助けに走るシーン、 ・自暴自棄になった敵がバブイルの巨大砲を暴走させるシーン、 ・地底世界で敵の飛空艇から逃げるエンタープライズ、 ・バブイルの巨人崩壊など。けっこうあるなぁ。 封印の洞窟におけるデモンズウォール戦ではこの曲がバトルBGとして流れます。ただでさえ時間制限のあるバトルで、めちゃくちゃ焦らされること間違いなし。これは選曲の勝利という感じ。 |
22 | 疑惑のテーマ | まんま、疑惑。使用頻度トップクラスの短いループBGです。「赤い翼」のアレンジになっているあたり、印象付けがニクい。つまり、「赤い翼」はカインのテーマとも言うことができるのです。最初は主人公サイドのテーマと思わせておいて、いやいや、どうも違うらしい……あれ、主人公が赤い翼を辞めさせられちゃったよ……おや、「赤い翼」のアレンジがカインの再登場シーンに?……と、なかなか複雑です。 CDではこの位置ですが、初出はかなり早い時期。セシルがバロン王のやり方に異議を唱え、飛空艇団隊長の任を解かれるイベントです。そしてミストにボムの指輪を届けろと……うーむ、すでに疑惑ありまくりなわけですな〜。その絡みでしょうか、ミストの洞窟でのミストドラゴン戦直前、ナゾの声との対話シーンでも流れます。他に、アントリオン戦後(どうやら魔物が悪の影響を受けてるらしい…の話)、磁力の洞窟でのダークエルフ戦直前など。 印象的だったのは、やはりファブール城でのカインとの再会シーン。わけもわからず一騎討ちの戦いとなってしまいますが、バトル中もそのまま続けて流され、セシルの戸惑いをも表現しているかのようでした。サントラでもこの場所に収録されているということは、やはりカインのテーマと定義付けるにじゅうぶんな根拠でしょう。その後も、飛び立ったエンタープライズの所にカインの飛空艇がやってくるイベントでも使用されました。 もうひとつの疑惑……それは、ゾットの塔でテラのメテオをくらったゴルベーザが、セシルに対して何かを感じたあのシーン……ふたりの間にいったい何があるのか?という、新たな疑惑が提示されます。さらにその直後、セシルたちの仲間となったカインが「闇のクリスタル」などというものの存在を語るイベントでも使用されました。 |
23 | 黒い甲冑ゴルベーザ | パイプオルガン!これはスーファミならではの表現力でしょう。最近のFFでもよく聞くことの出来るタイプの楽曲。初出はファブール城におけるゴルベーザの初登場シーン。この曲のおかげで圧倒的な存在感を与えられ、いずれコイツと戦うんだろうな、と予感したものです。 続いては、土のクリスタルを持ったセシルが強制的にゾットの塔に連れて来られ、ゴルベーザと会話するシーン。しかしですね……ゾットの塔はそもそもBGがこの曲のアレンジである「ゾットの塔」なんですよね。つまり、ここではゴルベーザのテーマを挿入する必要はまったくないんです。なんか「疑惑」→「黒い甲冑ゴルベーザ」→「ゾットの塔」と、音楽があまりにもせわしなくチェンジするんで、正直、美しくないです。まったく、楽曲の無駄使いという感じ。イベントプランナーあたりのセンス不足か? 一方でゾットの塔6階でのテラVSゴルベーザのイベント戦闘では、対峙から戦闘まで通して使用され、良い雰囲気。また、ドワーフの城における再対峙では、さっきゾットの塔で会ったばかりなのに「ひさしぶりだな……」と、えらくもの忘れの激しいゴルベーザさんでした。しかしその後の戦闘はこの曲のまま行なわれ、圧倒的な強さでセシルたちを苦しめます。 封印の洞窟ではゴルベーザが再度カインを操ろうと迫ってきます。ゴルベーザの思惑通り、カインは再び敵の手中に……。そんなシーンでも当然のようにこの楽曲が鳴り響いていました。 |
24 | 親方シド | シドのテーマ。いわゆるマーチです。シドがらみのイベントで多く使われているほか、流用もされています。実は初出はシドがらみではなく、セシルたちがファブールから船で出発する場面。 シドがらみでは、カイナッツォ撃破後、にせバロン王をぶちのめしてやる!と王の間にシドが飛び込んでくる場面が初出。後に、「闇のクリスタル」のありかの見当がつかずに意気消沈するセシルたちをシドが一喝する場面などでも使用され、雰囲気を明るく、前向きなものにしてくれたものです。バブイルの塔から落下するセシルたちを危機一髪、飛空艇で救うシーンでも流れました。この頃になると、自然とこの曲を「シドのテーマなんだな」と認識してますよね。さらに、彼の弟子たちが飛空艇を改造するイベントでも使用しています。 エッジが仲間になる場面でもチラっと流れ……そういえばエッジのテーマはないね。ルビカンテを倒した後、諸悪の根源ゴルベーザを倒すとエッジが決意するシーンでも使用され、シドが去った後はまるでエッジのテーマのような使われ方になっていきます。 後にシドと再会すると、彼がファルコンを耐熱仕様に改造するシーンで久々に「シドのテーマ」として流れます。やっぱこうでなくちゃ!その後、地上に戻りたくても戻れない場面でも「ワシがなんとかしよう!」と言って颯爽と登場。オイシイところ持っていきすぎ! また、ドワーフの城にある「かいはつしつ」でもこの曲が流れます。 |
25 | ミシディア国 | 出ました、FFならではの奇怪音楽。これって曲?とか言ってはいけません!誰ですか、「おじゃる」とか言ってるのは?こんなヘンな曲が流れていながら、ミシディアはシナリオ的に非常に重要な場所だったりするのですから油断はできませんね〜。 パーカッションの音色チョイスが絶妙すぎ! |
26 | 長い道のり | 非常に映画的な音楽というか、当時のゲーム音楽にはあまりなかったタイプの曲。ミシディアで長老の話を聞く場面に流されていますが、曲タイトルの意味するところはイマイチ不明です。植松氏の開発中の心境か?!ミシディアの祈りの部屋BGとしても流されています。 ミシディアでは神々しく聞こえたこの曲ですが、「かいはつしつ」の「かみんしつ」では、なにやらとてつもなく虚無感のある曲に聞こえるから不思議なもんです。仮眠をしているスタッフが、まるで「ただのしかばね」に見えてしまいます!ゲーム作りとはかように過酷……いやいや、ものづくりは何でもそうなんですよね。 |
27 | パロム・ポロムのテーマ | コミカルな感じがよく出ている曲です。ミシディアの曲とのバランスでこうなったのでしょうか。彼らにひっかきまわされる大人たちの心境の描写の方が大きいかも?パロム・ポロムに関したイベントでしばしば使用されましたが、「あの」事件以後は使用されていません。結果として、彼らのテーマと言うほど印象には残っていない曲になってます。 |
28 | ゴルベーザ四天王とのバトル | ゴルベーザ直属、「四天王」と呼ばれる中ボスたちとのバトル専用BGMですが、ラストダンジョンでレアアイテムを守っている強敵(ダークバハムート、プレイグ、タイダリアサンなど)との戦闘でも流れますね。変拍子でとっても拍の取りにくい、コピーしにくい曲。でも好きです。展開に富んでいて、聴く者を飽きさせません。これぞFFバトル音楽! 初出は試練の山での対スカルミリョーネ・第二戦です(変身前の第一戦は「バトル2」)。また、ドワーフの城におけるゴルベーザとの直接対決でも、リディアが現れた後はこの曲が使用されます。バブイルの巨人における四天王との再戦でももちろん使用。そして、ゴルベーザとフースーヤに倒されたゼムスがゼロムスへと変化する大詰めのイベントでも流れます。 |
29 | 飛空艇 | 飛空艇搭乗時のBGM。FFの飛空艇といったらこの「爽快・軽快」な感じは欠かせません。メインテーマのアレンジが入っているところがニクいニクい。ちなみに地上のエンタープライズ・地底のファルコンともに共通です。ああ、いつまでも飛んでいたくなるなあ。カーステでこの曲をかけながら車を運転したらさぞ……あぶないあぶない。 そういえば「ドラクエ」の音楽担当・すぎやまこういち氏は「空を飛ぶ時の曲は、敵と会わずにずっと聴くのだから、絶対に快適じゃなきゃいかんのですよ」とおっしゃってましたが、植松氏にもそういった考え・計算はしっかりあるんでしょうね。なんか植松氏は「計算って言った方がいいですか?」とか言ってしまいそうですけど。 |
30 | トロイア国 | 3/3拍子のワルツ調、あったか系の心休まる「癒し」楽曲。トロイア城で流れます。FF音楽ファンにはきっと「トロイアンビューティ」と言った方が通りが良いでしょう。他のお城と比べると、格段に平和的。それも、まだクリスタルが安泰だからかな?そうは言ってもすぐに取られてしまうのですが……いつでもゴルベーザの方が一枚上手なんですよね。まあ、途中から「結局全部ゴルベーザが集めるんだろうな」という予想もつくわけで。 |
31 | サンバ・デ・チョコボ | 黒チョコボに乗ると流れてくる楽曲。ホイッスルが見事ですな。パーカッションも、もろサンバです。今後のシリーズでも、○○・デ・チョコボというスタイルは、様々な楽曲ジャンルに姿を変えて、最新作まで登場することになります。過去のお約束を踏襲しつつ、FFはいつでも新たなお約束も生み出し、後のシリーズへと繋がっていきます。 なお、トロイアの町にある会員制のパブ「王様」のショーを見ると、そこでもこの曲が流れるんです。10000ギル、払ってみる?ウフフ…… |
32 | バブイルの塔 | マーチ曲。勇ましく進め!でも用心してね……という感じでしょうか。タイトルの通り、バブイルの塔で流れます。全体がオケっぽい音色で構成されていながらもベースだけがシンセっぽく、やや浮いて聞こえるのが気になると言えば気になります。もっと音色表現が上がれば、コントラバスのピチカートの方がしっくりくるかも。あ、でもバブイルのメカニカルな背景にはむしろこの方が合っているのかな……。 |
33 | 一方その頃 | 状況説明音楽。「黒い甲冑ゴルベーザ」のアレンジで、劇伴的な楽曲。初出はセシル一行が試練の山に進入した時に挿入される、まさに「一方その頃」イベントで、捕らわれのローザの前でゴルベーザとカインがスカルミリョーネを呼び出す場面です。その後もゴルベーザとカインの会話イベントで使われ、また、土のクリスタルを手に入れたセシルのところへさっそくカインが現れる場面でも流れてます。 カインがこちらの仲間になってからは敵側イベントへの流用がなされ、バブイルの塔でのルビカンテとルゲイエの会話シーンなどで使用されていますが、封印の洞窟ではまたまたゴルベーザ&カインの陰謀BGMとして復活してしまいます。結局カインは敵なの、味方なの?ということで、彼を中途半端に育てきれなかったプレイヤーも多いと思われ。これまでいろんな仲間が去っていきましたからねえ。 |
34 | ドワーフの大地 | 地底世界のフィールドBGですが、メインテーマの別アレンジってとこがニクい。あくまで「フィールドはメインテーマ」を押しています。オリジナルよりもひんやりとした(ダンジョン的な)曲調になっているのですが、地底って溶岩のせいで熱いんじゃ?もっとも「曲で温度も表現しろ」とまでは言いませんけど。「地底」ということに重きを置いてのアレンジでしょう。 |
35 | キング・ジオットの城 | とっても個性的な「城」BGM。イントロは勇ましいのですが、その後はコミカルテイスト。「ラリホー!」なドワーフたちならではの「城」ですね。ドワーフの城に着く前にもこの曲を聴く機会はあります。アガルトの村の宿屋にいる踊り子にダンスを見せてもらいましょう。 |
36 | 踊る人形カルコブリーナ | あやしいです。同じワルツでも「トロイア国」のワルツとは正反対の雰囲気を放ちます。グラフィックとの相乗効果はバツグンで、ドワーフの城におけるカルコブリーナの登場シーンは、夢に出てきてしまいそうです!ほんと、悪い夢を見てしまいそう……。そのまま戦闘に突入し、合体前まではこの曲のまま引っ張ります(合体後は「バトル2」に変化します)。 カルコブリーナ以前にもこの曲の出番があります。ミシディアの酒場にいる踊り子の踊りを見ればOK。また、カルコブリーナ後ではバブイルの塔におけるルゲイエ博士の登場シーンに流用されてました(こちらもそのまま戦闘まで通して使用)。 |
37 | ゾットの塔 | 「黒い甲冑ゴルベーザ」の別アレンジ。初出は試練の山におけるスカルミリョーネとの遭遇イベントです。テーマ性を持たせた印象付けの巧妙さは特筆すべき点。これも映画的、ってことかな。他にもバロンでのカイナッツォなど、四天王との遭遇シーンでは必ずと言っていいほど使われます。 もちろん、本命はゾットの塔のBGとして、なんですが。でもこれはあとづけのような気がする……。「ゴルベーザのモチーフだから、ここで使っちゃえ!」みたいな……。後に、バブイルの巨人での四天王復活イベントでも当然使用され、緊迫感を盛り上げます。セシルとプレイヤーはきっとシンクロして「邪魔するなー!」という感じではないでしょうか。 |
38 | 幻獣の街 | 「弦・ハープ・フルート」という「FFIV」でも使用頻度の高い楽器構成で聞かせる、神秘的なイメージ。タイトル通り「幻獣の町」のほか、幻獣神の洞窟、シルフの洞窟等で使用されています。ダンジョンに重きを置いたのか全体に不安げで、敵のいない(むしろ人に対して好意的な)「幻獣の町」ではちょっとこわすぎる感じがしないでもありません。いっそのこと「幻獣の町」はリディアのテーマが良かったのかも。 |
39 | 魔導船 | これもFF定番の飛行音楽、名曲です。とうとう空や海だけでなく、宇宙にまで……いざ行かん、月へ!プレイヤーの心理ともよくマッチしてると言えるでしょう。「爽快・軽快」はここでも健在。軽やかなストリングスが風を感じさせてくれるような気すらしてきます。 |
40 | もう一つの月 | 月におけるフィールドBG。さすがにメインテーマのアレンジということはないでしょう……と思ったら、後半のストリングスにはちょっと入ってる?ような気がしてきました。それにしてもこの、ムキュムキュした音色はなんの音なんでしょ?もとはブラス系だと思いますが、奇妙なディレイを加えることで、なんとも言い難い音色になってマス。 隠し味として、宇宙を通り過ぎていく流星を表わしているかのような「キューン」という音色も加えられていますね。宇宙っぽさを出すための、いろいろな工夫の跡が見られます。 |
41 | 月の民 | この、重い「ズーン」が最高。「もう一つの月」と共通の音色なんですね。そしてキラキラしたハープ、ベルとのコントラストの妙。空間を埋める音数の少なさも絶妙。月の地下通路で使われていますが、もっともっと前、試練の山でのイベントでも使われていたのを覚えているでしょうか?セシルとその父との対話シーンです。なぜこの場面でこの曲が使われたかは、月の民の館でフースーヤからセシルの出生の秘密を聞いた時に明らかになるでしょう。なるほど!と思うはずです。 バブイルの巨人で、フースーヤによってゴルベーザが正気に引き戻されるイベントシーンでも使用。そして、この曲がゴルベーザとセシルの意外な関係を予見していたことを思い知るのです。つまり、この曲名の「月の民」とは「誰と誰を」指しているのか……ふ、深すぎる……。 |
42 | 巨人のダンジョン | タイトルの通り「巨人のダンジョン」の曲です。いよいよ巨人の内部に突入!というところから流れ始め、物語終盤ということを予感させる宿命めいた曲調。以後、巨人内部で鳴り続けます。 もうひとつは、やはり何と言ってもラスダン「月の地下渓谷」後半の印象の強さ。レベル上げしたり、最強武器を手に入れたり、この楽曲はやたらとプレイヤーの耳にこびりついているのではないでしょうか?ただし非常にエンカウント率が高いので、後半はめったに聞くことができないはず。個人的にはベースとフランジングっぽいハイハットが効きまくってるイントロが一番好きですね。後半になって駆け回るハープのアルペジオも、月とクリスタルを連想させてくれます。 |
43 | 最後の闘い | 持ってるアイテム、武器を惜しまず全力投球!のラスボス戦音楽。今のFFにも通ずる、非常に展開の多い楽曲は多彩な表情を見せます。メインテーマのモチーフもしっかり入っており、その後でなぜか「ゴルベーザ四天王とのバトル」の一部も盛り込まれています。ステレオ音像での遊びもあって飽きさせない作り。部分部分にプログレ、ともすればシンフォニックメタルに通じるようなフレーズが顔を出す点も「燃える〜ッ!」という感じ。 |
44 | エンディング・テーマ | 長い!壮大!の11分37秒の大作。まるで映画のサントラです。冒頭は太陽・惑星・月がロングで映し出される印象的な場面。1分48秒からはメインテーマのアレンジに乗せて各地を巡り、その後の仲間たちの様子が映し出されます。4分30秒からは「さよなら……兄さん」。愛のテーマが聞こえてくると、エンディングも終盤にさしかかります。そして「FFのテーマ」へとつながるころには、背筋に電流走りまくり!仲間たちの祝福を受け、晴れてバロンの王・王妃となったセシルとローザでありました。 8分06秒からはスタッフロール部分、「勝利のファンファーレ」の後半部分にも聞こえます。「赤い翼」も交えながら進行する、勇ましいマーチです。既出曲のモチーフを中心にまとめられたエンディングはお約束的手法とは言え、数十時間を費やしたゲーム中の冒険を振り返るにはやはり最適。様々な場面が頭の中を駆け巡ることでしょう。 |
サントラ未収録曲 ・チョコボの森/トロイアの黒チョコボ飼育所で流れるチョコボのテーマ ・踊り子が踊る時に流れる「剣の舞」もどき ・仲間になる/目的達成ファンファーレ(短) ・セシル、パラディンになる/魔導船出現/ゴルベーザ&フースーヤがゼムスを倒した!ファンファーレ(長) ・宿屋に泊まった/テント及びコテージで休んだME ・ショックME ・哀しみのME ・ギサールのふえを吹いた際のME PS版のエンディングムービーの楽曲は、「FFVII」の製作を終えた植松氏みずからが書き下ろした新曲(オープニングムービーは効果音のみで、音楽はなし)。当然サウンドトラックには収録されていないが、ぜひいつの日かCDによるサントラとして、何らかの形で発表してほしい。 |
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初版紹介 現在、新品として入手できるのは上で紹介しているものだが、既に廃盤となっている初版も存在する。収録曲や構成はまったく変わらないが、販売レコード会社及びジャケットに差異がある。ジャケットは「ORIGINAL SOUND VERSION」のフォントが現在のものとは異っている。 アメリカーナレコード N23D-001 |
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サントラ全曲を網羅した、バイエル併用ピアノ譜。